5話 買い物途中のゴタゴタ
キャラ紹介をするといったな。あれは、嘘だ。
特にグロ描写があります。
シュウは、別れたあと近くの市場にきていた。
「えっと…野菜はあって肉や魚もあって。あれ?何買えばいいんだろう。もう、いい食材があれば買うことにしよう。」
と呟きながら歩いていた。
「よっしゃー。」とか「ありがとうございます!」とかいう声が騒がしく響いていた。
ふと、ある商店に目をむけるとじゃがいもが売られていた。
「おっ。いい掘り出し物じゃん。缶詰にして保存食にするにはもってこいだ。」
と、そこへ歩いて行って
「おっさん、そこの芋を売ってくれないか。」
「へいへい。どれくらいですか?」
「う~ん。」
手に取りながら少し考えて、
「これとこれとあれとそれとこれで。」
「はい。かしこまり。お勘定は銅貨3枚です。」
「はい。これで。」
「おや、珍しいですね。現金を払えるなんて。」
「?」
店主がそう言ったのには理由がある。
ここらへんは、現金および現金をもっているやつが少ないのである。戦争で、多種多様な金属が使われたために戦争からしばらくたった今でもあまり数がない。兵士の死体から、回収しようにもなぜかそういった類のものが盗られていた。おそらく、そういうものを盗んで金を稼ごうとしたシュウがいたのだろうとされている。だから、即決で決まるような行商人や王族や貴族ぐらいしかたくさん持っていない。おかげで、だいたいの取引が紙で行われている。
「まぁ。一応、冒険者志望ですから。」
という、わけのわからない返事を返していたが
「なるほど。」
と店主は、納得したようだ。
「ありがとう」
と礼を言ってから、二人は別れた。
また、シュウは周りを見ながら歩いていた。
すると、
「あの、現金をわけてもらえませんか?」
「はい?」
いきなり、男二人のグループにからまれた。
近くの野次馬は、
「うわ。あいつここらで有名なやつらにからまれてる」
「あんな子供が。」
「可哀そうに。」
という、ことをささやいている。
「うちの、兄貴が金を貸せと言ってるんだ。もちろん貸してくれるんだろ。」
「はっ!なぜです?話はそれからだ。」
「じつは、両親が病気で。医者を呼ぶには、紙取引ではなく現金がいるもんで。」
「あっそう。ぼくには関係ないことだ。じゃあ。」
「おい。てめぇふざけてるな!?」
「まぁまぁ。うちの弟は血の気が多くてね。この前は、眼球を片方取り出してたりしてたなw。」
「へぇ~。で?」
「”で”とはなんだ。」
「いやー…だって、たとえ僕が眼球を取り出されても困ることないし。」
「そうかそうか。それが答えということか。」
「兄貴、もう行っちゃってますよ。」
「てめぇら、もう殺して現金を奪い取れ!」
『へ~い』
シュウは、もう相手の話を聞かずに歩いていた。
物陰から、さっと13人ほどの人がでてきて彼を囲んだ。
「はぁ~。これからどうすれば…」
「今更、後悔してもおそいぞ!」
「面白くなるかな。即やるのはダメで、もう適当にやろう。」
シュウはこんなトラブルに巻き込まれていても平常だった。というか、”しゃべっているんだったら早くかかってこいと”内心思っているが。
「何をぶつぶつと。余計に腹が立つな。許しを乞えばまだ考えたが、野郎ども!やっぱり殺せ!いや死んだ方がましと思わせる拷問をやってやれ。」
「やっとか。」
と呟きながら、シュウは構えた。
1人の前に、魔法陣が現れた。そこから、激流ともいえる大量の水がシュウに向かって噴き出してきた。
「すっげ。わざわざ水でやるなんて。これぐらいなら汚れ取れそうだな。」
と言いながら虚空からさっき買ったじゃがいもをとりだした。
そして、水がぶつかった。
「はっ。恐怖で足がすくんだか。」
魔法で生み出した物体は、特殊ではないかぎりその魔法を解除すると消える。
魔法が解除され水が消えて視界が通っても、彼は無傷で濡れもせず立っていた。
「おっ。落ちた。透過の魔法便利だな。これ使えば、風呂入らなくてもいいかも。でも、匂いはついたままか。」
「なぜ、濡れていない!?」
いくら、魔法で物体を生み出したとはいってもその物体は存在していて、おこなった現象は残る。なのに全くといっていいほどに、彼や彼の持っているものは濡れていなかった。
「落としたからね。」
「なら、炎で全身やけどにしてやる。」
と、今度は別の男が赤い魔法陣を展開。そして、技を発動しようとやったときにはシュウは近くにいて魔法陣に触れていた。
