第1話 転生先は、魔王のひざの上でした。
初投稿です!
転生したのに、なぜか魔王の娘でした。
ゆる〜く笑ってもらえたら嬉しいです!
会社のオフィスで仕事中のわたし。毎日深夜まで残業の日々…少し背伸びをして周りを見渡すと
同僚が目をこすりながらパソコンのキーボードを叩いている。そう、この会社は所謂ブラック企業だ。
仕事の疲れからか、徐々に視界がぼやけて、目の前のパソコンモニターが黒く染まってきた。
「……え? 何?視界が……暗く……」
そのままわたしは、キーボードの上に頭から倒れこんでしまった。
そして、そのままゆっくりと目を閉じる。全身の体の感覚が消えていく…。
「――エルよ――おい……聞こえるか…? 』
まさか、このまま過労死……!?
うわ、わたしの人生、パワポで終わったんですけど!?
と嘆いていたとき、男の声がした。低くて、やけに威厳のある声。
「目を覚ましたか、我が娘ノエルよ」
――え、誰!?ノエル!?…娘!?
目の前にいたのは、“長く彎曲したツノの生えたバケモノ”。
背中には黒いマント、目は血のように赤く光り 、顔は青白い。
手には――血の跡がこびりついた分厚い本。
バケモノは本を開きページをめくりながら言った。
……しかも、目が怖い。え、ちょっ、ここどこよ!?
……そして気づいた。
私、そのバケモノの膝の上に座ってる。
このバケモノは、わたしのことを"娘”と言ったよね……。
ちょ、近い!距離が近い!怖い!! どういう状況なのコレ!?
なんでわたし化け物の膝の上に座ってるの!?
「貴様はこのザバロス=マオ=ルシフェルⅢ世の血を継ぐ者。魔王の娘として、世界を征服するのだ!!」
――転生、したらしい。
よりによって、“魔王の娘”に。
前世ではブラック企業の社畜。
毎日の残業と疲労でわたしは、そのまま死んだらしい……。
でも、次に目を開けたら“魔王の娘”だなんて。
人生ハードモードから“別の地獄コース”に変わっただけじゃん!
今度は世界征服とか、スケールだけ上げるのやめてよぉ!!
「で、でも……パパぁ、わたし、お絵かきのほうがしたい……」
「ならばその筆で世界を染め上げよ!!」
「意味わかんないよぉおおお!!」
……うちのパパ、ほんとダメだ。
魔王は超絶まじめで、超絶親バカ。
部屋の壁一面には私の肖像画、
寝室の枕元には“ノエル成長記録アルバム”。
ページにはすべて、金色のペンで**『我が愛娘ノエル』**と題が書かれ、
内容は――全部、同じ角度の寝顔。
……威厳ゼロ。もはや愛が重い。いや、呪いに近い。
「さあ行け、ノエル! 今日から『魔界幼稚園の支配』から始めるのだ!!」
「え、小学校じゃなくて幼稚園!? ていうか支配ってなに!?」
「世界を征服するにはまず教育機関から学ばねばならん!!」
「えっ?で、でも、わたしまだ“あいうえお”練習中なんだよ?パパ!!」
……もうムリ。理屈が魔界すぎる。
――翌日。
私はなぜか**魔族幼稚園《げへへ園》**の支配者になっていた。
……パパが裏で根回しをしたらしい。
「おはようございます! ノエル様!!」
「おはようございます! ノエルお嬢様!!」
園児たちは一列に並んで、全員でお辞儀してきた。
しかも……角がカンカン当たってる!?
「ちょ、いたっ! 痛いってば! 角! 頭ぶつけないでぇ!! それに、そんなに敬わなくていいからぁ!!」
――お昼休み
給食は大好きな溶岩スープ♪
……ちなみに、私の椅子だけ骨製。
しかも、やたらゴテゴテに装飾されてる。
そして先生が柔らかい声で言った。
「今日のお昼ごはんは――溶岩スープです!」
「みなさん残さずに食べましょう!」
「いただきます!」
園児たちは先生の掛け声に合わせて元気に言った。
そして、それぞれスープを啜りはじめる。
テーブルの上には、ぐつぐつ赤く煮えたぎるスープ鍋。
スプーンを入れたら――溶けた。
……ズズッ。ボコボコボコ。
いや、音が完全に火山なんだけど!?
お昼休みが終わって、午後のお遊戯の時間。
「さあ、みなさ〜ん! 午後からはお遊戯の時間ですよ〜!
テーマは――『人類の絶滅』です!」
「じ、人類の絶滅!?」
「そんなお遊戯、やだよぉ…普通の幼稚園がよかったのに。」
「紙芝居とか、お絵描きとか、午後のお昼寝とか……。」
でも、魔王の娘として生まれた私は、きっと逃げられないのかもしれない。
だけど、ひとことだけ言わせて。
「なんか……ちがう気がする〜! もうっ!
世界征服より、紙芝居とか、お絵描きの時間がだいじなんですっ!!
パパのバカぁあああ!!! ぷんぷんですっ!!」
今日も魔王城では、6歳児による――
壮大で小さな世界征服が始まる。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
投稿は遅いですが、皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります!




