○ 勉強会再び ○
◇◇◇
「鉱山・・・?」
夜が明け旅支度をしながらこの先のルートの確認をファレルとしていた。
「あぁ、ここからリューまでの中間辺りかな。そこに『魔石』が取れる鉱山があるんだ。昔は鉱夫達が沢山働いていたが、このご時世で仕事が出来なくなり今は放置されているんだ。そこを通った方が近道だし人とも会わないと思ってな。」
「で、いつもの通り危険だらけだと・・・」
「ま、そうですな・・・」
すると、いつの間にかリインが覗き込んでいた。
「ねぇ、ませきってなあに?」
「うぉ!」
「・・・こっそり忍び寄るのやめてください・・・」
その間にリインは姿勢を正し座り直していた。
「あはは、ごめんごめん!準備終わったから呼びに来たら気になる単語聞こえてさ。」
それを聞いてリインの後ろを見ると、他のメンバーも準備が整いだしていた。
「・・・また講座、開きます?」
こちらを見ながら小さい笑みを浮かべてファレルが問う。
「・・・ハハ、そうだな・・・まぁ軽く説明するなら、『誰でも魔法が使えるアイテム』って感じかな。」
「ほえ?」
思わぬ答えに、リインはキョトンとしている。
「人なり動物なり、産まれた時に誰でも魔力を宿すことは話しただろ?そして魔石には魔力同様属性がある。その魔石に魔力を込めるなどちょっとした刺激を与えることでその属性の能力が発揮されるんだ。赤い魔石なら炎、それで蝋燭に火を灯したりお湯を沸かすのに使ったりな。」
「ほえ~・・・」
まるで子供のような反応をするリイン。追加で説明する。
「ちなみにお前達の銃にも魔石を使ってんだ。魔導弾撃つ時の魔力を込める回路にな。実弾から切り替える時に反応し使用者の魔力によって魔導弾になる。」
「な、なるほど・・・?」
・・・ん、あんま分かってないな・・・
「・・・んじゃ、質問いいですか?」
そこで、今まで黙っていたファレルが手を挙げた。
「あぁ。この際なんでもどうぞ?」
「・・・だいたい魔石が日常生活を便利にする道具として使われているのは分かりました。なら、農業具や工具など武器にもなる普通の道具、魔物に対抗出来るだけの武具、そして破壊者が使う武器の違いを教えてください。」
・・・すでに結構確信に迫ってるような質問だな。
「そうだな・・・まぁ簡単に言えば素材が違うだけだがな。普通の道具や武器には鉄やら銅やらただの鉱石が使われている。魔物に対抗出来る武器は、それらに魔物の鎧甲を合わせてるんだ。俺が造ったやつは特にな。鎧甲を使わず鉱石と魔石で造るのがリインやキリヤの武器だ。多少なりとも魔力を操作出来る奴が扱うならそっちの方がいいんだ。」
「あぁ、なるほど?」
「だ、だいたいわかった!」
リインはすでにパンクしそうだった・・・
さらに説明を続ける。
「そして、破壊者の武器は破壊者が覚醒した瞬間に自ら自分に合う武器を生み出すものが多い。大概無意識にだけど。」
「え゛。」
今の説明を聞いていたのか何故かユウキが反応した。
「オレのコレ・・・ルイスが作ったよね・・・?」
自分の武装を指さしながら近づき尋ねてきた。
それを受け、再び説明する。
「・・・ユウキはまだちゃんと覚醒してないよ。それに戦闘時も無意識に発動してたみたいで上手く魔力もコントロール出来てないだろ?だからその身体能力を活かして魔力込めても込めなくても戦える簡単な武具にしてるんだ。覚醒してもそのまま馴染めて使えるようにな。」
「んー・・・」
話を聞いてユウキは自分の武装をジー・・・っと眺めていた。
「だいたい説明はこんな感じかな?また気になることあったらその時聞いてくれ。その鉱山に行ったら少し採るつもりだからな。」
それを聞いて、ファレルがストップをかけた。
「・・・ちょっと待ってください。鉱夫が仕事していたのならその山は私有地というか・・・管理者がいるんじゃないんですか?いくらなんでも勝手に採っていいんですか・・・?」
それを聞いて俺は手を横に降った。
「あぁ、さっきも言ったようにそこは放置されていてしかも俺が狙ってるのはその奥にある誰も立ち入ってはいけない禁止区画だ。そこは誰も管理してる者はいないから問題ない。危険ではあるけど。」
「・・・そういう問題ですか・・・?」
いいのかなぁと頭をガシガシ掻くファレル。リインまで腕を組んで考えてしまった。
「・・・それにな、そのまま放置してると魔力を求めて魔物まで集まってしまう。一箇所に留めておくよりは散らした方がいいこともあるんだよ。だから魔石専門の鉱夫もいて昔はちょくちょく採掘していたんだ。」
その言葉を聞いたファレルとリインは少し明るい表情になっていた。
「なるほど、ただの泥棒じゃなく一応意味あるんですね。」
「それならちょっと安心した!」
「・・・お前らホント俺をなんだと思ってたの・・・」
◇◇◇
「そんじゃ出発するぞー。忘れ物は無いな~?」
「・・・まるで遠足みたいな掛け声ですね。」
ようやくこの場所を離れることに。
「上手く行けば、クロウも力が全回復なるかもな。」
「マッジで!?おいっ!だったら早く行こ!置いてくぞお前ら~!」
そう言いながら意気揚々と飛んでいくクロウ。
「・・・単純なヤツですね・・・」
その後ファレルがメンバーの先頭にいた俺の横に並び、歩きながら俺にだけ聞こえるようにボソッと呟いた。
「・・・なんだかんだ魔力が満ちている所を進んでいるよな・・・エギルや政府軍が狙っているからってのもあるが、ホントは・・・・・・」
「さぁ、どうだかな。」
並んだ二つの影に、二人、三人と続いていく。
そうして再び、歩み始めたのだった・・・・・・
◇◇◇




