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「よし、今日の所はこんなもんかな」


「お疲れ様だね」


『おつかれにゃ』


 初日終了。

 ウインドウに『10分後に睡眠状態に入ります』と表示され、カウントダウンが始まっている。


 1日NOT THE GAMEをプレイしてみての感想だが。

 現状コンテンツは少ないものの、かなりの作り込みとリアリティがあって、魔物が存在する現実世界を疑似体験出来る面白いゲームだった。


 魔物を倒すと確率で扉が出現。

 扉で各種アイテムや装備を獲得出来るってシステムも、ありきたりだが楽しい。

 武器を強化するオーブに個体差があり、厳選する事で高みを目指せるってのもモチベーションになる。

 スキルや特性を組み合わせて、最高のビルドを作り上げるってのが、恐らくNOT THE GAMEの肝なのだろう。


 現状の流れとしては、狩り2時間の睡眠1時間で進めるのが最高効率だろう。

 睡眠状態から復帰して、安全地帯が解除されるまでの時間が5分あるので、正確には狩り1時間55分の睡眠1時間5分になるか。

 時間ギリギリの戦闘で扉を引き当てたりすると、時間が後ろにずれ込むので、完璧にこのタイムスケジュールで動くのは不可能ではあるが。


 魔物は、今のところ遭遇した敵に厄介なのはいなかった。

 ヤバかったのは最初のスライムと、東雲鈴音が2対1で苦戦してたブラザーラビットLRだけだったな。

 スライムは俺の迂闊さが招いた悲劇だし、兎ズは2人で戦えばどうって事もない。

 吸血鼠5体の群れにも遭遇したが、東雲鈴音の剣術が素晴らしく、俺も銃の扱いに慣れてきて危なげなく撃破した。

 組み合わせの妙もあるけれど、東雲鈴音の存在は、少しばかりチートな気がする。


 扉の出現率は、大凡20%。

 上振れか下振れかは不明だが、招木猫はもっと高確率で引いている印象だった。


 名前の時点で招木猫だからね。

 運は絶対的に良さそうだからね。


 因みに1体の魔物を1人で撃破した場合、パーティメンバーにも優先入場権は与えられる。

 これは【魔物との距離が近いと戦闘参加と見做される】って可能性も0ではないが、そんな簡単に横取り可能な仕様にはしないだろう。

 恐らくは与ダメージ(被ダメージも?)を伴う戦闘参加またはパーティメンバーって条件があるのだろうと予想する。


 エリア内を練り歩いている中で、幾人かのNPCにも遭遇した。

 顔見知り、ご近所さん、赤の他人。

 普通に世間話は可能で、誰もがAIではなく、実際にいる人間のように会話が可能だった。


 NPCは武器を持たず、魔物に襲われている所を助けたりもした。

 東雲鈴音は危機と見るや全速力で駆け出して救いに行くからだ。

 精神年齢5歳児な残念美女だが、心根が優しい善人なのだろう。

 善人じゃない俺は下心あって、お礼にアイテムでも貰えないかと期待した。


 何もなかった―――。


 感謝はされるので、悪い気分ではなかったけどな。


「最後にステータスでも発表するか?把握しておいた方が今後の役に立つかもしれないし」


「素敵な提案だ。もっと私の事を知って欲しいからね」


『賛成にゃ。言い出しっぺのナルキンからにゃ』


「えーと、俺のステータスは…」


 名前:成木原裕哉


 年齢:18歳


 所属:埼玉30エリア


 状態:非常に良い


 活力:38


 力:11


 耐力:10(+27)


 技力:23(+5)


 速力:18(±0)


 知力:21


 適性武器:銃


 武器:鉄の銃(威力5+4 射程5+6 青橙属性)


 強化オーブ:青のオーブ(威力+2 射程+3) 緑のオーブ(威力+2 射程+3 速力+2) 橙のオーブ(威力+3 命中補正)


 装備:空色のスカーフ(速力+2 特性:小浮遊) 革のジャケット(耐力+15 速力-2) 白地のTシャツ(耐力+1) スタッズベルト(技力+3) ミリタリーパンツ(耐力+11 技力+2 存在感△)


 スキル:命中補正


 特性:存在感△ 小浮遊


「次は私だな。私のステータスは…」


 名前:東雲鈴音


 年齢:18歳


 所属:埼玉30エリア


 状態:非常に良い


 活力:30


 力:18(+15)


 耐力:24(+23)


 技力:38(+6)


 速力:25(+10)


