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創世のソード・ブレイカー  作者: 柚木りん
第二章 思い出の鍵
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番外編 レッツ、お勉強♪



「・・・じゃあ普通の(?)龍は瞳は金色なんですね?」


「あぁ、その通り。俺みたいな特殊なやつは違うけど、まぁ人間と見分けるならまずそこだな。」


「・・・なんで俺がこいつらと・・・(ぶつぶつ)」





あの渓谷での戦いの後、俺達は近くの宿屋で休んでいた。

あまりにも酷いケガだったので治療に少しかかり、そのまま一晩過ごすことになったのだ。

その間に今まで言えなかったことをファレルに教えていた。

まぁクロウは魔力が戻るまでは当分俺のペット扱いになるけど(笑)

宿の人にも不審に思われることはなかったのだ。



「あの時話した通り、俺達双子は創世龍で瞳は赤色。他の(やつら)からは俺が『シロガネ』弟が『クロガネ』って呼ばれてた。」


「しろがね・・・それって体の色が白いから・・・とかいう理由ですか?」


「・・・まぁ、それもあるのかね・・・」




ベッドの上でファレルの質問に答えている間、クロウは興味なさげにずっと窓の外を見ていた。



「龍は・・・まだ他にもいるんですか・・・?」


「・・・さぁな。俺もクロウも他の奴らのことはさすがにわかんない・・・でももうほとんどいないのは確かだろう・・・逆にコルスや俺達の方が珍しいだろうな。」


「そうですか・・・」




気落ちするファレル。好奇心や興味の対象を調べることが出来ないことに少なからずショックを受けているようだ。・・・まぁ人間からしたら珍しいことだらけだしなぁ・・・しょうがないけど。



「・・・なら質問を変えましょう。あなた達は、どれだけ魔物のことを知っていますか?」


「!・・・どういうことだ?」



急に質問内容や聞き方が変わって驚いた。



「魔物は何処からともなく現れ、姿を変えながら存在しています。とても実態があるようには思えない。

 最初に魔物が生まれたのは、一体いつか・・・それは何処で、どうやって生まれたか。政府は何の目的でかかわっているのか・・・魔物には謎が多すぎます・・・あなた方ならば、何か知っているんじゃありませんか?」



・・・あまりにも的を射すぎてほんとびっくり・・・

やっぱ頭キレるなー・・・

俺が知っている限りのことを話そうとした時だった。




「・・・つーかそんなこと知ってどうすんだ」


「え・・・」



クロウが窓を向いたまま口を開いた。



「そんなこと知ったって、人間にどうすることもできないだろ。ただ魔物を狩るだけ・・・元を断つこともできねーだろ。つーか無駄だし。」


「お前なぁ・・・」



もう少し言い方があるだろって言おうと思ったらまたまた先に、今度はファレルが口を開く。



「へぇー・・・ということは、あなたはやっぱり何か知ってるんですね?少なくとも、無駄になるだろう()()()。」


「うぐ。」


「あーあぁ。こりゃ一本取られたな?」


「取られてねぇよ!!」




クロウと俺が過ごしていた時間も状況も違うため全く同じことを考えているとは限らないが、少なくとも原因は想像できる。

クロウの代わりに俺が話す。



「・・・俺が知っている限りのことは話すぞ?」


「えぇ。それで構いません。何かしらの策は立てられるでしょうし。」





そして俺は、自分の記憶から必要なものを探り出してから話し始める。



「・・・前にも話した通り、魔物ってのは生物の誰しもが持つ心の闇が魔力を吸収して集まったものだ。けど、光あれば闇がありそれぞれはほんの小さなかけらのようなもののはずなんだ・・・なぜそれが集まったのか、最初の核となった闇は一体誰のものなのかは俺でもわかっていない。おそらくそれが、今のすべての魔物の中心とは思うんだが・・・それも含めてこれからの旅で明らかにするつもりだ。」



「ふーん・・・」


「多分俺の弟もその魔物を作るのに利用されていると思う・・・あいつの魔力は特に、魔物にとってはうってつけだから・・・」



「あぁ、"闇属性”だからか?」



「・・・闇属性?」



今まで黙っていたクロウが会話に参加し、ファレルが聞き返す。

俺はそれに重ねて説明する。



「あんま知られてないけど魔力には属性があるんだ。世界が光と闇で出来ているように魔力にも光と闇、あとは水や炎、雷や大地・・・かな?」



「へぇ・・・っていうことはルイスが"シロガネ″なら光、弟さんは闇で・・・さしずめ"クロガネ″かな?」


「って相変わらず鋭すぎだろう!!」



ファレルは説明しなくてもこの世界のすべてをいずれ自分で理解するんじゃないのか!?



「その通り、そいつら創世龍は(俺達)の間ではシロガネ、クロガネって呼ばれてたんだ。・・・まぁ兄貴の方は昔からすべての生き物と仲良くなりたいーってバカなこと言ってたっけ?・・・あ、今もか(笑)」


「あ、ちょっと目に浮かびますね・・・(クスクス)」


「てめぇ・・・黙って聞いていれば・・・ファレルも笑うな!!」



口を開いたかと思えば・・・

なじんでくれるのは嬉しいが一言多い!!




「あぁそれならコルスさんはどんな属性の魔力なんですか?あと俺のも何属性にあたるんですかね・・・」



「コルス?・・・あのじいさんまだ生きてたのか・・・」


「おい・・・コルスは大地の属性だ。自然物を操ることができ、遠くの足跡も聞くことが出来るためクロウの居場所も突き止められたし俺の先回りもできるってわけだ。」


「なるほど・・・そうつながるわけですね。」


「ちなみにクロウは光と闇が合わさった魔力。まぁなんというか、どっちもクロウには効かない・・・みたいな。」


「あぁだから灰色の、なんですね。」


「体の色も灰色だしな。(笑)」


「笑うなよ!!別に変じゃねえだろこのシロアタマ!!!」


「誰がシロアタマだ誰が!!」



・・・我ながら子供だなぁとは思ったが、結局口喧嘩になってしまった・・・

その時ハッと思い出したように、クロウが動きを止めファレルに向き直る。




「そういえばてめぇ・・・あの洞窟から出て以来、なんか白いのがくっついてたぞ?」


「え・・・」



そう言われてファレルは自分の体を見回す。

しかし、特に何かがいるわけではない。



俺は少し考えて、答える。



「お前の力は、霊力に近い。相手を浄化する力、それは光属性にあたる。

 そしてあの渓谷全体に張ってあった結界は魔力を()()()()()()。お前が核を壊したことで、それが流れ込んだんだろうな。」


「へぇ・・・要は力が増したってことでいいんですかね?」


「まぁ同じ属性の力を吸収してるんだからそういうことだな。いずれ戦闘の時分かるんじゃないか?」


「・・・そういうものですか・・・」



ファレルは自分の手を見ながら黙ってしまった。

悪い物じゃないから、体は大丈夫なんだけど・・・



その時、渓谷の戦闘からずっと俺の中にいたレッカがそのまま中から語りかけてきた。



『・・・あの渓谷は天に近かった。だからかな?()()()()()()()()()()。』



『あぁ・・・そうだな。』




核の中にあったのは、どうやら聖なる力だけではなかったようだ。

いずれまた、()()()()()()()()()()()()・・・






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