第23話
短めです。
「斎藤先輩」
滅多に人を嫌ったりしないが、あの人はどうやら例外になりそうだ。
バタバタと出入口を目指しいると名前を呼ばれ声のしたほうを見た。
「先輩も何か借りにきたんですか?」
偶然会えたことが本当に嬉しそうで私はつい微笑んでいた。
「ちょっとね。吉満くんは?」
普通に話していたのに、吉満くんはびっくりしたように目を見開いた。
「どうしたの?何か変なこと聞いた?」
彼の表情にこっちも驚いた。
「諦めろって言わないんですか?」
この言葉に私の顔から笑顔は消えた。
「言ってほしい?」
私がそういうと彼は少し目を逸らし、何も言わず再び私を見た。
「そうしたら諦めてくれる?私は諦めないわよ?」
ただじっとして私の言葉に耳を傾ける吉満くん。
「私の好きな人ね、私のこと眼中にないの。それでも諦めたくない。かといって、吉満くんみたいに行動も出来ない弱虫なの。だから、私にはそんなこと言う資格はないわ。」
諦めろとは言わない。
でもはっきりと見込みがないことは伝えたかった。
「好きになってくれて、ありがとう。でも、私は彼以外の人のことを見ることはないわ。だから、ごめんなさい。」
まっすぐ、彼の目を見てはっきりと言い切った。
「・・先輩はずるいな。本当にかなわないや。僕、諦めたりしません。だから、せめて次の恋まで先輩のこと想っててもいいですか?」
吉満くんの言葉に私は答えることなくただ微笑んだ。
「もし、先輩が挫けそうになったときはいつでも大歓迎ですから。」
「織田先生、駒井先生と結婚するってホント?」
ホームルームギリギリに教室に戻ると担任の代わりに副任である先生が教壇に立っていた。
結婚・・・いきなりの爆弾発言で私は出入口で固まってしまった。
先生とあの人が・・・?イヤ・・だ
「どこのがせネタだよ。みんな席に着け!ほら、斎藤もそんなところにつったってないで席に着け」
ケラケラと噂自体を楽しんでいるのか楽しそうに笑う先生
そんな先生の態度に安堵するものの不安がなくなったわけではない。
「おい、斎藤。」
はっと我に返ると苦笑いを浮かべた先生とバッチリ目が合ってしまった。
「人の話聞いていたか?ったく、罰としていま配ったプリントを集めてあとで持って来い。」
私のバカな反応で話を聞いていなかったことわかったのか、そういった。




