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試練の扉:難易度VERY EASYは、見たまま簡単に攻略出来た。
魔物がいる部屋を攻略→先へ進む→魔物が部屋を攻略→先へ進む→魔物がいる部屋を攻略って流れで、最終的に10戦。
部屋には1~3体の魔物がいて、1体につき1つの宝箱をドロップ。
出て来た魔物はスライムと、めちゃくちゃ脆いスケルトン。
最後の部屋にボスっぽい大型のナメクジがいたが、動きが遅かったから遠距離から銃で倒せた。
道中3択は全て真ん中、2択は全て右だった…。
わざとやってるんじゃないかと思ったが、どうやら本気でやっていたらしい…。
めちゃくちゃ悔しがってたからね…。
獲得したアイテムを整理する。
精製水×5
初級回復薬×3
硬い骨×2
絹の羽織り×1(耐力+10 速力+5)
錫の髪留め×1(技力+6)
革のジャケット×1(耐力+15 速力-2)
粗末な肘当て×1(力+5 耐力+3)
緑のオーブ×1(威力+2 射程+3 速力+2)
「どうやって分配するかだけれど…」
「私は二人の共有財産にしたいな。本当は友達である成木原君に全てあげたいところだが、以前別のゲームでそれをやって、裏があるんじゃないかと怪しまれた経験があるんだ。私は善意でしかなかったのに」
「あー…」
ネットだと相手の人となりがわからないから、無償で何かをすると怪しまれるんだよな。
善意の押し売りは裏を勘ぐる人も多いだろう。
「わかった。だったら共有財産にしよう。装備品とオーブについては、適材適所で振り分けるって事で良いかな?」
「そうしよう」
複数あるアイテムは大まかに半分ずつ分けてポーチにしまう。
東雲鈴音は袴の袖からポーチを出した。
このポーチ、全く重さを感じないから、袖に入れても動きを阻害されたりしないのだろう。
革のジャケットと緑のオーブは俺が。
残りの装備は東雲鈴音が装備した。
大ぶりの白薔薇が刺繍された羽織は、長身の東雲鈴音に良く似合った。
髪留めはお団子にしている髪留めをそのまま変更。
肘当ては袖の中に着けたので見えていない。
俺の方だが、革ジャンに銃って…。
トッポガンかな―――?
あっちは下がデニムだった気がするから、完全一致は回避したが…。
微妙に狙ってるっぽくて絶妙に恥ずい…。
これにサングラスだけはやめてくれよ…?
俺は質の悪いコスプレでゲームをするなんてごめんだぜ…?
フリって訳じゃ、無いんだぜ―――?
「ま、それは置いておくとして」
「ん?どうしたのだ?」
「俺は外に出たら一旦ログアウトしてみようかと思う。休憩がてら色々試してから、またログインするよ。その間、東雲さんが何をするかは任せるよ」
「わかった。だが成木原君の考えが正しければ」
「ああ、多分一瞬で戻ってくる。取り敢えず言っておくよ。また後で」
「またね」
NOT THE GAMEからログアウトして、俺は幾つかの検証を行うことにした―――。




