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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第五章 君が求むは
27/70

○ 思い出に眠る花 ○




◆◆◆



それは、レッカと二人で旅をしていた時だった。

魔物を倒しそのまま森へ入ったら、レッカが誰かの泣き声を聞き取ったのだ。




『こっちから声が聞こえるよ』

「こっちって言っても・・・ここ森の中心だぞ・・・」



レッカが指示する方に、疑いながらもついて行く。するとようやく、俺でも聞き取れる泣き声が聞こえてきたんだ。




・・・・・・・ぐすっ・・・ひっく・・・・・・




すすり泣く声。女の子の声だった。その声がする方に向かってみると、木々が開けてきた。その中心に一本だけ立つ木があって、その傍で女の子が泣いていた。



「・・・ホントにいたよ・・・」

『でしょ!(えっへん!)』



その女の子の傍まで駆け寄り声をかけながら触れようとした。すると・・・・・・




「おい、どうした?大丈夫か・・・・・・」(・・・スッ)



その子に触れようとしたら、なんと触れられずすり抜けてしまったのだ。




「・・・へ?」

『もしかしてこの子・・・あたしと同じ・・・』



その時、急にその子がこちらに振り向き飛びついてきた。



「もしかして、私の姿が視えるの!!?」

「うゎ!?」

『あ、ちょっと!!』




その子の勢いに耐え切れず押し倒されてしまう。先ほどは触れられなかったのに、今は見ての通り・・・

その様子を見たレッカが今にも怒りだしそうに無理やり俺達を引きはがした。

しかしその子はレッカを押しのけ、俺の肩を掴み必死に叫ぶ。



「お願い!みんなを止めて!みんなを助けてあげて!!」

「・・・・・・え・・・・・・?」






◆◆◆




「さっきはごめんなさい・・・私はカリン、この先の遺跡に住んでるの。」



と、説明を受けながら歩くここは、あの木の真下から通じる洞窟内。

彼女、カリンは俺達を遺跡に案内すると言い、あの木のスイッチを起動して地下への入り口を開いたのだ。

そして案内されるまま、俺とレッカはついて行っている。奥に進むにつれ、空気中の魔力が濃くなっていくのが分かる。


辺りは薄暗く、普通の人間なら明かりがないと進むのは難しいだろう・・・

ま、俺達は普通じゃないし明かりなくても見えてはいるんだけどな。



「えーっと・・・まず、質問していい?」

「はい、どうぞ?」



俺は思っていた事を訊ねた。




「さっき皆を・・・とか、私が視える・・・とか言ってたけど・・・

つまりは結局、あんた含め皆さん幽霊・・・ってこと、だよね?なぜか触れたけど・・・」

「そうだよ?」




あっさり認めたーーー!!!



『ル、ルイス・・・?』



なんだろう・・・この、なんとも言えない感覚・・・妙にショックを受けたような・・・




「あー・・・ゴホン。悪い、まぁ確かに。普通の人間じゃ分からない入り口の開け方も知ってたしな・・・ただ、助けてってのはどういう事だ?成仏させろって事か?」

「あー・・・」



そう言うと歩きながら固まってしまった。なんだ・・・?言いづらいのか?



「・・・まずは、実際に見てもらった方が早いと思う。もうすぐだから・・・」




そう言って彼女は視線を前方に向ける。

俺達も視線をたどる。すると、ようやく洞窟の出口が見えてきた。

どうやら終着点にたどり着いたようだ。




「・・・ん?」



近づくにつれ、何か声が聞こえてきた。

これは・・・・・・





◆◆◆




「みんな、準備はいいか!?」

「いつでも行けるぞ!」

「ついにこの日が来た・・・!」



「今日こそ人間共を滅ぼすんだ!!!」



「ハッ!!?」



衝撃の言葉に思わず声を上げてしまい、その場にいた全員が俺達の方をじっと見ていた。



「・・・あ、やべ・・・」

『ちょっとルイス・・・!』



そこでは、カリンと同じ遺跡の住人と思われる者たちが武器を持って決起集会をしているところだった。その数は百を超えている・・・

この空間は魔力に満ちていて、どうやら幽霊達に力を与えているようだ。

そんな危険なタイミングに、俺達は出くわしたらしい・・・・・・




「・・・なんだお前・・・」

「・・・にんげん・・・?」

「人間だ・・・」

「人間」「人間」「人間」・・・・・・・



いやいやいやいや怖ーよ!!!




