第五話 動き出す四天王とヤミ母
「うん。お母さん」
ヤミはヤミ母?に近づこうとする。
「待ってヤミ!本当についていくの?ヤミのお母さんは亡くなったって言ってたじゃん」
アズがヤミの手を掴み足を止める。
「そうだけど」
ヤミは少し暗い顔をする。
「ヤミも分かっているんだろう。これは母親じゃないって。
会えた喜びは分かるがそれは違う」
アズはそう答える。
「何?ヤミに変なこと言わないでくれる?あなた何?親子の邪魔をしないでくれるかしら?」
ヤミ母?はアズの方を見る。
「悪いけど、ヤミをあんたに渡すわけにはいかない!
ヤミは僕のものだ!」
アズはヤミの手を繋ぎ、そのままヤミ母?から逃げ出した。
「ふ、ふふ。あはは!そう、逃げるのね。賢いね、ヤミは賢いね。
でも、私のヤミを連れ去る悪いあの男の子には消えてもらわないといけないみたいね。
ふふふ、楽しみ。ヤミの泣き顔」
ヤミ母?は不気味な笑みを浮かべたまま、すっと姿を消した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
アズは息を整えるため立ち止まる。
「アズ、逃げて良かったのかな?」
ヤミは少し悲しそうな顔をしている。
「ヤミ、本当に一緒について行って良かったと思ってる?
もし、君のお兄さんや僕のねぇーちゃんが居たとしても君をあの母親のもとには行かせないと思うぞ。
あれは、ヤミの母親じゃない。母親に扮したなにかだ」
アズはそう答える。
「少し、宿屋で休憩していい?」
ヤミがアズに向かって言う。
「うん。いいよ僕も一緒の部屋に居るから」
アズとヤミはヤミの心の落ち着かせをするために宿屋へと向かうのだった。
「なぁ、美優はこの戦いが終わったとしたら日本に帰るか?」
地味が美優に聞いた。
「うーん、日本にも戻りたい気持ちはあるけど、もし私が戻っても時間がそのままなら私は一人ぼっちだと思う。
みんな子供なのに、私は大人。日本に戻ったところで変な感じになると思う」
美優はそう答えた。
「まぁそうだろうな。じゃこの世界で生きていこうな。
いつもどおりの食事とギルド職員の仲間たちとな」
地味は美優に言った。
「うん。サナちゃんやサクラちゃんも待っていると思うし」
美優はそう言う。
その時、
「あらら、あなたは山田地味さんと山田美優さんね」
一人の女が声をかける。
「そ、そうですけどなんで俺たちの名前を知っているんですか?」
地味は女に向かって聞いた。
「私は、ガラ様の部下の四天王モネ。ガラ様の世界闇化へ邪魔をするやつを仕留めるって命じられているの」
モネと言う女はそう言った。
「何?!ガラだと!てことはお前から情報を聞き出せば楽にガラの所に行けるってわけか」
地味はそう答える。
「四天王の実力甘く見ないでもらいたいわね、あなたが戦ったマラナさん、それよりも上よ。
無理は言わないわ、私に、殺される方がマシよ」
モネはそう二人に言い、武器を構えている。
「悪いけど、殺される訳にはいかないの。私達は、あなたには負けない。
あなたに勝って情報を吐いてもらうわよ」
美優は武器を抜き構える。
「美優、相手は四天王の一人だ。気を抜くなよ」
地味がそう答える。
「分かってる。気は抜かない、いつも通りやるだけ」
美優はそう答えた。




