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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第六章 新たなる地へ
48/70

● 救出作戦(その2) ●


◇◇◇



「おいなんか上で騒ぎがあったみたいだぞ・・・」

「えー・・・それ俺達も行った方がいいのか・・・?」

「いや、さすがに離れちゃヤバくないか・・・?」

「・・・まぁこんなとこ()()()()()()()()()いないか・・・」





————————————




「・・・それがいるんだなー・・・」(ボソッ)

「聞こえちゃうよファレル君(笑)」(ボソボソ)




通路の影から見つめる者達あり。



ここは奴隷市場の地下深く。捕まっているであろう被害者を探すためファレル達が潜りこんでいた。どうやって潜入したかというと・・・




———————————— 




「・・・まさかモグラのように潜る羽目になるとは・・・」

「しょうがないでしょクロウ、適当な建物から入ろうにも警備が・・・というか人が多すぎてまず通る隙間すらなかったですし、人が居なさそうな場所探ったら脇道の先にある空間だったんですから。」

「地下の空間もそこに人が居ないのも探知して人が通れるサイズの結界(シールド)をその空間まで突き抜けるように縦に張り、その中を俺の魔法で土ごと除去し空いた穴を静かに降りる・・・なかなか面白かったよね♪」

「・・・楽しそうで何よりですよレイ・・・」




こうして地下に潜入成功したファレル一行。中は薄暗く通路が続いている。とりあえず人の気配が集まっている所を目指して進むことにした。



「・・・今は人が居ませんが警戒するに越したことはありませんね。姿が隠せたらいいんですが・・・」

「あ、それなら出来るよ?ファレル君、また俺達に結界(シールド)張ってくれる?まとめてでいいから。」

「・・・?分かりました。」




————————————



こうして姿を隠したファレル達は地下の何かの部屋を警備していた男達の会話を盗み聞くことになったのだった。




「姿が見えないだけ・・・なんですよね?」

「そだよ、ファレル君の結界(シールド)に水の膜を纏わせてるだけだから。だから声はフツーに聞こえちゃうしこの結界(シールド)の範囲から出ちゃえば丸見えだよ。匂いと魔力は隠せてると思うけどね。」



影から様子を見ながらコソコソ話すファレル達、地上でルイス達が暴れているおかげでこの地下の警備は手薄になっていた。



「この魔法ってどういう原理なんだ?」



クロウが気になり尋ねてくる。



「『幻影の鏡マスカレードミラージュ』 水はもともと透明で姿を通すだろ?それを纏わせることで結界(シールド)の後ろの景色を映してるんだ・・・鏡を体中に張り付けて景色を反射してるって言った方が分かりやすいかな?」

「な、なるほど・・・」



さすが天才と言われる科学者で魔導士・・・と、ファレルは感心している。

その時・・・



「ん?今なんか音しなかったか?」



部屋の扉の前で警備をしていた男達のうちの一人がこちらに気づいて近づいてくる。



「(ゲッ!!)」

「(皆静かに!!)」



口を押え気配を殺す。その間に男はどんどん近づき、ついには角を曲がりこちらを見る。しかし・・・



「・・・あれ?」



男は首をかしげる。()()()()()()()()()()()



「おーい、なんかあったかー?」



もう一人も気になり近づいて来た。最初の男はそのまま前を見つめている。



「いやー・・・」

「やっぱ気のせいだったんだろ?戻ろうぜ。」




二人が会話するその横を、ファレル達は静かに通り過ぎる。



「「・・・・・・」」(そろー・・・)



男達はまだその場をきょろきょろ眺めていた。その間にファレル達は静かに抜けて、静かに走った。

扉の前に来た時、ファレルは扉を少しだけ静かに開けて中を確認する。



「・・・ん?」



そこは手術台のようなベッドや薬品棚が沢山並んでいた。



「・・・ファレル君、彼らが戻ってくるよ。行こう。」(コソッ)

