表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

 NOT THE GAMEと現実の時間は剥離している。

 そんな奇想天外な仮説が万が一正しいとして、気になってくるのはゲーム開始時に聞いた言葉。


 NOT THE GAMEは現実とリンクする―――。


 それも、【努々忘れるな】という念押しまでして、だ。


 現実的に現実世界とゲームがリンクするか?

 常識的に考えて、答えはノーだ。

 しかし、あれだけに現実世界に似せて作り込まれたゲーム世界だけに、常識という物差しで考えるのは危険と思わざるを得ない。


 なので、一つの実験を行うことにした。

 一度ログアウトして戻った現実の部屋。

 ここにある物の状態を変化させてみて、NOT THE GAME内の部屋に反映されるのかという実験だ。

 1つだと偶然の可能性もあるので、念の為3つ仕掛けをしておく。


 1つ目。

 部屋に貼っている巨乳グラビアアイドルのポスターを剥がす。

 幼い頃にめちゃくちゃ嵌って、結婚発表で完全に冷めたグラドル森川玲々のポスター。

 さっさと剥がしても良かったのだが、何となくそのままにしてたってだけのものだ。


 2つ目。

 ノートに文字を書いて学習机に広げておく。

 文字は何でも良いが、分かりやすいようにマジックでNOT THE GAMEとでも書いておくとしよう。


 3つ目。

 ベッドの下に隠してあるエロ本を、ベッドの上に置いておく。

 母親に見付かったのかな?ってぐらい堂々と、ベッドの上に鎮座させる。

 見付かるリスクは気にしない。


 後は昼飯を済ませて、2時間ぐらい潰してからログインすれば良いだろう。


「あら、まだいたのね。今日はお出掛けしないの?」


「ちょっとしたら出掛けるよ。母さん、何か食べる物ある?」


「お母さんさっき食べちゃったから、これどうぞ」


 手渡されたのは、薬局の紙袋?


「これは?」


「1本で満足なカロリーバーよ」


「ああ…いただきます…」


 代わり映えの無い会話。

 1本で満足出来たので家を出る。


 検証実験の一つとして、出来れば【今】の東雲鈴音と接触してみたいと思っているが、恐らく【今】の東雲鈴音は、何処かに出掛けてしまっている。

 東雲鈴音の家は近所でも有名なので、訪ねる事は可能だが、『君は娘のストーカーかね』とかって疑われてお縄につく事になったら目も当てられない。

 あそこの親父さん、すげぇ怖いって有名だからな。


 【まだ】友達でないかもしれない東雲鈴音を訪ねていくのは、少々リスクが高過ぎる。

 戻って来るまで張り込むってのも、大分問題があるだろう。


「となると、ただ時間を潰して戻るだけか…」


 それなら別に、外に出た意味なくないか?

 部屋でスマホを弄っていた方が、余程気分転換になるかもしれない。


 うーん、うーんと唸っている間に、気付けば隣の家の前に来ていたらしい。

 扉が開いて、幼馴染の柊京香が現れた。

 柊は俺に気付くと、NOT THE GAMEのNPCと同じ感じで近付いて。


「裕ちゃん?家の前で何をしているの?もしかして私に用かな?」


「え…?」


 俺の記憶違いでなければ、現実の柊がNPCの柊と同じ台詞を言った…?


「い、いや…。ちょっと散歩でもしようかと思って」


 少しばかり動揺してどもってしまった。


「柊の方こそ、俺に何か用か?」


「あはは。ほら、お買い物だよ。お米が切れちゃったから買い物に行かなきゃいけなくて」


「は…?」


 2度目だ。

 現実の柊がゲームの柊と同じ事を言った…?


 これは一体、どういう事なんだ―――?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