第5話
もしこの日、どちらかが拒否していたら私たちはどうなっていたのだろう・・・
「まさか、見合い相手が斉藤とはな。お互いに名前ぐらいは聞いておくべきだったな。」
私の隣にいた先生は、頭をぽんぽんっとなでて苦笑い・・・
その後、向かい側の女性の隣へと席をうつった。
そして、あらためてこういった。
「はじめまして。織田信一と申します。由姫さんの学校で教師をしています。」
改めてきちんと私や母に挨拶をした先生。
しばらくお互いの親同士が、お互いの子どもの学校生活を聞いていた。
「しっかし、生徒がお見合い相手とは・・・斉藤、断るなら断るでかまわないからな??」
先生の笑顔がいつもなら嬉しいが今日は切なく思えた。
少なからず私は先生のことが好きなのでこのお見合いに喜んでいる。
でも、先生は私に断ってほしいんだ・・・
そう思えた。
「ちょっ・・・信一!勝手なこと言わないで。」
母と談笑していた先生のお母さんが慌てて言う。
「由姫さんどうかしら?ほら全然知らない人よりもいいと思わない?」
・・・結構、意味不明なんですけど・・・
かなりのこじつけ・・・
「あら、私たちは全然かまいませんわ。ねぇ、由姫」
自分の母につつかれた私
一体、何を言えっていうのっ!!
ここで先生のこと好きだからOKです。
って言うの??
ムリッムリッ!!
「すみませんが、二人にしていただけますか?」
いきなりの先生の提案
お互いの親は、そそくさと出って言った。
「さてっと。斉藤はなかなかのパニック体質だな。」
クスクス笑う先生。
「・・・先生が断りたいんでしょ!?」
私は先生の言葉にムッとして言ってしまった。
それはきっと頭の片隅に菜々子さんがいたんだと思う。
二人の関係は確かに友人かもしれない。
でも、二人でいる時の先生はとても楽しそうだから・・・
「俺?別に、かまわないよ?お前のほうこそ好きなやつとかいないのか?」
ケロリッといった先生に面を食らったが私は首を横に振った。
「じゃぁ、俺のこと嫌いか??」
・・・嫌いじゃないです。むしろ好きです。
とは言えずに、首を振った。
ゆっくり顔をあげると、優しく微笑んでいる先生がいた。
「決定だな。よろしくな。未来の奥さん。」
先生は手を差し伸べ私を立ち上がらせ
二人で親の元へ行った。
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