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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第五章 君が求むは
30/70

◯ 追想者と救済者 ○



◇◇◇



『・・・ようやく来たね。待ちくたびれたよ。』

「!!?」



・・・突如として声が響く。

それは俺達が見ていた竜巻の根本、誰もいなかったはずの場所から聞こえてきた。しかし、少し距離があるにも関わらず頭にも直接響いてくる・・・



視線を声がした方に向け、目を凝らす。ようやくこの薄暗さにも目は慣れてきたが、やはりそこには誰もいなかった・・・すると・・・・・・




「・・・相変わらずちっさいな、お前ら(笑)」(ポンッとカイキの頭の上に手をのせる。)


「「!!?」」



なぁっ!!後ろから・・・!!?


急に背後から声が聞こえ、皆驚いて振り向いていた。

そこに居たのは、髪も服も真っ黒で不適に笑う男だった。見た目は俺と同じ位の歳に見える・・・一番驚いていたのは、カイキだった。



「うぉぉおあぁ!!??」


頭を押さえながら一気に後退りするカイキ。

そしてクロウが何かに気づいた。



「ってその声・・・やっぱあの時の男か!?・・・ん・・・?ちっさいって誰の事だよ!俺達か!?」

「・・・落ち着けクロウ、突っ込むのそこじゃないし・・・」



カイキ達が慌ててくれたおかげで、逆に少し冷静になれた。

皆一気に警戒する。

ファレルだけは、臨戦態勢だった。



「・・・フゥー・・・」



呼吸を整え、俺から話しかけてみた。



「・・・聞きたいことはいろいろあるが、まずあんたは一体何者だ?」


「・・・フッ、まぁ・・・まずそれだよねぇ・・・」




ようやくか、といった感じに笑いながら手を広げ自己紹介を始めた。




「初めまして。俺の名はリヒト。ルミエールに名付けられし、虚無を(つかさど)る狭間の住人さ。」

「リ・・・ヒト?」



・・・俺はなぜか、違和感を覚えた。その正体にすぐに気づけなかったが、少し経ってファレルが考え込みながら口を開いた。



「・・・リヒト・・・ルミエール・・・?それって確か、どちらも『光』って意味があるんじゃ・・・」

「・・・光?」

「・・・・・・クスッ」




違和感の正体はこれか・・・見るからに奴は真っ黒だからな・・・にしてもルミエールって・・・・・・


そう考えてた時だった・・・今まで黙っていた奴、リヒトが叫びだす。



「・・・お前は知らないだろうな、()()()!自分達の事で手一杯で、他の龍がどうなっているのか知りもしない・・・お前達の所為であいつは・・・『光龍ルミエール』は!生ける屍となった!!」


「!!?」




なんだ・・・何を言っている!?




そう・・・思った一瞬だった・・・・・・



瞬きをした刹那、奴が俺の眼前に迫っていた。




「!!!」


「・・・なぁ、お前は・・・あいつが守るほどの存在なのか?」



奴の瞳は黒く光り、黒い影が右手に集う。影はそのまま拳を纏う火の塊となって俺に迫ってくる。

俺はすぐさま後ろに飛んだが、間に合わなかった・・・・・・






——————ドガアァァン・・・!!——————



「ルイス!!!」



あまりにその一撃が強すぎて、俺の身体は遺跡の一部を破壊するほどに飛ばされてしまった。ガラガラと遺跡が崩れ落ちる。その瓦礫は俺の上にも落ちてきて、すぐさま動ける状態ではなかった。ファレルの声が、遠く感じた・・・・・・



「・・・グゥ・・・ゲホッゴホッ・・・!」



瓦礫をどけながら体を起こす。なんとか骨折は免れたようだが、あちこちから出血していた。



「・・・っ」(ジリ・・・)

「・・・っ!」



奴の気配が、動くのを感じた。急いで構えようとしたら、急にファレルの声が聞こえてきた。




「待て!!」

「・・・・・・」(ぴくっ)




「あんたは一体・・・何者なんです?人か、魔物か・・・それとも・・・・・・」

「・・・フー・・・・・・」




一息置いて、奴が答えた。



「・・・さぁな。俺にも分からん・・・だが、昔俺を『悪魔』と例えたやつがいたな?」



ニヤッとファレルを見ながら笑った。



「!・・・やはりあなたは・・・!!」




その時、コツンと奴が一歩踏み込んだ。

すると・・・・・・





——————・・・ゴッ!!!——————




「!!?」


「キャアア!!」

「っ!!」


「ブワッ!!」

「クロウ!!」



急に風のようなものが吹き荒れ、飛ばされそうになったクロウをカイキが急いで掴む。急だったので、思わず羽を鷲掴みにしていた。



「・・・痛い痛い!そこ握るな!!」

「っ文句言ってる場合じゃないだろ!!?」



「・・・・・・これは・・・・・・!!」



皆風圧に押され、前を窺うのもやっとだったが・・・これが風じゃないことは、俺が一番よく分かっていた。




「なぁ・・・お前らがどれほどのものか、見せてくれよ!!」




奴から膨大な魔力が、この空間を覆いつくすほどに溢れ出していた・・・・・・













タイトルは二通り意味があります

これからの話で明らかになっていくので覚えておいてもらえれば幸いです

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