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俺とメリーさんと朝

作者: 天都奈

 チュン・・・チュン・・・

 翌朝、漫画ではよく主人公が気持ちよく目覚めるような位の快晴であるが、俺こと吉野健一郎よしのけんいろうは起きようという気はサラサラない。なぜなら今日は何故かいつもより布団が暖かいからである。

(なんで今日に限ってこんなに暖かいんだ?いつもこれくらい、暖かくて柔らかくていい匂いがすれば良いのに。)

 などと思いつつ、その暖かいものを抱きしめた。

「ぅん・・・んん・・・・・・はむっ。」

(懐かしいな。実家にいた猫もよく俺の布団に入ってきては、服を甘噛みしてたっけな・・・。)

・・・・・・いやおかしい。俺は実家に帰った訳でもなければ、部屋で猫を飼っている訳ではない。まずその前に抱きしめるという点でおかしいのだ。

 俺の頭は、さっきまでの早朝満喫モードからフルパワーモードへと一気に覚醒した。

 そうだ俺は昨日、メリーさんという訳の分からん女の子に呼び出され、家に泊めることになり、気が付いたら背後霊よろしく殺気に満ち満ちて、俺の後ろにひっついたメリーさんじゃないか!

 などと考えているが、今はそれよりも大事な事があった。それは、今自分がそのメリーさんを抱き枕のように抱きしめており、そのメリーさんも俺の寝間着を甘噛みしているのである。

 「(ごくり・・・。)」

俺は恐るおそる目線を下に向けた。そこにいたのは、

目をつっむって俺の寝間着を噛みながら幸せそうに眠っているメリーさんの姿があった。

 都市伝説の言うとおり髪は金色の髪に整った顔、肌は薄い肌色ですべすべしていた。また服装はというと、薄い白のワンピースである。しかも寝返りをうったせいか、少しはだけており胸元がチラチラと見え隠れするので寝起きにとってはとてもきつい。

 だがひとつだけ都市伝説と違うところがあった。それは・・・

(これ絶対10代じゃないよな。)

 そう前に取り上げた部分だけ見れば確かに少女っぽいのだが、プロポーションが違いすぎる点である。なぜなら、胸がBの後半からCぐらいの大きさである。今まで気がつかなかったが、改めてその胸が自分に押し付けられている事に気付き危うく鼻血を出しそうになる。だが今はそんなエロ恥ずかしい格好をしているメリーさん(?)に見惚(みと)れる訳にはいかなかった。

(早くこの態勢何とかしないと)

 取り敢えず俺はメリーさんが甘噛みをした部分を引き抜くと、二度寝するのもどうかと思ったため、布団から出て遅い朝食の準備を始めた。

 結局出勤の時間までメリーさんは起きてこず、取り敢えず作ったメリーさんの朝食にラップをかけ、横に(冷たかったらレンジで温めてから食えよ)と置き手紙を置いて俺は自宅を出た。

こんにちは、天都奈です。メリーさんの第2弾です。皆様のご意見ご感想をお待ちしております。

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