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職業なんて飾りなんですよ

『ヴァリス資料館』

 王都にある国立図書館を目指して作られた資料館である。国内でも随一の蔵書数を誇り、規模はもはや国立図書館を超えているとされている。

 図書館ではなく資料館であるのは、本だけでなく様々なことに使われる材料や、大昔のものであるが各国の資料が保管されているためである。なお、これらの資料は一般には公開されていない。

 現在は隣にできた冒険者ギルドに吸収され、ギルドによって管理と運用をされている。


 と、私の持っているパンフレットのようなものには書かれていた。

 このパンフレットは私が資料館に入ったときに、ギルドカードと一時交換といった形で渡された。出るときにはこれを返せばいいらしい。


 それにしても国内一か、だったら私の求めるものは見つかるだろう。パンフレットには簡単ではあるが案内図があり、本の種類ごとに分けられているのがわかる。


 私が探している本は三種類ある。

 一つ目は職業に関する本で、ジョーカーを生かすために知識を増やさなければならない。

 二つ目は呪いに関する本だ。さっさと死の呪いから解放されないと、生きた心地がしないからね。

 最後の三つ目は、この街・この国・この世界に関する本だ。今の私はこの場所について知らなさすぎる。呪いとかから解放された後どうするかなんかを、考えなきゃいけない。

 もしかしたら呪いを解くために他の国や未開の地に行くこともあり得る。そうならない事を祈ってるけどね。


 最優先は呪いだろうか?けど呪いを解ける職業があるかもしれない。

 そんな期待も込めて第一目標を職業にしたのだが、選択を間違ったとすぐに反省することになった。


 そもそも職業は、たまたま手に入る副産物ってのが世界の共通認識らしく。例えば、剣士だから剣を使ってるのではなく、剣を使ってたら剣士になってた。みたいに、職業はあくまで結果ということらしい。


 つまり、職業なんて飾りだということで、その飾りについて詳しく調べようとは思う人は少ない。

 だからこんな風に本の数が少ないことになる。置いてあっても普通のはなく、職業全般の基本についてと珍しい職業ぐらいだ。



 そんなわけでここにある本をすべて読み終えるのに、あまり時間がかからなかった。

 読み終えて分かったのはこんな感じだった。


 職業は極めていくと上位の職業になり、基本的には上位の職業ほど何かに特化した職業になる。例えば、冒険者→剣士→騎士といったように、何でも屋→前衛職→防御職になったというわけだ。

 ただし、魔法職はこの理論に当てはまらないこともある。魔法職は上位に行くほど、使える属性が増えるといったものや、逆に一つの属性を極めたものの二種類があるみたいだ。


 次に職業は、戦闘職だけでなく生産職や農民とか、果ては国王なんかといった身分を示すようなものまであるらしい。伝説には勇者や魔王なんてのもあるとかないとか。


 こんなところが職業全般の基本知識として書かれていた。あくまでも基本知識なのでまだ何かあるような気もするけど、ここでは見つからなかった。


 すべて読み終えて、私のジョーカーにもいろいろと変化があった。とりあえずジョーカーのスキルを表示してみよう。


<ジョーカー(スキル)>

 メイン職業とサブ職業を自由に変更できるようになる。

 変更できる職業はその職業の知識をある程度持つか、1度でもなったことのある職業のみである。

 1度なったことのある職業はこのスキルのレベルに関係なく変更できる。(ただし解除はできない。)

 職業ユニークスキルを職業を変更しても使用できる。

 レベルは職業のジョーカーのレベルによって変化する。

  Lv3:ランク3までの職業を変更することができる。

    1日に変更できる回数はメインが2回まで、サブが5回まで

  変更可能職業

    ランク1:ジョーカーLv3、放浪者Lv2、村人Lv1

    ランク2:奴隷Lv10、冒険者Lv1、商人Lv1、農民Lv1、生産者Lv1

    ランク3:剣士Lv1、弓士Lv1、闘士lv1、探索者Lv1、行商人Lv1、

         鍛冶職人Lv1、布製職人Lv1、木工職人Lv1、薬師Lv1


 種族の変更とステータス欄で種族が確認できるようになる。

 変更できる種族はその種族の知識をある程度持つか、その種族を殺すことにより追加される。

   変更可能種族

    獣人、竜人、犬


 ジョーカーのレベルアップと変更可能職業の追加、一日のうちに変更可能な回数の増加が変更点かな。

 職業は大体が名前しか出てきてなかったけど追加された。これはたぶん前世のゲームとかの知識で補っているんだろう。

 魔法職の名前も載ってたけど追加はされなかった。まあ、魔法の概念なんかがわからないと駄目なんだろうね。


 そういや、サブ職業を弄ってなかったね。

 思いついたら即行動!ってなわけでレベルアップした時に奴隷に変更してたから、奴隷からの解放を使った後に、サブを奴隷にする。

 ・・・うーむ、体の重みはジョーカーの時のままだ。ステータス補正はメインにしてないと働かないってことかな。だったら、サブの利点って何だろうか。可能性としては職業スキルかな。職業スキルは一つも持ってないからわかんないけど。


 残念ながら呪いに関する本は見つかってないけど、今日はここまでにしておこう。あまり時間は過ぎてないが、職業変更回数を使い切っちゃって奴隷になれないので、本を読むのが大変そうだしね。


 そんなわけでギルドカードを返してもらったんだけど、今はジョーカー。つまり村人と判断されるのを忘れてたんだよね。ギルドカードの職業が変わってるかもしれない、と受け取る直前で気づいた。

 だけどカードの職業は冒険者のままだった。勝手に変わることがないみたいでほっとしたよ。

 

 帰る途中でもう一つ思い出した。宿屋どうしよう・・・


 職業の上下関係や現在変更可能な職業を変更する可能性がありますが、よほどのことがない限りこのまま行こうと思います。

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