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ガラガラガラ
と乾いた音が響き、教室のドアが開いて入ってきたのは、
なんと、
今まで二次元で夢見ていた"真(sin)・美少女"だった。
「あの・・・・・・。」
栗色の長髪が宙を舞う。
1つ1つの動作から優雅さを感じさせながらも、少しあどけなさを残した笑顔がそれを中和していて、そしてー
「あの、あなたがた!」
「ん?」
俺は、取り敢えず後ろに振り返った。
てか、俺"たち"だな。
「お約束の反応ですね・・・・・・。
あなたがた3人の事です!」あ、そう。
俺らがオタクだから、それを馬鹿にしにきたんだろう。
でも、なんであいつの顔がうっすらと赤く染まっているんだろう?
次の瞬間、俺らはその理由を知ることとなる。
「つ、つ、付き合って下さい!」
・・・・・・は?
今なんて言った?
「・・・・・・付き合って・・・・・・。」
うわ、照れてるところ、天使みたいだなぁ。
流石にオタクでも、可愛い娘に好きと言われれば断れな
「無理。つか、俺リアルに興味ないから。」
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・流石ロッティ。爽やかすぎる笑顔で残酷な真実を告げやがった。
「・・・ってかなんで3人に告ってるの?
ちなみに、俺、中学生じゃないと無理だわ。」
「いや、あの、はうぅ・・・。」
お・ま・え・ら(笑)
そういえば、こいつらオタクじゃない。
ヲタクだった。
その娘は寂しそうに、うるうるとした瞳で、上目遣いで俺を見てくる。
俺は、迷わず
・ごめん。もう嫁いるんだ。
・俺、三次元捨ててるんだ。
・無理☆DEATH
・・・なんか選択肢がおかしい。
うん。フラグたて間違えたな。
取り敢えず、
「夢だよな、これ。」
自分の頭をひっぱたいた。