第一章[過去の傷跡は大きく痛む]
環境汚染、食糧問題、領土紛争、人口増加、貧富格差。一時には宇宙空間にコロニーを建造して地球の資源を積み込めるだけ積み込み、どこにあるのかもわからない新天地を目指すなんていう、やけっぱちとしか思えない『アルカディア計画』すら大真面目に検討された資源不足さえ。
世界中すべての問題を軒並み解決してしまったあの天才魔女は、一千年たった今もなお多くの技術を進歩させ、既存の技術から組み立てたとは思えない冗談みたいな理論で不可能を可能にし続けている。
『空中都市』。
『宇宙空間に浮かぶ別荘』。
『気象操作』。
『他惑星地球化』。
『人口生態区』。
『第一永久機関』。
『複合再生医療』。
『人的資源』。
『最低水準』。
『外付技能』。
これでも一端。どれもこれもあの女が完成させ、改良が続けられているものだ。
時代が違う。世界が違う。あの天才は、あの天災はたとえ同じものを見ていても同じように見ていない。さながら原始人が雷に神格仏尊を幻視して科学者が静電エネルギーと計測するように。
人類がレーザー加工機を完成させて黒曜石の石器や日本刀を時代遅れにしてみても「どっちも切るものでしょ?」の一言で片づけ、より高性能な技術を提出してくる。
今だって魔法使いの工芸品と呼ばれる魔法の道具が普及したことによって世界中の人間がすでに満足しているというのに未だ世界のどこかで全世界の人間を魔法使いにできないか、なんて魔法使いですら諦めている『人類進化』計画をクソ真面目に研究していやがる。
「まったく、そんなやつが一千年も幅きかせてりゃ向上心ってもんもなくなるってもんだよなあ!」
もしもこんなことを言っているのがばれたら怒り狂った『善良な大衆』にグロテスクな見た目になるまで袋叩きにされた後一刀ずつ肉をバラバラにするって話の、凌遅刑とかいう大昔の処刑法を現代で試される危険があるけれど、どうせここは学園の敷地内でも誰も来ない山の高台だ。
相手が世界を救った大英雄様だとしても聞きとがめる人間がいなければ不敬罪でつかまったりはしない。
「くたばれクソババアー!」
思いっきり、腹の底から声を出して叫ぶ。
「どうせ聞いてないなら思いっきり叫んでやるぜ! 誰も僕を捕まえられねえんだからな!」
証拠不十分万歳!!と諸手を挙げてゲラゲラ笑う馬鹿だが、その肩を後ろからたたく者がいた。
「確かにホントにだあーれもいないならつかまらないね☆」
「うっぎゃああああああああああああああああ人生終わったああああああああああああああああああああああああああ!? すんません言ってみただけっす!! 逢坂様バンザイ! 本心ではマジリスペクトで永遠のアイドルっすッッ!!」
背後から聞こえてきた死神の手に飛び上がりながら土下座を刊行、命がけの謝罪を口から出まかせに連続させながら額で土を掘るかのように頭部を勢いよく打ち付け頭を下げる。
ちくしょうどうせ死ぬなら童貞くらいは卒業しておきたかったッ……と本気でくだらないことを考えながら見事すぎるほどに鮮やかに手のひらをかえして腰から直角にコメツキバッタのごとくぺこぺこと謝っているとくすくすと抑えたような笑い声がした。
「なんだ、お前かよ……」
相手が誰だったのか判然として一気に肩から力が抜けた。
「あは☆ 襟人ってばほーんといつもからかいがいがあるよねー♡」
うるせ、と言って相手を睨む。
にまにまといたずらが成功した子猫のような表情でへたり込む襟人を見下ろしているのはクラスのお姫様だ。
皇樹姫菜。
魔法使い御用達、愛用の空飛ぶ箒を片手に、こちらを見おろしてにやにやと笑っている彼女は『人的資源』によって厳しく分けられている学園の組分けでもAクラスに所属している才媛だ。
見ての通り美少女ではあるのだが、襟人が彼女を見ても湧くのは劣等感や苦手意識くらいのものだ。
何しろこうして同じ場所にいるだけで自分が場違いに思えてくるほど。
