『Call your name』
他サイトにて交流のあった作家さんが書いてくださったものです。
「ヒメ」
今日も俺は君の名前を呼ぶ。
だけど、君は真っ白なシーツに包まって顔を見せてくれない。
「ヒメ?」
もぞもぞと動くのは分かるんだけど、決して顔を見せてくれない。
「だめ…」
か細い声が、君の声が俺の耳に届く。
「何がダメなんだ?」
俺は白いカタマリに向かって聞き返す。
「~っ、信一さんの意地悪っ!」
そう。俺は意地悪なんだよ?君だけにはね。
「ヒーメ、出ておいで」
笑いながら君の名前を呼ぶ。でも、君は頑なに拒んで顔を見せてくれない。
俺の可愛いおヒメ様はアマテラスのように天の岩戸篭ってしまったようだ。
しょうがないなぁ。俺は彼女の名を音として紡ぎだす。
「由姫」
愛しい愛しい俺のおヒメ様。
「顔を見せて?」
数秒してから顔を出した君は、頬をほんのり染めていて。
「…信一さん、ズルイです!」
拗ねたような態度なのにそんな風に上目づかいに睨まれて、「可愛い」と思う俺は君に相当溺れている証拠だろう。
「名前呼ぶのは反則ですっ」
文句を言われてるのについ口が緩んでしまう。やっぱり惚れた弱みだ、これも。
「…学校行きたくね」
一日家に引きこもって、二人で過ごしたい。
「授業、どうするんですか?」
「…自習で」
「ダメです。支度して下さい」
シーツを身体に巻き付けているけど、チラリと覗かせる鎖骨のあたりには俺がつけたシルシがくっきり。
これを見て、俺は満足感をえるんだ。男なんて所詮独占欲のカタマリなんだよなぁ。
「もぉ、信一さん!聞いてますか!?」
「もっと呼んで?俺の名前」
君に呼ばれるのが嬉しいんだ。君に呼んで欲しいんだ。もっと、もっと。
「信一さん」
まだ足りない。
「信一さん」
もっと。もっと俺を君で満たして。
「信一さん」
穏やかな笑みを浮かべながら俺を呼ぶ君はとても綺麗で。
そっと口づける。
温もりを確かめるように、熱を伝え合うように。
そして、キスが終わったらこう言うんだ。
アイシテル、と。
一旦、こちらで完結といたします。