「・・・えぇ。」



そのままそっと扉を閉め、先に進んだ。




◇◇◇




「はぁー・・・もう疲れた・・・」



クロウが大きなため息をつく。



「・・・あなたは何もしてないじゃないですか・・・」

「うっせ。」



コツコツ進んで行く。相変わらず薄暗く、通路が続くだけ。ここが正解かは正直誰にも分からなかったが・・・



「あ、皆見て!」



リインが何かに気づいた。その視線の先には今までに無かった鉄格子が見える。その前には一人の警備と(おぼ)しき男。ファレル達は角からしゃがんでそっと見つめる。



「あそこかなぁ・・・」

「・・・クロウ、匂いします?」

「・・・確かに複数の女の匂いするぞ。体洗えてないんだろうな・・・結構酷い匂いがいっぱい・・・」

「こら!」



思わずリインが怒った。

そのまま様子を見ていると男が動いた。



「ふわぁー・・・暇だなぁ・・・・・・ちょうど誰もいないし、どうせ売られるなら・・・ちょっとぐらい、遊んでもいいよなぁ・・・?」

「ヒッ!!」



ニヤァッと笑いながら牢の中の女達を見るその男、誰がどう見ても最低な事を考えているのは明らかだった。男が手を出す前に、ファレル達が動く。



「女性にそんな態度は最低の極みですよ。」

「へ?」



急に後ろから声をかけられ、男は素っ頓狂な声を出した。後ろを確認しようとする前に、ファレルが頭を殴った。




・・・ゴッ!!・・・



「がっ!?」



男は顔を確認する前にそのまま気を失ってその場に倒れてしまう。目の前の光景に驚いた牢の中の被害者達は悲鳴を上げてしまった。



「「キャアアァァァ!?」」



随分怯えているようだ、無理もない・・・リインは急いで結界(シールド)から出て皆をなだめたのだった。



「あわわわ!ごめんね!?怖かったよね!?私達はあなた達を助けに来たの!大丈夫だから!」



ファレルとレイはそのまま結界(シールド)と魔法を解き姿を現す。

いきなり目の前に現れた事にも彼女達は驚いていたようだが、自分達と同じ女性のリインが現れた事で驚きつつも少しずつ落ち着きを取り戻していった。



「・・・ハッ!」



リインはそのまま一蹴りで牢の鍵を破壊し、扉を開ける。



「おぉ・・・」



ファレルは感心し、レイは小さくパチパチと拍手をしていた。その様子にリインは少し照れていたが被害者に向き直り急いで牢の中に入る。



「さ、皆動ける?全員いる?手当ては脱出した後になるけどとりあえずまずはここから出ようか!」



リインが皆を促し、少しずつ彼女達は警戒を解き動きだした。そのうちの一人が口を開く。



「あ・・・の、一人ここには・・・いない、男の子が・・・」



恐る恐る話す彼女の言葉にファレルが答えた。




「・・・あなたの言う子は、地上で目玉商品と言われている子の事ですか?だとしたらもう一組の仲間が助けに向かってますよ。」



その言葉に、彼女は胸をなでおろしていた。それを聞いて他の者にも活力が戻ってきたようだった。その時・・・





「そこまでだ。」



「「!!」」



牢の扉の方を見ると、見覚えのある男達が立っていた。



「アンタ等は・・・」


「やはり来ていたか・・・破壊者(ブレイカー)共・・・」

「こんな場所まで、ご苦労なこった・・・」



政府軍・・・サラベラに来た奴らだった。



「妙な気配はあったからな、一応こちらに寄って正解だった。」

「残りは上か?そちらももう一隊が対処しているだろう。」



政府軍は二人、銃を構え後ろには天井にまで届きそうな魔物が二体いる。奴らの後方から先ほど扉の前で警備していた二人も走って来ていた。



「あ、倒れてる!大丈夫か!?」

「加勢します!!」



計四人、魔物までいれたら戦力はあちらが上だろう・・・こちらは牢の中で袋小路、退路は奴らの後ろだ・・・・・・




「・・・こんな狭いとこでそんなの振り回すんですか?アンタ等にも影響あるんじゃないですか?」



ファレルはあえて挑発する、しかし奴らは余裕の表情だ・・・



「それはないな、傷を負うのは貴様等の方だ。」

「こちらとしてはお前達が生きてても()()()()()()()使い道はあるからな。」




彼女達を庇うようにファレル達は前に出る。しかし、策は何もない状態だ。



(どうする・・・攻撃は結界(シールド)で防げるだろうが埒が明かないぞ・・・)



ファレルは思案するがそれをあざ笑うように奴らは銃を構えながら言う。



「ハッ貴様らの事は調べがついている。ペラい壁じゃ防げないぞ?」

「ぺら・・・!」(イラッ)



さすがにファレルはカチンときていた。その時、レイが動いた・・・




「・・・しょうがないか・・・」



一歩一歩、ファレル達の前に出るレイ。奴らの標準はレイに向いた。



「!?レイ、何を・・・!」



ファレル達も驚いていた。しかしレイは、笑いながらファレルの方を向いて人差し指を口に当てる仕草をする。


「大丈夫だよ。」



そう言うと、一回右手でパチンと指をならす。すると・・・




「え・・・・・・」




ファレルは衝撃の光景を目の当たりにしたのだった・・・・・・





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