○ 正体 ○
「・・・・・・えーっと・・・・・・」
俺達は身構えたまま固まってしまった。
目の前に飛び込んできたのは、大型の魔物・・・しかし人語を話し土下座で現れたからだ。
「・・・これ・・・魔物ですか・・・?」
「うーん・・・見た目は今までのと同じみたいだがなぁ・・・」
そんなことをファレルと話していた時。
「んーーーー・・・・・・?」
クロウがそろそろと飛んできて、その魔物の匂いをかぎ始めた。
「クロウ・・・?どうした?」
「こいつ・・・わずかだが人間の匂いがするぞ?」
クロウの言葉に俺達は驚きを隠せない・・・その時、
「あ、あの!この人は敵ではないんです!!」
あのフードの人物が魔物をかばうように前に出てきた。
「・・・あなた、何か知っているみたいですね・・・詳しく教えてもらえますか。」
「・・・お、向こうに小屋があるな。とりあえずそこに結界を張って一休みがてら話を聞くか。」
辺りを見回し小屋があるのを見つけたので、そちらに移動することにした。・・・あの魔物、小屋の中入るかなぁ・・・
◇◇◇
「あ、あの。私の名前はリインと言います。こっちのおっきい人はキリヤです。見た目は魔物ですがれっきとした人間なんです!」
「はいあの・・・こんな姿ですがほんとに人間なんです・・・信じてください・・・」
「・・・その前に、よく中入ったな。その図体で・・・」
その体に似合わずぼそぼそと話す魔物は正座しながらうつむいて語る。
フードの人物は二十歳前後の女性だった。
どうやら二人は恋人同士らしい・・・見えないが。
「人間・・・それがどうして魔物なんかに・・・にわかには信じられませんがどうやってその体に?」
「あの、それは・・・」
彼女が話す前に、俺は彼の前に立ち手をかざす。
「えっ!!」
「動くな。」
「あ、ハイィ!!!」
彼、キリヤは緊張して正座したまま背筋を伸ばせるだけ伸ばしていた。
そのまま俺は集中し、彼の体を探る。
「ルイス・・・なんかわかりますか?」
「あー・・・」
魔力の流れを読み取り、体中を調べた。
すると一か所だけ違うところを見つけた。
「・・・この体、確かに魔物のものだが・・・人間でいう頭の部分。脳だけはどうやら人間のそのままみたいだ・・・魔物の邪気に侵されてないのがすげえけど・・・」
「・・・マジですか・・・」
驚くなという方が無理だよな・・・俺だってこんなの見たことがない・・・なんでこうなった・・・
だが、最近の噂。あの人形と呼ばれてた死人達と関係があるとすれば・・・・・・
「あ、えっと最初から説明しますね。
私たちは辺境の街で平和に暮らしていました。神聖な霊力で満ちており、自然の結界が張ってあって争いも全くない場所でした。けど私たちは、薬草を探しに街の外に出て襲われてしまいました・・・
その後あなたが言う通り、『移植』されたんです・・・私たちはあの男に捕まって・・・」
「!待て、男・・・?移植!?どういうことだ!!」
リインが話しだした単語がとんでもない内容で思わず口をはさんでしまった。
慌てて続きを話す。
「あの・・・私たちは実験材料にされたんです・・・『エギル』という男に・・・」
「!!!」
「・・・ルイス・・・?」
・・・・・・エギル・・・だと・・・・・・
時間かかってしまいましたー!年末年始は投稿もできないかもです・・・(~_~;)




