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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第五章 君が求むは
29/70

◯ その足跡を辿れば ○



◇◇◇



「ちょっとーー!!おーそーいー!!」


「あ・・・わり、忘れてた・・・」

「ちょっとーーー!!?」




アイラさんとの一件後、先へ進もうとしていた矢先に先行していたレッカが戻って来た。

どうやら先に遺跡内を様子見して来てくれたようだが・・・正直、アイラさんの事があったので・・・忘れていた・・・(すまない・・・)






「もー・・・遺跡、凄いことになってたよ・・・」

「!!見てきたのか・・・!?」

「皆が遅いからでしょーーー!!」

「す、すまない・・・」



怒るレッカをなだめながら、話を聞きだす。



「・・・コホン。一応中心部までこっそり行ったんだけどね。あの魔物と戦った辺り、あそこに男が一人、遺跡の上に座ってたの・・・見つからないよう隠れて見てたんだけど・・・絶対にバレない距離のはずなんだけどあいつ・・・こっち見たんだ。」

「!・・・顔は見たのか?」

「んーん。見られて目が合ったからあたし急いで離れたの。一瞬だったし・・・ただ、真っ黒な髪と瞳をしてたってとこぐらいしか見れなかったよ?」

「黒・・・」



・・・一瞬、()()()かとも思ったが・・・何者だ・・・




「あと、中心に行けば行くほど魔力が吸収されてるみたい・・・男の後ろに竜巻が少し見えたんだ。ずっとピリピリしてて痛かった・・・!」

「!!」



・・・この地は魔力に満ちている。死人や魔物を造るのにもある程度魔力がいるはずだ。それの補給に来たってことか・・・?





「・・・行きますか。」

「あぁ!!」



まずはどんなやつか・・・拝ませてもらおうか!






◇◇◇




・・・一歩一歩、遺跡内に足を踏み入れる。

以前と変わらず中は広く、以前と違って静寂に満ちていた。


しかし、中心に近づくにつれ異常が現れてきた。




「・・・な、なんか背中がピリピリするー・・・」

「うぅ・・・なんか、気持ち悪い・・・」


「・・・キリヤは身体は魔物だからな。影響を受けやすいんだろう・・・リイン、カイキ。何かあったらフォローしてあげて。」

「あ、はい!」

「・・・了解。」

「うぅ・・・ごめんよぉ・・・」



キリヤは口を押さえながらゆっくり進む。

今この場では相性は悪いようだ。

・・・頼むから吐くなよ・・・?




◇◇◇




少しずつ・・・皆で固まって進んで行く。

相変わらず薄暗く、そして少しずつ・・・音が聞こえてきた。

まるで地響きのような、風のような音が遺跡の中心に近づくにつれ聞こえてくる。





「・・・・・・」



遺跡の建造物の影に隠れながらそおーっと様子を見る。

そこには、竜巻のような風が地上に向かって伸びていた。音の正体はこれだった。



「おいあれ、なんだよ。(コソコソ)」

「っ・・・!頭に乗るなクロウ!あれは魔力だ。さっきレッカが言ってただろ?この地の魔力がああやって吸収されてるみたいだな・・・(コソコソ)」




もう一度竜巻に目を向ける。すると竜巻の先端、天井の近くに何か影があるのに気づいた。確認しようと目を凝らす。すると・・・・・・




『・・・ようやく来たね。待ちくたびれたよ。』


「!!」



それは子供のように明るく、無邪気な声だった・・・・・・



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