もうオーラが違う。彼女のオーラを見ることができたならきっとキラキラしたエフェクトでできているのだろう。対して襟人のはドブネズミみたいな色で。もしこれで身内でなければ思わず「ごごごめんなさい!」と全力で謝罪した後カサカサカサッッ!とゴキブリを彷彿とさせる土下座姿勢で逃げ去っているまである。
それだけでなく、体内を力強く循環する魔力の発光でハートが瞳孔に輝いているアホみたいに現実離れした目はカラーコンタクトの類ではなく邪視殺しの魔法を持つ本物の先天性魔眼と、幼馴染だというのにごみの掃き溜めであるFクラスに通う最低のFランクである襟人とは住む世界が違ういとこである。
見れば十人中十人がかわいいと言って見とれるであろうその屈託のない笑顔に襟人の頬が引きつる。
「僕が何をしたっていうんだくそったれ。ババアよりヤバいやつが来ちまった……」
「え? ごめん、もう一度言ってくれる? できれば『まったく、そんなやつが一千年も幅きかせてりゃ向上心ってもんもなくなるってもんだよなあ!』ってところからお願い」
「録音魔法構えてる悪魔に言うわけないよなあ!?」
冗談じゃない。八刀刑とか凌遅刑に処されてしまう。
グラム98円で売られてしまう。
「襟人のお肉だったら今の相場はキログラム十円しないよ☆」
そうだった。逢坂恋愛が技術提出した『最低水準』や『複合再生医療』のせいで内臓系ですら今の時代じゃ売れないのだ。
「おばあ様をそんな風に言うものじゃないよ?」
怒ったように眉根を寄せて悪魔は言う。
「すごい人じゃない。世界中の人々に対して平等にその功績を分け与えているんだから」
今や人間は働かなくても生きていくことができるようになった。旧時代では極端な貧富によって餓死する人間がいた、なんて言っても「ふうん、この時代では『人口生態区』がまだ未発達だったんだねえ」なんて言葉で片付けられてしまうような時代だ。
「けっ」
いらいらと唾を吐き捨てる。
「冗談じゃねえや。これのどこが平等なもんかよ。あの腐れババアの提唱した『人的資源』のせいで能力の無い人間はどこまで行っても卑下されるんだぜ」
身体能力。脳構造。血統。病理的脆弱性。遺伝子的価値。持っている総魔力量。魔法への適合力。特異体質。術式演算能力。エトセトラエトセトラエトセトラ。世界的に受け入れられた『人的資源』プロジェクトは簡単な術式にまとめられた魔法によってその人間の能力、適性を余さず調べ上げ、偉大な才能が埋もれていかないように毎日毎日大活躍だ。
隠れた才能を確実に見つけ出すなんて言えば聞こえはいいかもしれないが、個人情報保護の欠片もない計画は生まれたばかりの無垢な赤ん坊に対して「これは失敗作ですね」なんて残酷なことを突きつけやがる。
「襟人は自分がFランクだからそんなひねくれたことを言ってるんでしょー? 能力が低くったって生活水準は体脂肪率を気にしてダイエットに励むくらい豊かなんだし、功績があれば向上できるようになってる。才能や能力まで『最低水準』で足りなければ『外付技能』で獲得できる。実際世界中の人たちは感謝してるよ?」
そんなことはわかっている。世界的に逢坂恋愛は天才だ。
普通なら一生涯にかけて誇るような功績をまるで使い捨てのカイロのように次々と投げ売り、人が称賛するころにはとっくに次の興味の対象に首ったけになっている社交的なマッドエンジニアでも、屋敷では毎朝毎朝騒音のような目覚ましをかけだっさいジャージでごろごろしているダメ人間でも、世界中のあらゆる問題を解決して戦争をなくした英雄なのだ。
「そんなこと言ったところで僕のランクは上がんねえし、周りからのいじめだってなくなんねえんだけどよ」
低いランクの人間は何をしても認められない。何かをなしても生意気だといわれ、何もしなければやはり下に見られる。
逢坂恋愛が完成させたのは人間の才能能力を余さず調べ上げて格付けする選民思想のシステムだ。
「んー? なんか言った?」
