第5話:「知識の誘惑と禁断の魔道書」
第5話完成しました。
出来は良くないと思います。
頑張りました!
「パパのばか……。もう、お絵描きしても、おやつ食べても、ぜんぜん構ってくれないのですっ!」
ノエルは、例の《スイーツ支配・第一期構想》計画で忙しいパパに無視されたのが気に食わず、
城の廊下をトボトボと歩いていた。
(パパは、『本』を読んで『知識』を集めているときだけ、目をギラギラさせている。)
(わたしの『お絵描き』なんて、パパにとっては『邪魔』なものなのです。)
昨日の「邪魔をするでない!」
というパパの冷たい言葉が、幼い心に突き刺さっていた。
「……わたしが、パパの知らない、もっと『すごい知識』を見つけるのですっ!」
「パパをあっと言わせるような、世界征服にも使えるような、誰にも真似できない知識を!」
ノエルの瞳に、パパへの不満と、知への好奇心が入り混じった小さな熱が宿る。
パパの聖域であり、立ち入り禁止になっている書斎奥の部屋こそ、
その「すごい知識」があるに違いない。
パパが昼食で席を外したのを見計らい、ノエルはこっそり書斎の奥の部屋に侵入する。
部屋の中は、埃っぽく少し魔力を感じる、倒れた本棚と、床に散乱した山のような羊皮紙で
ひどい有様だった。
ノエルは机の上のメモをそっとめくる。
《第二案:ショートケーキの生クリームは、我ら魔族の血を模しているのではないか?》
「うわぁ……やっぱり変なこと考えてるのですっ!」
ノエルはため息をつき、目的の「すごい知識」を探して床に目をやる。
散乱する羊皮紙と黒い本の中に、一冊だけ他の本とは違う、異様な古さの書物があった。
表紙は少しカビていて所々が染みになって変色している。タイトルは、削れて読めなかった。
「……太…禁……魔…?これ……なんだろ?字が削れて読めないのです」
ノエルは、その本からかすかにパパの匂いがするような気がした。
きっと、パパが『世界征服』に使う、一番大事な本に違いない。
(これを読んで、わたしがパパより先に『すごい知識』を手に入れるのですっ!)
(そしたらパパはきっと、「ノエルは天才だ!」って、またいっぱい構ってくれる!)
ノエルは震える手で、その古びた魔道書の分厚い表紙をめくった。
バサァ……
ページを開いた瞬間、中から黒い霧のような魔力が立ち上る。
ノエルの小さな体を、ぞくりとした冷気が包み込んだ。
「……うわぁ……なんだか、目が回るような、変な感じなのです……」
しかし、ノエルは好奇心と、パパに褒められたい一心で、書物に視線を落とす。
書かれていたのは、幼いノエルには理解できない、古代魔族の言語と、おぞましい図形。
けれど、文字がまるで生きているかのようにノエルの瞳に飛び込んできて――
ノエルの意識の奥深くへと、流れ込んでいく。
ノエルの瞳の色が、ほんの少し、深い闇の色に染まった。
ノエル「……うん……。これは……すごい、知識なのです……」
づづく――
最後まで読んでいただいて嬉しいです!
6話頑張ります!




