第2話:「げへへ園でお友だちできました♪」
『魔王の娘に転生したけど、パパが世界征服しろってうるさいんです!』
第2話です!
誤字、脱字あると思いますが、読んできださると嬉しいです!
「今日こそは、ぜったいお友だちをつくるのですっ! ふんすっ!!」
ノエルは小さくガッツポーズをすると、
色鉛筆とクレヨン、お絵描き帳をちいさなポーチに入れ、胸に抱えた。
「ノエルよ、今日も頑張るのだぞ?」
後ろからパパの声。
「わかってるよ、パパ! いっぱいおともだち作って来るからね!」
ノエルは家を出て、魔界幼稚園《げへへ園》の門をくぐった。
玄関を出るとき、後ろからパパが何かを言っていたが――無視。
黒いトゲトゲの柵。地面はマグマ色のタイル。
登園ソングはなぜか**『地獄の鐘が鳴る♪』**。
……今日もカオスだ。
「「おはようございます、ノエルお嬢様!!」
「ち、ちがうのっ! ノエルでいいのっ! “お嬢様”じゃなくて、おともだちになりたいのっ!」
しかし園児たちは息をそろえて整列。
「ハイ! ノエル様のお言葉、しかと肝に命じます!!」
「ぷんぷんですっ!! そういうのじゃないのぉ!!」
ノエルはちょこんとイスに座る。
机の上には色とりどりのクレヨン。
けれど、周りは静まり返っていた。
笑いかけても、誰も近づかない。
前世では孤独な社畜。今世では孤独な幼女。
……世界征服より、お友だち征服のほうがむずかしい気がする。
そのとき、教室の扉が――がらん、と開いた。
担任の先生、頭が三つあるオーク先生が入ってきた。
「今日、人間界から特別転入のお友だちが来ます〜」
ざわっ……
空気が一気に張りつめる。
「ひ、人間界ぁ!?」
「食べちゃっていいの?」
「静かにしなさーい! 食べたらダメですよ〜!」
「それでは……さあ、入ってきなさい!」
ドアの向こうから現れたのは、黒髪の男の子。
目は眠たげで、制服は少しボロボロ。
けれど、その瞳の奥は――真っすぐだった。
「……俺、ルカ。よろしく」
ノエルはぱっと立ち上がる。
「ねえねえ、ルカくん! いっしょにおえかきしよっ!」
「……おえかき?」
「うんっ! クレヨンいっぱいあるの! 今日は“お空の色”を塗るのっ!
はい、これルカくんのぶんね!」
ルカはおえかき帳を見て、小さく息をついた。
(魔王の娘なのに、世界征服じゃなくて……?
この子、本気で何を考えてるんだろう)
そして、ふっと笑った。
「……変なやつ」
その笑顔に、ノエルの胸がどきんと鳴った。
――あ、今、わたしを見て、笑った!
――昼休み。
ノエルはルカをこっそり裏庭へ連れていった。
そこは魔界の中でも珍しく、ほんの少しだけ光が差す場所。
木々のすき間から見える、かすかな青空。
「ルカくん。これね、ひみつのお絵かきなんだよ?
ルカくんにだけ教えてあげるね!」
ノエルはクレヨンを二本取り出して差し出す。
「赤と青。どっちが好き?」
「……青」
「じゃあ、はい! ルカくんの“空”の色ねっ!」
ルカは青色のクレヨンを受け取り、一瞬ためらってから、ゆっくり絵を描き始めた。
空。雲。小さな太陽。
ノエルはその隣に、“にこにこしてるふたり”を描き足す。
「これ、ルカくんとノエルだよっ!」
「……そうなのか?」
「うんっ! だって、わたし……ずっとお友だち、ほしかったんだもん!」
そのとき――。
背後からドスドスドスと地響きのような足音。
オーク園長――三頭犬ケルベロスが木々をなぎ倒しながら現れた。
「貴様らぁあ!! ここで何をしておる!!」
オーク園長は、牙をぎらつかせながら巨大な口からヨダレを垂らしている。
ノエル:「えっとっ……えっとぉ……!」
ルカ:「……お絵かき、です」
ノエル:「そ、そうっ! これはっ……えっと……世界征服の練習ですっ!!」
「なんだとぉ!? お絵かきで世界征服だと!!!」
園長はグルルル……とうなり声をあげる。
ノエルは恐怖で目に涙をためていた。
だが、その声には、かすかな笑いが混じっていた。
「……よかろう! 続けるがいい、小さき征服者ども!」
園長が去ったあと、ノエルとルカは大きな溜息を吐いた。
ルカが、ぽつりとつぶやく。
「……君って、やっぱり変だけど、面白いね」
「えへへ……ありがとっ! でも変って何?」
ノエルは、少ししょぼんとして、手元の赤いクレヨンを見つめる。
「……でも、なんか……ちがう気がする〜。
世界征服より、お友だちのほうが……だいじかもっ!」
ノエルは、にへへと笑った。
その笑顔は、どんな魔法よりもまぶしかった。
……けれど、ノエルが家に帰ると――
魔王パパはすでに、
『世界征服プログラム・第2段階:給食のメニューの支配』
の準備を万端に整えていた。
つづく――
最後まで読んでくれてありがとうございます!
もっとうまく書けるように頑張ります!