「ちょっと待て!なんかよく分かんねーけど!!とりあえず俺は人間じゃないから、まずは落ち着いて話そ・・・」

「「殺せぇ!!!」」



彼らは聞く耳を持たず、問答無用で襲ってくる。



「・・・チィッ!!だから落ち着けって・・・

言ってんだろ!!!」





彼らを一度鎮めるために、一時的に魔力を開放して向かってくる彼らを押し返す。




「ぐわっ!」

「がっ!」



ドサドサと弾き飛ばされ、彼らは倒れていく。

幽霊であれ物理攻撃でなければ彼らにも衝撃を与えることは可能だ。しかし、一時的とはいえ完全復活していない魔力を放出するのはかなりの負担がかかった。



「・・・・・・チッ・・・!」

『ルイス・・・!ルイス!!』



これだけの数を相手にしたので、魔力切れ寸前だった・・・

けれど、おかげでようやく話が出来そうだ。




「・・・ハァ・・・良く聞け、俺は人間じゃない。龍だ!それとあんたらはもう死んでる。幽霊なんだよ!・・・死者だがあんたらだって人間だ!なんで同じ人間を攻撃しようとしてんだよ!!」



力いっぱい全員に聞こえるように叫ぶ。

皆うずくまって、唸っていた・・・




「ぐぅ・・・」

「あぁ・・・」




「・・・はぁ・・・」



俺の言葉が聞こえているかはともかく、とりあえずは鎮めることには成功した。

しかし、そんな中に違和感を覚える。



「・・・ん・・・?」



倒れている中一人だけ、この空間の中心に立っている人物がいることに気が付いた。



「・・・彼ら地上の人間達は我らを(ないがし)ろにしたのだ・・・存在自体を消されたのだ!!許せるはずがなかろう・・・!!」



その立っている人物は、長い髪で顔を隠していたが明らかに他の者達と様子が違っていた。

・・・そいつだけ、()()()()()()()()()()



「・・・さぁ、こんなところで終われないだろう!立ち上がれ、我が同志たちよ!!」



そいつが手を広げて叫ぶと、今まで倒れていた住人たちが一斉に起き上がる。

・・・まるで見えない糸で釣り上げられたかのように・・・



「なぁ・・・!!」

『どういうこと・・・!?』

「あいつだよ・・・!あいつがここに来てから、皆変わってしまったんです!!」



カリンが俺の背に隠れながら叫ぶ。それでようやく理解した。




「・・・なるほど、そういうことか。」



ここにいる住人達は、幽霊とはいえ所詮は人間でしかない。そんな彼らを言葉巧みに操り操作出来るのは・・・




・・・・・・魔物でしかない・・・・・・




『カカレェェーーーー!!!!!!』






◇◇◇



「・・・そんなことがあったんですか!!?」

「そ、幽霊ウジャウジャに魔物登場。さすがにちょっと焦ったよね。」

「ね。」



レッカと息が合う。

この長い洞窟では、思い出しながらこの話をするのに十分な時間がある。



「その後、どうなったの?皆切ったの?」

「・・・お前ら、幽霊はもういいのか・・・」



さっきまで皆びくびくしてたくせに、今では話の続きに興味津々だ。

少し呆れながら、またもう一度思い出して話し出す。



「・・・はぁ、あの時俺は魔力切れになってたからな・・・だからレッカの力を借りたんだ・・・」




◆◆◆




『カカレェェーーーー!!!!』



奴の叫び声を皮切りに、一斉に住人達が飛び交かって来る。



「レッカ!!」

『分かってる!』



レッカに指示を出し、攻撃をそれぞれ左右にかわす。

すると攻撃が当たらなかった住人達は次第に俺の方に向き直り・・・



(・・・じり・・・)


「・・・げっ・・・」




・・・向かって来たのだ・・・

(ダッ!!!)