何でもねえ、と襟人は言った。
「それよりお前はなんでこんなところにいるんだよ? ホントに僕をからかうためだけに来たんじゃねえんだろ?」
「うん?」
姫菜は何を言われているのかさっぱりだ、という顔をした。
「わたしはホントに襟人をからかいに来ただけだよ? 空飛んでたら見た顔があったから後ろからこっそり近づいてみただけ。見ーれるかな、見れるかなっ、襟人の黒歴史的な何かが見れるかなー☆って」
「ちくしょう! 予想してたけど違ってほしかったッッ!!」
クラス……というか学園では猫かぶってお上品にしているが本性はこういうやつだ。
思い返したくもないが、部屋で怪我もしてないのに包帯を巻いた時もかっこいいオリジナル技を練習していた時もギター片手に売れっ子ギタリストの気分でエアインタビューをしていた時もパソコンで自作の小説の設定を書き込んでいた時も『もしも自分が世界征服したら』で政策とかやりたいことを書き込んでいた時も、いつの間にか背後にいやがるのだ。
しかも正月とかクリスマスに婆さんが来るたびに言いつけやがる。
「ねえねえおばあ様、襟人が右手に封印された一千年前から心を通わせた暗黒竜の力と魔法を無効化する『消滅の神聖眼』っていう魔眼で『|邪神暗黒竜紅蓮灼熱極光覇』を使って世界征服をしたらギター片手にインタビューしてヒーローみたいに崇められて後ろからが好きな女の人と付き合ったりハーレムで女の子侍らせて朝を迎えたいんだって!」
「ふーん。ネーミングがいまいちだしイベントもべたべたすぎるかな。おまけして三点。襟人、もうちょっと設定から見直したほうがいいと思うよ。あ、百点満点ね?」
いっそ殺せッッ!!
こいつがいとこだったせいで襟人は精神的なダメージってやつは肉体的なダメージよりはるかに強烈なんだという、普通なら知らないで済んだことを初等部の六年生で知るはめになったのだ。
ババアもババアだ。女の子のところを男の子にしたら十点加点してあげるけどどうする?とか言ってたけど、どうもしねえよ孫に何を期待してんだあのババアは!
「んん? なんかアンチ姫菜運動してない? 変な動きを見せると初等部三年の時に高良さんの縦笛の先を自分のと交換したこと言いふらすよ? それとも初恋のこといいふらそっか。あ、もしかして『デスノート』の方がいい?」
「お前それ僕が自分でデスしちゃうノートだろうが!」
返せよ! 焼くから!
「自動筆記ペンで書き写したコピーだからわたしのですぅー☆ なんなら裁判に持っていく? いいよー?」
でもその代わりにデスノートが裁判官に読まれちゃうけどねー☆あっはっはー!!と高笑いをされて、しくしくと服をはぎ取られて乱暴された女子のように泣き寝入りをする襟人だった。
「彼氏が知ったら泣くぞテメエ……」
「だいじょーぶだって。完璧猫かぶってるから襟人が余計なこと言わない限りばれないし。ってゆーかばれそうになったら襟人の妄想計画でもファイルから出してばら撒いてそっちに話題持ってけばいいし☆」
「やめてくれよ!? そんなことしたら僕が泣いちゃうだろうが!」
ふりじゃないぜ!?と懇願する。
「じゃあ襟人が布団に描いた異世界の世界地図の写真にしちゃう? インパクトとしてちょっと足んないから茶色成分追加するけど♡」
「ちくしょう死んでやる!」
手すりの向こう側の崖へと身を投げ出すために駆け出すが、途中で重力増加の魔法が展開されて全力疾走の勢いのままゾリゾリゾリ!と顔面をやすりがけするみたいに地面に突っ伏す羽目になった。
さすがAランクの魔法使い、詠唱も何もなしで演算が面倒な重力魔法を難なく使う。こっちは箒で空を飛ぶのがやっとで、基本魔法から少しでもそれたら元素干渉?なにそれ食えんの?状態だっていうのに。
ごろ、とひっくり返ると、姫菜がスカートを抑えながら一歩下がった。
「ダメ。もう中等部なんだし、見せたげない」
「スカートの中覗こうとしたわけじゃねえよ!」
びっくりしたなあ!
