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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第七章 ルイス《光》とリヒト《闇》
56/70

○ 邂逅 ○


◇◇◇



「・・・早速戻って来たと思ったら・・・ただ押し付けてるだけだろ。」

「・・・悪い。」




野盗達をサラベラまで連れてきた俺は、早速レゾルトに頼み込んだ。



「・・・ほんとに町についた~!」

「これで生きていける・・・!」



久しぶりの町だからか、心底安心した様子の野盗達。それを見てレゾルトが一括する。



「てめぇら!しっかり働いてもらうからな!働かざるもの食うべからずだ!」

「えぇ~!?」

「ケチ臭いこと言うんじゃねぇよオッサン!」

「誰がオッサンだ!今すぐ追い出すぞ!!」




そんな言い争いをしているレゾルト達を眺めていたら、まだ町にいたコルスが声をかけてきた。




「・・・何やってんだい・・・早速後戻りして。」

「コルスか、お前もまだいたんだな。」

「後始末があったからな・・・他の皆はどうした。」

「先に行ってもらってる、俺もすぐ戻るつもりだ。」

「そうしておやりよ、じゃないと相方はキレるんじゃないのか?」



フフッと笑いながらこっちを見てくるコルスに対して、俺はそっぽ向いた。




「・・・分かってるよ。」




まだ言い争いをしているレゾルトが視線をこっちに向けていたから軽く手を振った。またすぐ飛んで行こうかしたら、コルスが呼び止めた。



「ルイス!」

「っ。なに?」




ちょっと驚いて振り返る。



「お前、クロトを救う手立てはあるのか?」

「・・・!」




突然の質問に、心底驚いた。どういう理由で聞いてきたのか分からないが・・・



「・・・策は、ある。」

「・・・そうか。」




コルスはそう言うと、静かに笑った。



「・・・気をつけて行ってこい。」

「あぁ。」



そうしてソードブレイカー(レッカ)を発動して俺は飛び立った。

しばらくコルスが見送っていたのに気づいたが、その時動いた口の動きまでは分からなかった。






「・・・()()()()()()()・・・死ぬぞ、ルイス・・・・・・」





◇◇◇



「・・・ほんとにボロボロだねぇ~・・・」

「長い間こんな状態だったみたいだね・・・」



ルイスが野盗達を送還している間に、ファレル達はユウキが見つけた町に辿り着いていた。一応バラけて町を散策していく。



「・・・やっぱり何も無いですね・・・サグと同じ感じです。」

「とりあえず、眠れるようにはしとこうか。」

「あ、こっちの中は結構綺麗みたい!」



それぞれに状態を確認し、まずは今日の寝床を準備することにした。




「・・・よし、とりあえずこれで休めるかな!?」

「・・・気休め程度には。」

「・・・上手いこと言ってんじゃねーよ。」




時々冗談等言い合いつつ、なんとか一晩過ごせる状態にはした。

その一部屋に皆向かい合って座り考える。



「ルイス君・・・大丈夫かな。」

「大丈夫でしょ、()()()。」

「言い方・・・」



ファレルのトゲのある言い方に、クロウがファレルの頭に乗りながら反応した。




「・・・お前、さっきから何ピリピリしてんだ?」

「・・・いや、してるつもりじゃ・・・」



ファレルが反論しようとしたが、すかさずリイン達が突っ込んだ。



「いや、してるよ?」(リイン)

「してたね。」(キリヤ)

「してたな。」(カイキ)

「してた。」(ユウキ)



「そんなにか!!?」



レイは「アハハ」と笑うだけだった。



「・・・いや・・・なんでルイスは、一人でやっちゃうのかな~と・・・思ったんですよ。」



頭を掻きながらボソボソとファレルは呟いた。



「進まなきゃ行けない時にタイムロス食らうのもどうかと思ったんですが、俺達だって力を付けてきてます。皆で進んだ方が良かったんじゃないかと思ったんです・・・」




それを聞いて皆があぁ~っとなっていた。

さっきの野盗達のことだ。



「・・・確かに、それは俺も思ったかな。」



それにカイキが同意した。



「頼ってくれてる感じはするけど、負担になることは結構ルイスが引き受けてるよね。俺も役に立ちたいのに・・・」



その言葉に皆が頷いていた。

と、その時・・・ずっと黙っていたレイが口を開いた。



「・・・でも、ルイス君の言ってる事も一理あるから、全力で拒否は出来ないんだよね?」

「・・・」



レイは微笑みながらそっとファレルの背に手を添える。



「やっぱり皆優しいよ、優しいからこそ言えなくなるのも分かる・・・でも言いたい事があるならちゃんと言わなきゃ。それが相手を思ってのことなら、相手もちゃんと受け取めてくれるから。ちゃんと伝わるから。」



その言葉に、皆の空気が和らいだ。



「・・・すみません、子供みたいなこと言いました。ありがとうございます。」

「いえいえ、どういたしまして。ルイス君が帰ってきたら言っちゃいなよ。この中で一番付き合い長いのは君なんでしょ?」

「・・・そうですね・・・そうさせてもらいますよ。」



ファレルの顔は、晴れやかだった。



「やはりさすがですね、レイは。大人の余裕って感じで、少し羨ましいです。」



それを聞いたレイの顔は、少し曇ったのだった。



「・・・そうでもないよ、さっきのも自分に言い聞かせたことだし・・・」

「それって・・・」




その時、ユウキが部屋の外に反応した。



「っ!!ねぇ、何か近づいてくるよ・・・!」



その言葉を聞いて、すぐにその場を立ち上がり表へ出た。

辺りを見回し確認する、するとある一角から人影がゆっくり出てくる。



「あれは・・・」



確認しようと目を凝らす。と、同時にその人影の声も響いてきた。

その声の主は、何かを探しているようだった。






「・・・ぉ~ぃ」





その声の主は、ファレル達には聞き覚えのある声だった。




「・・・この声・・・まさか!」





正体に驚いている間に人影は角から顔を出し、互いに目が合った。

お互いハッキリと認識したのだった。



「「リヒト!!??」」



「あ゛?・・・てめぇらは・・・」




◇◇◇



一方その頃、上空では・・・




「さて、あいつらはもう休んでるかな~?」



俺はサラベラから集合地まで飛んで戻っている最中だった。なるべく早く、空気抵抗を少なくして少ない魔力で飛んでいる。その方が体力温存出来るからな。




『ルイス、あとでファレルに謝った方がいいんじゃない?』



その時、発動真っ最中のレッカが話しかけてきた。



「・・・分かってるよ。」




レッカとは一心同体、繋がっているからいつでも会話は出来る、思っている事もお互い筒抜けだ。




『・・・お?』



そんな時、レッカが何かに反応した。



「あ?どうした。」

『なんか・・・上からきてるよ?』

「・・・は?」



そう言われて上を確認しようとしたが時すでに遅し・・・






====== ドゴォ!!! ======





何かが背中を直撃した。




「ぐぇ!!?」



それは片手で持てるようなサイズの・・・毛玉のようなものだった・・・





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