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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第七章 ルイス《光》とリヒト《闇》
68/70

○ 始まりの唄 ○


◇◇◇



「クロト・・・!!!」



政府軍と戦闘中のルイス達の前に現れたのは、ルイスの取り戻したい相手、創世龍クロガネだった。



「クロト君・・・」(リイン)

「なんでここに・・・」(ファレル)



皆が呆然と見つめる中、クロトはゆっくりと口を開いた。



「・・・どうして抗う。」


「・・・なに・・・?」

「誰も奴には勝てないのに、どうして抗う。無駄なのに。」

「・・・ぁあ!?」



その一言に、ルイスは怒りを(あら)わにする。



「・・・んでそうなる!!! 無駄なんて勝手に決めて勝手に諦めんじゃねぇよ!!」



ルイスの怒りの叫びに、ファレル達も賛同する。



「そうですね、こちらも充分力は付けてきてますし今なら勝算の方が高いのではないですか? ・・・それに、諦める(イコール)従う。な、あなたの方こそ訳分からないんですけどね?」



挑発的に言うファレル。

そしてリインも参加した。



「そーだよー!! 仲間で協力したら出来ないことも出来るようになるよ!」




彼らの言葉が終わる前から、クロトはみるみる機嫌が悪くなっていく。



「・・・出来るわけないだろ、なんで分からない・・・苦しむだけだろ!!!」



言い終わると同時に、クロトは自身の魔力で攻撃を仕掛けてきた。それは黒い帯のように伸び、リヒトの攻撃と似ている感じだった。



「っ!!」


その魔力は一直線にルイス達に向かっていき、直撃する前にルイス達はそれぞれ左右に飛んで交わした。


すぐさまルイスはクロトに向かって行き、そしてソードブレイカーを振り下ろす。



_______________ ガキイィィン・・・!!! _______________



・・・その(やいば)は、クロトの眼前で止まった。

クロトは魔力を固めて棒状にし、目の前でルイスの(やいば)を受け止めたのだ。



「・・・する前から諦めるんじゃねぇよ・・・! 最初から、気持ちで負けてんじゃねぇ!!!」



精一杯叫ぶルイス・・・だが、クロトには・・・


届かなかった・・・



「・・・勝てるわけないだろ・・・(げん)に俺達は、負けたじゃないか・・・!」


「・・・っ!!!」


「俺達は皆を・・・()()()を守れなかったじゃないか!!!」




その言葉は、ルイスに酷く突き刺さった・・・



_______________ ・・・ドスッ!!! _______________



「っ!!」



クロトは言い終わると同時にルイスの左肩に、魔力を集中させて槍のようにした攻撃を打ち込んでいた。



「くぁ・・・!!」



突き刺さった衝撃そのままに、ルイスは後ろに飛ばされてしまう。



「ルイス!!」



すかさずファレルが受け止める。おかげで落下の衝撃は防げたものの、肩のダメージは大きかった。



「ルイス! 大丈夫ですか!?」

「直ぐに止血しないと!!」


「・・・大丈夫だっ! それよりも・・・」



ルイスは治療を拒んだ、その間もクロトはその場から動かずルイス達を眺めていた・・・息を切らしながら・・・



「・・・ほら、結局負けるじゃないか・・・どうせ皆負けるなら、最初から苦しみがない方がいいだろ。どうせ、()()()()()()()()()・・・居ないなら、最初から・・・・・・」



呆然と眺めるクロトの周りから、ドス黒い(もや)のようなものが溢れ出てきた。



「・・・クロト!?」(ルイス)

「ちょっ! まさかあれ・・・!!」(ファレル)




ルイス達には見覚えがあった。それは、サグでのカイキの事・・・





考えてる間も無く、クロトは(もや)に包まれていく。



「最初から・・・・・・()()()()()()()()()()()()・・・」




そのままクロトが目を閉じた・・・



・・・瞬間だった。



「・・・困るなぁ。まだちゃんと話してないのに。」





ハッと目を開けるクロト。

言葉と同時にクロトは右腕を掴まれていた。その目の前にいたのは・・・



「・・・勝手に消えてもらっちゃ困るよ、クロト君?」



その光景を見たルイス達も驚愕していた。

そこに居たのは・・・



「・・・戻ってきたのか!?

    レイ!!」



巨大な魔力を(たず)さえた、レイだった・・・・・・









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