「ええー?」
姫菜は疑わしげに、
「年頃の男子なんて考えることは繁殖行動と性衝動くらいでしょ? 襟人見てればわかるよ?」
「失礼なこと言ってんじゃねえよ。十分に一度はほかのことも考える!」
「十分に一度しか考えないんだ……」
「だいたい僕がさっき見ようと思っていたのはお前の胸を下から見上げた時のシルエットだ!」
「ねえ、そんなの暴露された側はどういう反応すればいいのか教えてくれない? はっきり言うけど自主的に監獄で暮らしなさいよもう」
「え? 何を呆れたような顔をしているんだよ。おっぱいもんだり尻なでたりパンツもらったりひざの裏とかわきの下でいろいろするの考えてるくらい当たり前だろ?」
「いやいや、ご飯のときはおいしいとかまずいとかあるでしょ。勉強するときは勉強のことを考えるでしょ。言い出したのはわたしだけどさすがにそこまでじゃないでしょ。え? ひざの裏? わきの下ってなに?」
「飯食いながら考えてるし勉強中なんてえっちなこと以外に考えることねえよ。こうしている今だって、僕は桃色の妄想をしているんだぜ」
「そんなかっこよくかっこ悪いことを言われても……」
うわあ、と姫菜が祖母さん似の引き方をした。
なるほど。
「さてはあれか。男性幻想とか持ってるタイプか。あきらめろって、お前の中の理想の男はこの世界のどこにもいないから。せいぜい三十路前になって焦るがいいわこのお局様が!」
調子に乗った馬鹿は姫菜様の肩がわなわなとふるえていることに気が付かない。
「つーかスカートの中身とか気にするのは璃珠奈姉さんくらいきれいになってからにしやがれってんだふぅははははははー!」
「あはははは☆ ところで録音魔法のこと忘れてないかなあ♡」
瞬間、すみませんっしたー!と全力でトリプルトゥループ土下座を決めた。
「一通りからかったし。由宇もそろそろ授業終わるから行こうっと。バイバイきーん☆」
箒にまたがってふわ、と柔らかく浮かび上がったと思ったらその間に風防と加速用の魔法を使って一気に風を巻き上げて飛んでいく。
毎度毎度、嵐のような奴だ。
「おもに災害的な意味で」
というかババアって言ってるところ聞かれたけど年末にババアから膝蹴りをもらったりはしないだろうか。
時代の転換期に代表魔法使いとかいう代表戦争制度で太陽を射撃する魔法使いや光速斬撃系金髪巨乳とか馬鹿げた戦力を魔力噴射とお手軽射撃魔法の応用で撃破したというあの超若作りばあさんは孫でも子でも余計なことを言ったら容赦なしだ。
なんてったってクマを素手で絞め殺せそうなあの親父が、
「いいか、襟人。母さん……お前のお婆ちゃんには絶対に逆らうなよ? 余計なことを言ったら逆十時エビ反り固めとか魔法使い専用光属性打撃魔法でぶっ飛ばされるからな?」
その年の正月にそのことを聞いたら親父の腰骨からめきめきと聞こえちゃいけない感じの音が鳴ったので間違いない。
調子に乗って家族が死因を隠すほど馬鹿な死に方をした爺さんも、
「いいか、襟人。ああやって逆らったらこんなふうに肘の関節がねじられたようにいたいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
とやって年甲斐もなく夫婦間のボディタッチに悶絶していたからホントに間違いない。
手すりに寄りかかって遠くに見える航空艦を眺め、大きくため息をつく。
さっき居た皇樹姫菜もそうだが、うち――逢坂恋愛の血を引く家系はのきなみ優秀なのだ。姫菜だけでなくうちの兄貴もAランクの魔法使いだし、雅樹おじさんの娘の璃珠奈姉さんなんて精神干渉系の魔法を使って、常に魔力で直接干渉する魔法に抵抗している魔法使いを平然と支配下に置くことができる。
僕だけが、仲間外れで最低評価の『Fランク』なのだった。
ランク。この時代の人間は『人的資源』によって解析された結果に基づいてその能力にAからFのランク分けが与えられる。
さて、では襟人の能力はといえばかろうじて『基本魔法』とも呼ばれる魔法使いなら誰しもが使えて当然むしろ使えなければ魔法使いを名乗ることもおこがましいとまで言われる程度のものしか使うことができない。
かくして『人的資源』によって襟人に押されたのは総合評価Fランクの烙印だ。
そりゃ、襟人だって自分はお世辞にも優秀だとは思っていない。だけどだからと言って自分まで自分をあきらめたらそこで終わってしまう。
辛いからって上を見上げることをやめてしまえば下しか見れなくなるし、早く走ろうとして転んで怪我をしたからと走るのをやめてしまったら二度と早くは走れない。十メートル先の足をのばしても踏めない地面があったとしても諦めずに十歩も歩けば踏めないといわれた地面にたどり着けるのに!