「やっぱりこっちかよ!!レッカ頼む!!」

『分かってる!!!』




レッカに指示を出し、カリンを安全な場所まで避難させる。

そんな中でも住人達は俺に向かって襲ってくる。





◆◆◆



『・・・ここに隠れててね。』

「うん・・・ごめんね、皆こんな事絶対しないのに・・・」

『大丈夫。分かってるし、あたし達に任せておいて。』




レッカはそっとカリンに触れ、ニコッと笑ってみせてからその場を離れる。

そして状況を確認する。相変わらず住人達はルイスを追いかけている。ルイスもずっとかわしているが、まだ魔力は戻っておらず攻撃は仕掛けていない。

あの魔物は、先ほどと同じ位置に笑いながら立っていた・・・




◆◆◆



「・・・クソッ!!」



住人達が邪魔で、なかなか魔物に近づけない。奴は一人、空間の中心に浮いているので追われていてもすぐに見つけられた。

そんな中、カリンの避難が完了したのを確認する。



「・・・よし!」



攻撃し続ける住人達の隙をついて方向転換し、魔物に一気に近づく。そして・・・




「・・・発動・・・烈火(レッカ)!!!」




手元になくても操作できるソードブレイカーを利用し、レッカの魔力を炎に変えて拳に纏い魔物に向かってそのまま殴りにかかった。

しかし、奴はニヤッと笑いながら・・・




『・・・フッ!!』

「!!」



―—————— ブワァ!!! ―——————



奴は手を前に突き出し、魔力を放出しながら俺の拳を受け止めた。

その瞬間レッカの炎と奴の魔力がぶつかり合い、辺りに広がる。薄暗い空間が一気に明るくなる。住人達は俺達に近づけず、中には魔力にあてられて倒れる者もいた。



『・・・ムダダァー!!!』

「ッグ!!?」



その時、弾かれた魔力が俺に向かって逆流し傷をつけていく。その反動で攻撃が押し返されそうになるがなんとか耐えている。



「・・・チッ!!」

『フハハ!ドウシタ、コンナモノカ!!』




そう言って奴は両手を広げ、完全に攻撃を弾いたのだ。



—————— バチィ・・・!!! ——————



「ッ!!!」

『・・・ハッ!』



弾かれた衝撃で態勢を崩した。そこを・・・



—————— ドッ!! ——————



「・・・ッ!!」



奴の爪が伸び、俺の右横腹を貫いた。



「・・・ぁっ!!!」

『・・・オワリダァ!!』




奴は叫びながらその爪にさらに魔力を込める。

しかし、俺はこの時を待っていた。



「・・・終わるのは、どっちかな!?」



俺は貫かれたまま奴の爪を掴み、逃げられないようにして叫んだ。




「・・・レッカァーーーーーー!!!」


『!!?』



奴が後ろを振り向いた時には、手遅れだった。

すでにレッカが間近まで接近していた。



俺の魔力は確かに切れていたが、レッカ自身はまだ魔力が残っていた。

ゆえに、本命の攻撃をレッカに託した・・・・・・



『チィ!!』

『ハァ!!!』



幽霊も存在できる魔力の満ちたこの空間では、レッカも自身でソードブレイカーを使えるようだ。自分で剣を出し、そのまま炎を纏わせ勢いに任せて真上から振り下ろす。ありったけの魔力を込めて・・・・・・





『ハアアアアァァァァァァァァ!!!!』

『ウオオオオォォォォォォォォ!!!!』



ぶつかり合う魔力と魔力。

奴はレッカに対応しているので俺を貫いていた爪も力を緩めていて容易く抜くことが出来た。


辺りに炎が飛び散る。

奴は受け止めてはいるが、レッカの火力に耐えられていないようで・・・・・・




『・・・ウゥゥ!!』



少しずつ、手から焼けただれていっている。



『・・・・・・せーの!!』

『グ、アアアァァァァァアアアアァ!!!!!!』




レッカは掛け声とともに力いっぱい剣を押し込んだ。

炎を纏った剣は、みるみる魔物の身体を焼き砕いていく。

魔物は悲痛な声で叫びながら、消し炭になっていったのだった・・・・・・






『・・・ハァ・・・』



魔物を倒したレッカは、ゆっくりと空中から降りてくる。俺は真下に行って、両手を広げてレッカを受け止め抱きしめる。



「お疲れレッカ・・・ありがとう、ゆっくり休んで・・・」

『うん・・・ごめん、少し・・・眠るね・・・』



さすがにあれだけの魔力を放出したので、レッカも力を失い剣の中に戻っていった。

俺達は互いに、ボロボロだった・・・・・・






◆◆◆





「う、うぅ・・・」

「あれ、俺は・・・・・・」

「皆!!大丈夫!?」



魔物を倒したおかげで、倒れてた住人達も意識を取り戻していた。



「俺達は・・・」

「・・・一体・・・どうしてたんだ・・・?」

「皆・・・覚えてないの!?」



カリンが皆を介抱しているが、皆先ほどまでの記憶が無いようで驚いている。



「・・・目覚めたか・・・」

「ぅお!?」

「あんた、誰だ!?」



住人達のほんとの再会している最中(さなか)申し訳ないが、話に割り込むと案の定驚かれた。

・・・まぁ、俺血まみれだしな。

カリンが間に入って紹介してくれた。



「皆、この人はルイスさん。こう見えて龍なんだって。皆を魔物から助けてくれた人なんだよ!」

「え・・・」




こう見えては余計だ、と思いながら皆の顔を見回す。

皆驚いたり焦ったり泣き出しそうになったり、いろんな表情をしている。

一通り見てから、話を切り出す。



「・・・あんたらがこれからどうするか、俺は知らない。だけど少なくとも、このままここに居ればまた利用される可能性がある。あの魔物も、この地の魔力を使うためにあんたらを利用したようだ。現世にとどまり続けても、闇に染まれば悪霊になる。俺は、成仏することを進めるけどな。」



