現状把握
「そうだ、魔法を使えるようになったんなら、ステータスを見てみろ」
「ステータスを?」
「魔法だってスキルだからな、今使った水魔法と氷魔法があると思うんだが」
ステータスか、そういや前見たのは冒険者ギルドだっけ。あの時も全部見たわけじゃないんだけど、あれ?そういえば
「別にスキルを手に入れたとかのメッセージは流れなかったんだけど」
「メッセージ?ああ、職業レベルが上がった時に流れるやつか。スキルはいつの間にか手に入れてたり、レベルが上がってたりするからそんなもの流れないぞ」
前はスキルのレベルが上がった時に、メッセージが流れてたんだけど、最後に流れたのは確か・・・ああ、あの盛大にこけた時かな?今思い出しても恥ずかしいなあれ。
いつの間にか流れないようになったのかな?そう思うと頭の中をメッセージが流れる。
【スキル通知設定は現在無効となっています。有効にしますか?】
やっぱり無効になってたみたいだ。けど結構邪魔なんだよねこれ。このメッセージが流れている間は、難しいことが考えられない。戦闘中や集中しないといけないときは危ないから、有効にはしないでおこう。
それにしてもこの世界の人には、この機能がすでに無効化されているんだね。きっと子供のときに邪魔だからって私みたいに無意識に無効化してるんだろう。
とりあえずステータスを見ないとね。むう、スキルが増えてるせいか見ずらいな、と思えばすぐに並び替えられた。さっきまでは取得順だったけど、今は種類別だね。
ついでとばかりに、前にステータスを見た時からの変化がわかりやすくなっていた。
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名前:リフィア
年齢:13
状態:死の呪い(強)
職業:M.剣士Lv3 S.冒険者Lv2
<アクティブスキル>
索敵Lv3[1up]
身体強化Lv2[1up]
初級魔法Lv1[new]
水魔法Lv1[new]
氷魔法Lv1[new]
<パッシブスキル>
餓鬼耐性Lv2
呪い耐性Lv4[1up]
暗視Lv1
隠密Lv3[1up]
気配察知Lv3
五感強化Lv3
格闘術Lv2[1up]
剣術Lv2[new]
盾術Lv1[new]
植物知識Lv1[new]
魔力操作lv2[new]
魔力感知lv2[new]
魔力集積Lv1[new]
<ユニークスキル>
ジョーカーLv4[3up]
奴隷からの解放
狂化Lv2[new]
殺戮促進Lv3[new]
<職業スキル>
初心者補正Lv5[new]
剣補正Lv2[new]
<職業ユニークスキル>
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・・・うわー、やばいねこれ。なんかいろいろ増えてるし、増えちゃ駄目そうなのもあるんだけど。
と、とりあえずジョーカーの方も見とかないとね。嫌な予感はするけど。
<ジョーカー(スキル)>
メイン職業とサブ職業を自由に変更できるようになる。
変更できる職業はその職業の知識をある程度持つか、1度でもなったことのある職業のみである。
1度なったことのある職業はこのスキルのレベルに関係なく変更できる。(ただし解除はできない。)
職業ユニークスキルを職業を変更しても使用できる。
レベルは職業のジョーカーのレベルによって変化する。
Lv4:ランク4までの職業を変更することができる。
1日に変更できる回数はメインが3回まで、サブが5回まで
変更可能職業
ランク1:ジョーカーLv4、放浪者Lv2、村人Lv1
ランク2:奴隷Lv10、冒険者Lv2、商人Lv1、農民Lv1、生産者Lv1、娯楽家Lv1
ランク3:剣士Lv3、弓士Lv1、闘士lv1、探索者Lv1、行商人Lv1、魔術師Lv3
鍛冶職人Lv1、布製職人Lv1、木工職人Lv1、薬師Lv1、食事家Lv1
ランク4:狂戦士Lv1、二魔術師Lv1
種族の変更とステータス欄で種族が確認できるようになる。
変更できる種族はその種族の知識をある程度持つか、その種族を殺すことにより追加される。
変更可能種族
獣人、竜人、犬、魔物(ゴブリン)、人間
おう、これはもう色々と引き返せない気がする。きっと定期的に見ていたら、ここまで衝撃を受けることはなかったよね。これからは何かするたびに見とかないとな。
詳しいことは後回しにするとして、魔法系のスキルが大量発生してる。若干諦めていた魔法系の職業と、人間にもなれるようになっている。もしもの最終手段をとらなくて済んだのは良いことだよね。
待ってくれているセシアさんに、手に入った魔法関連のスキルを報告する。
「大体予想通りだな。魔力集積はよくわからんが、そいつと氷魔法以外は割と普通だな。スキルがあるのと無いのとではだいぶ違ってくるから、時間があれば他の属性の魔法でも覚えておくといいさ」
「そういえば、セシアさんはさっき水魔法を使ってたけど、適正ないんじゃないの?」
セシアさんの髪色に青がかかわってるようには見えないので、つい聞いてしまう。
「さっきは確かに水を出したが、あれは水魔法とは少し違って初級魔法に分類される。それに適性がなかったら、その属性の魔法スキルが習得できないだけだからな。あれぐらいの魔法を使えないことはないんだよ」
「ふうん、そうなんだ。いろいろ教えて貰いありがとうございます、セシアさん。これ以上時間をとらせるのもなんだし、体も洗いたいから出ていくね」
そう言って出ていこうとする私をセシアさんは慌てた様子で引き留める。
「おいっ、どこ行くんだ!?」
「へ?ああ、大丈夫だよ。部屋を出たら犬に変わるから」
「いや、そうじゃなくてな。どこで体を洗うのかって聞いてるんだよ。街中で洗えるような場所なんかないはずだ」
「それはわかってるよ。だから町の外に行くんじゃないか」
「町の外は危険なんだが?たかが体を洗うぐらいで、そんな危険を冒すようなバカはいないぞ」
つまり私はバカってことかい?そりゃあ常識知らない時点でそうなんだけど。
不服そうに眉を寄せる私を見ながら溜息を吐く、
「言っても聞かなさそうだな。私が場所を提供できればこんな苦労はしないんだが、残念ながらこの家にはそういった場所はないんだ。すまないな」
「大丈夫ですよ。街からそんなに離れなきゃ危険だってないだろうし、セシアさんにお世話になりっぱなしなのも悪いですからね」
「そう言ってもらえると有り難いな。だが、危険なのは事実なんだから気をつけろよ」
私はセシアさんにお礼を言って部屋を立ち去る。犬になる前にミシアさんに挨拶をしてから。本日二度目の外出をする。十分に気を付けると誓いながら。