第八話 狂う美優とガラ様の娘
「え、お父さん?」
美優はゆっくりとベッドから出て、地味の心臓あたりに手を当てた。
!
美優は涙を流した。そう、地味の心臓の音は・・・止まっているのだ。
「私は、なんにも出来なかった。うぅ、私は私は、私が憎い!
父を殺した奴は憎い、何もかも憎い!あ、そうだ。
父が居ない世界なんて滅んじゃえばいいんだ。そしたら私もお父さんの元にいけるし、嫌な世界を見なくてもいいし」
美優は突然、そうつぶやいた。
「美優さんだめです!そんな事を考えちゃ!憎いなんて思わ・うわ!」
遥人は美優に吹き飛ばされる。
「父を救えなかったのはあなた達のせいでもあるんだよね、そうだ。
ねぇ、その女の子殺させて?あなたにも私と同じ気持ちを持ってほしい。
いいでしょ?」
美優は遥人たちにじわじわと歩み寄る。
「フローラさんはやらせない!あなたが敵となるなら、僕はあなたを倒します」
遥人はフローラちゃんを背負い立ち上がる。
「ねぇ、私の気持ちわからないの?眼の前で父が殺されたんだよ?
あなたもあの黒フードを止められなかったからだよね?
だからさ、ね?」
美優はそう言う。
「やらせるもんか!」
遥人は急いで宿屋から逃げ出した。
「・・・、へぇ〜逃げるんだね。いいよ、あなた達が死ぬまで追いかけてあげるから。ふふ、ふふふふふふふふ。
あはははは」
美優は狂気の顔で笑っている。
「はあ、はぁ、はぁ、どうして、こうなったんだろう。
美優さんの言った通り僕がやっつけられていたら。
僕はとんでもない事をしてしまったんだ。でも、フローラさんは死なせたくない。
普通の生活を送るって決めてたじゃんか、あれに負けるわけにはいかない。
必ず元の美優さんに戻さないと」
遥人はそう思い、日が暮れそうな町中を走るのだった。
???
「地味がやられましたな。これで残りはフレアと、ルル、アークとナナ、ヤミとアズ、そして遥人とフローラだけですね」
アラタがガラ様に向かって言った。
「まぁ、所詮一般人だ。特に言うことはないな。
それよりも、あいつ何者だ?」
ガラ様がアラタに向かって言う。
「黒き小さな死神って名前が付いてますが本名は俺は知りません。
ですが、こちらに手を貸してくれているみたいですのでほっときましょう」
アラタはそう答えた。
黒き小さな死神ね、・・・あの感じあのアズとか言う男の子に似ているような感じがするが。
まぁ、考えることも無いだろう。
ガラ様はそう思う。
「それにしても美優が狂うとは思いませんでしたね。
これなら、奴らを早めに始末できますね」
アラタはにこにこと言う。
「私の出番が無いのはつまらないが仕方ないだろう。
さてと、人間同士の殺し合い、楽しみそうな気がするな。
アラタ、お前も偵察に行ってみたらどうだ?ここにずっといるのも退屈だろう?」
ガラ様がアラタに向かって言う。
「そうですね、少しお散歩がてらに偵察に行ってみます。
ガラ様はここで見ているんですか?」
アラタは聞いた。
「ああ。少し見て部屋に戻るつもりだ。気にすることは無い」
ガラ様はそう答えた。
「分かりました。それでは」
アラタはそう言い姿を消した。
「・・・、ふふふこれで今誰もいないな。出てきていいぞ」
ガラがそう言うと一人の女の子がガラに走ってきた。
「パパ!」
女の子はガラに抱きつく。
「よしよしいい子だ。アルマ、隠れるのがうまくなったな」
ガラは自分の娘が居たのだ。名前はアルマ。
「うん。パパは何してるの?」
アルマはガラの膝の上にちょこんと座る。
「この大陸を見ているんだ。この者たちが私を狙ってきているんだ」
ガラはアルマに向かって言う。
「パパ負けない?」
アルマは不安そうな顔をしている。
「負けないさ、こんな奴らは一瞬で殺れる」
ガラはそう言った。
「強いパパ大好き!」
アルマは嬉しそうにしている。
「さ、他の者たちも帰ってくる頃だまた隠れてるんだぞ」
ガラはアルマに言う。
「うん」
アルマはそう答え姿をすっと消した。
「アルマだけは守らないとな。私の次の世代に移るために」
ガラはそう答えるのだった。