「だな。なんであろうと僕は努力を重ねるだけだ」
どうせこの時代の人間は逢坂恋愛におんぶにだっこ、頼ることが当たり前になっていてグータラ寝ているニートに過ぎない。姫菜の言った通り生活水準は体脂肪率を気にしてダイエットに励むくらい人間の暮らしは豊かになったため、誰もが努力を忘れてしまったのだから。
「見てやがれデブウサギどもめ。今に頑張るカメが置き去りにしてやるからな」
用語解説
・逢坂恋愛
二十三世紀後半に華々しく世界に名をとどろかせた天才魔法使い。世界中のあらゆる問題をその頭脳と機転とそして力技によって解決してきた英雄。なんらかの手段で延命、停齢の効果を使っており、外見はいまだに十代のまま。実年齢は西暦3440年現在で1156歳。
・『人類進化』計画
世界中の人類全員に魔法が使えるようにしようという計画のなかで人類を魔法使いにしてしまおうというベクトルの計画。もう一つ、魔法を今の人類でも使えるようにしようという『適合魔法』計画があるが、こちらは魔法使いの工芸品と呼ばれる魔法の道具である程度成功している。
・出木杉襟人
主人公。逢坂恋愛の孫。家族の中で一人だけ能力が低いので落ちこぼれのエリートと卑下されている。
・皇樹姫菜
子猫のような表情が魅力的な亜麻色の髪をした少女。襟人同様逢坂恋愛の孫。強力な魔法を片手間に使い、邪視殺しの魔眼を生まれつきに持っているAランクの能力を持つと魔法に太鼓判を押された天才児。愛用の飛行箒はスカイオートライン社のポメローコメットⅫ。暇だからという理由で追い込みに来る襟人の天敵。
・録音魔法
ボイスレコーダー。うかつなことをしゃべると社会的に追い込まれる。
・『複合再生医療』
本体は中に液体が充填できるカプセル状の寝台。魔法によって中に放り込んでおけば一日で大概の致命傷は完治するスグレモノ。いわく、世界のどこかでこれに入ったまま復活の時を待っている魔王の手下がいるとかいないとか。
・『人的資源』
身体能力。脳構造。血統。病理的脆弱性。遺伝子的価値。持っている総魔力量。魔法への適合力。特異体質。術式演算能力。エトセトラエトセトラエトセトラ。人間の能力を徹底的に調べ上げる魔法によってその人間が発揮しうるパフォーマンスを計算、結果に応じてその能力、および個人の素養にランク評価を与える。
・『最低水準』
生命活動、寿命など人間として持っておくべき最低水準の能力を整える魔法技術。コストを抑えるために極力無駄を排しているため、これで得られるのはこの時代の人間として必要な最低ラインの能力。
・『外付技能』
人間の能力を後から外付けする魔法技術。魂という魔力の源に魔法で触れて行うチート行為。魂の成長度によって改竄できる範囲限界があり、アプリポイントという形で『人的資源』の表示魔法陣で確認できる。
・暗黒竜
とりあえず黒い。あと火を噴く。なんか強い。
・消滅の神聖眼
魔眼にあこがれた襟人の邪気眼。見ただけで魔法を消せる。あきらかに姫菜の魔眼の効果。
・邪神暗黒竜紅蓮灼熱極光覇
ダークブラッドフレイムラストバースト。かつての襟人の必殺技にして今の襟人の古傷。真っ黒な燃えるビーム。
・デスノート
他人に見せたら書いた人が自主的に自殺を図るノート。誰かの若気の至り。別に死神は見えたりしない。
・璃珠奈
逢坂璃珠奈。逢坂という名前の通り逢坂恋愛直系の孫。魔法使いとしてできて当然の飛行さえできないくらい精神干渉に特化した魔法使い。肩に触ったりする、あるいは目を合わせるなどの簡単なきっかけで魔法をかけられる。息が止まるほどの美人。