俺の言葉を聞いて、皆が一気にざわめいた。



「成仏!?」

「消えるって事か!?」

「怖い・・・」


「ちょっと皆・・・!」



それぞれに慌てふためいて、カリンもおどおどし始めた。

俺は少し呆れて、再び話す。



「・・・ハァ。言っとくが、成仏したら消えるは間違いだぞ。今世で体は無くなるわけだが、魂は消えたりしない。一度あの世に行って、再び現世に生まれるんだ。新しい命としてな。そしてまた修行する。その繰り返しだ。あ、悪い事した奴は地獄行ったりするから気をつけろよー。ちゃんと反省もしなきゃいけない。人間って、結構面白いよな。」



つい我を忘れて語ってしまったが、皆あっけにとられていた。

しかし、次第に・・・



「・・・消滅・・・しないのか?」

「また生まれることが出来るの!?」

「それなら、もっと明るい所に生まれたいよ!」



皆様々な声を上げる。そして次々に光に包まれていった。



・・・・・・「ありがとう」「ありがとう」・・・・・・



礼を言いながら、次々に消えていったのだ・・・・・・




「はぁ・・・やっと成仏したか・・・こんな暗い所居たら気が滅入るぞ・・・」

「・・・そうかもしれない、いや。そうだったんだろうね・・・・・・」



カリンはまだ、ここに居た。



「ねぇ、彼女。あなたも大丈夫なの?」



そう言いながら剣に向かって指をさす。



「あぁ、この中で眠ってるだけだ。しばらくしたら、また目を覚ます。俺の傷も、ほっときゃ治るから。」

「そうなんだ・・・二人とも、人間じゃなかったんだね。」

「人間だよ・・・レッカはな・・・」



黒い長剣(ソードブレイカー)を見ながら呟いた・・・





「・・・ねぇ、こっちに来てくれる?」

「・・・?」



そう言うと、カリンは遺跡の奥の方に進んでいく。俺もゆっくり、後ろをついて行く。

しばらく進むと、三つに分かれた洞窟が現れた。




「ここ。全部地上のサグに通じる道なんだけど、一番最短ルートがこの真ん中の道なの。出口は建物の中に出るはずだけど、ここから行くと良いよ。」

「・・・サグの事、知ってんのか?」




出口の事まで詳しい事に驚きを隠せない。

すると、カリンはゆっくり答えた。




「・・・昔、行ったことがあるの。まだ生きてた時に・・・出口は空き家だったんだけど・・・あそこは、とても怖かった・・・・・・」



カリンは体を震わせながら話す。

・・・察するに、エギルの研究を見てしまった・・・ていう事かな・・・

多分まだ、施設が在った時だろう・・・・・・



「街全体が、おかしかった・・・魔物もいっぱい居たの・・・だから、すぐに地下に逃げたんだ・・・でも、誰にも見つかってないよ!だから皆にも話さなかったんだ・・・あなたが、初めてだよ。」

「そう・・・か。」



カグナ遺跡は、トラップがたくさんあるとコルスが言っていた。それらを利用して、逃げられたんだろうな。

・・・なんで彼女達が亡くなったのかは、聞くことは出来ない。それは踏み入れたらいけない領域だ・・・




「ありがとう。おかげで皆も成仏出来た。あの騒がしい時間は楽しかったけど・・・私ももう行くよ。」

「・・・分かった。ここまでありがとな。皆にもよろしく。」




振り向き先へ進もうとしたら、服を掴まれた。

カリンがそっと、止めたんだ。



「・・・きっとこれからも、つらいことがあると思う。けど、あなた達なら素晴らしい世界を創れると思うから・・・決して負けないで・・・

これからの旅路に、光あらんことを・・・・・・」



そう言って、カリンも消えていった。光と共に・・・・・・




「・・・・・・ありがとな。」



光を掴んで、もう一度歩き始めた・・・・・・





◇◇◇





「・・・こういう事がありました。」

「・・・すっげー・・・」



カイキが子供らしい反応をしてくれて少し嬉しくなった。



「あ、でもそれならもうこの先に幽霊はいないんじゃないですか!!?」



無理やり明るく振舞おうとしているリインだが・・・



「いや、コルスの話だと何かしらいる可能性は高いから。同じやつらとは限らないだろうけど・・・・・・」

「「えーーー・・・」」



そしてキリヤと揃って落胆する・・・



「落ち込まれてもな・・・」



そうこうしているうちに、そろそろ終着点に着こうとしていた。あの戦いがあったあの場所に。




その時だった・・・・・・





『・・・これ以上行ってはダメです!!!』




突如として声が聞こえた。それはカイキ達にはなじみのない声だったけど・・・




「え、今の・・・誰・・・?」

「え、え!!噂をすればってやつですか!?」



怯えているリイン達をよそに、俺は確信した。


・・・()()()()()()()()()()()()・・・





「・・・・・・なん、で・・・・・・」

「・・・・・・」



俺達の進む先、終着点手前で現れた白い影。



それは、ファレルが会いたくても会えない、恋焦がれた人だった・・・・・・














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