 知力:12(-7)


 武器適性:刀


 武器:鉄の刀(威力5+5 鋭利5+2 青緑属性)


 強化オーブ:青のオーブ(威力+3 耐力+5) 緑のオーブ(威力+5 鋭利+2)


 装備:錫の髪留め(技力+6) 絹の羽織り(耐力+10 速力+5) NO KING Tシャツ(力+10 知力-5 一押し〇) 粗末な肘当て(力+5 耐力+3) 絹の腰巻(耐力+5 技力+3) わんわんソックス(速力+5 知力-2)


 スキル:無し


 特性:詰め〇


「東雲さんは初期ステータスが高いんだな。というか、この頓珍漢なキャラって知力が影響してるのか?」


『リンリンは普段からこんなもんにゃ』


「頓珍漢…。私にそんな一面があると気付かせてくれるなんて。やっぱり友達って素晴らしいね」


『最後にあたしのステータスにゃ』


 名前:招木猫


 年齢:17歳


 所属:埼玉28エリア


 状態:非常に良い


 活力:58(+76)


 力:10(+11)


 耐力:13(+10)


 技力:15(+13)


 速力:38(+15)


 知力:28


 武器適性:子槌


 武器:木の小槌(威力5+9 幸運5+8 赤青緑橙属性)


 強化オーブ:赤のオーブ(威力+1 焼き印) 青のオーブ(威力+5 幸運+5) 緑のオーブ(威力+3 耐力低下) 橙のオーブ(幸運+3 速力低下)


 装備:白猫のヘアピン(速力+8 気紛れ) デストロイジャケット(活力+15 力+8) デストロイTシャツ(活力+18 力+3 耐力-2) 虹色のミサンガ(技力+10) 皮の手袋(耐力+6 技力+3) 布のベルト(耐力+3) デストロイパンツ(活力+13 耐力-2) 羽毛靴(耐力+5 速力+7) 


 セット効果:3デストロイ(活力+30 貫通打)


 スキル: 焼き印  耐力低下  速力低下 貫通打


 特性:気紛れ


「つっよ!招木さん最強かな!?」


「そうだろう、そうだろう。にゃんにゃんの可愛さは最強なのだ」


『にゃはは。運が良かったにゃ。リンリンは人の話を聞いて空気読むにゃ』


「す、すまない。トークテーマから外れていただろうか」


『今はステータスの話にゃ。あんまり関係無い話をぶっこむと、話聞いてないと思われて嫌われるにゃ。あたしとナルキンなら大丈夫だけどにゃ』


「そ、そうなのか?成木原君は、本当に大丈夫だったかい?」


「ああ、俺は全く問題ないかな」


 平凡よりかはぶっ飛んでる方が好きだからな。

 面白くて退屈しないし、面倒な時はスルーすれば良いだけだし。


『あたしはもう時間にゃ。最後に、ナルキンはあたしを呼ぶ時に招木さんは止すにゃ。よそよそしいにゃ…』


「ああ…俺もにゃんにゃんって呼べば良いのか?」


 東雲鈴音に呼ばせてるぐらいだし、にゃんにゃんって渾名がお気に入りなのだろうから。


『それは任せるにゃ。にゃんにゃんはあたしが呼ばせてるんじゃないからにゃ…』


「私が付けた渾名なのだ。可愛いだろう?」


 にゃんにゃん付けたのお前かい。


「何も思い付かないからにゃんにゃんで」


『把握にゃ…くあぁ…。もう寝るにゃ…。おやすみにゃ…』


「また明日な」


「おやすみ、にゃんにゃん」


 招木猫との通話が切れた。

 どうやら睡眠状態に入ったらしい。


「俺もあと30秒だな」


「私もだ」


「今日は楽しかったよ」


「明日もまた一緒にプレイしくれるかい?」


「東雲さんさえ良ければ、是非」


「ありがとう。成木原君という友達が出来て、今日は最高に素敵な一日だった」


 安全地帯の関係で少しばかり距離はあるが、こちらを向いて俺の横顔を見つめているのはわかる。

 東雲鈴音は、何と言うか純粋で、恥ずかしい言葉を恥ずかしげもなく言ってくるからばつが悪い。

 純粋じゃない俺は、どんな言葉を返せば良いかわからなくなるんだよ。


「そろそろ時間だ…」


「うん、そうだね…」


「また明日…」


「また明日…。次は…現実世界で…あ…」


 こうしてNOT THE GAMEの1日目は終了した―――。

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