「炎は、嫌いなんだよね。色々燃えるし。」
「魔法陣が消えた!?」
魔法を消すのは、消去系の魔法を使えれば簡単にできる。
ただ…
「ほう。魔法を消せる程度の力量はもっているようだな。しかし、消す魔法は相当なデメリットがあるはずだ。おそらく、発動前から発動途中の魔法陣に触れないと消せないだろう。なら… てめぇら本気で殺ってやれ!」
と、リーダー格の実行犯が言い全員が身体強化系の魔法を使ってシュウに向かっていった。また、一部のやつらは、短剣やナイフと呼ばれるであろう刃物をもっている。
「てめぇ、指先で触れてたな。じゃあ、その先斬ったらどうなるんだろうな?」
「さぁ、血が出るかもね。」
とびかう、人とのぶつかりあいでナイフには血がついていて地面に少しづつ血が垂れていた。
シュウの右手、手首から先がなくなっていた。
「どうだい?手を切られた気分は。」
「別に どうでも。感情が乏しいとはよく言われていたけど。」
「何を生意気い…」
「これから、これを上に投げる。そして、落ちてきたときにはあんたらはもう戦えなくなるだろう。」
と言い、シュウは自分の一部であった右手を空へ投げた。
「狂ってやがる。」
とだいたいの見ていた人は、思ったりつぶやいたりしたがそれもあまり意味のないことだった。
そこで、シュウの輪郭がぶれた。ように見えた。
「さて、一応ダメージを与えたよ。外傷はないけど。動けないよね。」
ほんの一瞬だった。実際、攻撃されたであろう当人たちも何が起こったのか分からないでいた。なぜなら、速かった。
気づいたら倒れていた。そんな感じでシュウを見詰めていた。
「どうやって?」
「言う必要はないからね。現金が必要なんでしょ。」
そこで、投げた右手が落ちてきた。左手で右手をとったところで、すでに多量の血が出ている傷口と右手であったものから、黒い煙のようなものがでてきて血がでることはなくなった。そして、まるで引き寄せられるようにして、右手と手首がつながった。それには、斬られたような面影はなく戦う前の状態に戻っていた。
シュウは、無詠唱である魔法を使いインゴットと呼ばれるであろう金や銀をとりだした。しかも、大量に。リーダー格の男の目の前にそれらを投げた。
「それでお互い言いっこなしということで。十分もすれば痛みはなくなって動けるようになるはずだ。」
と言い残し去っていった。
~*~*~*~
シュウが、賊を倒してからすぐに……
「どうした?」
と、兵士いや今は騎士団と呼ばれる領主に仕える取り締まりを行う者たちがきて、近隣の住民に話を聴こうと質問した。
「ここらで、有名な賊がある少年にからみまして。結果、返り討ちになったといいますか。」
と、近くの男性が返事をした。それについてはとくに言及せず、新たな疑問がでた。
「ほう。この血は…おい、誰かけがを負っているものをみつけたらただちに報告して治療を行え!」
という、もっともな命令を部下にだした。
「こっちは、賊のほうをやっておく。」
部下はうなずいて、情報収集もかねた聞き込みに散らばっていった。
「さて、お前らは最近ここで一般人への脅迫したり拷問したりしているやつらか?」
小隊長の、質問に対しリーダー格の男はうなずいた。
「あれは、脅して奪ったものか?」
シュウが落とした金属を指しながら訊くが、これには首を横にふった。
「なぜ、返事をしない?」
「デ、キ、ナ、イ。あいつ、俺たち おそらく 魔法 かけて さった。さっきから 痛み ずっと 残ってる。」
なんとも、聞きにくい感じで話す。
そこで、部下の一人が、小隊長に報告をした。
「まず、住民に負傷者はいません。しかし、襲われた少年が敵の攻撃で右手を斬られたそうです。」
「それは、真っ二つにか?」
「はい。みていた人間が全員そう言っています。」
「では、この血はそいつのもので間違いないか。すぐにみつけて治療を施せ!」
「いや。そのことなんですが…手を斬られてあと、少年はその手を空へ投げて”これが落ちてきたときにはあんたらは、戦えなくなるだろう。”なる発言をしたそうです。その後は、襲ったほうが倒れて落ちてきた少年の手はくっつき金属を置いて去っていったそうです。」
「それは、本当に真実か?」
「だいたいの人間がそう証言していることからまず間違いはないでしょう。」
ここで、わずかな沈黙が起こった。
小隊長は、一旦少年ではなく賊のほうから調べることに決めたようである。
「リクとケイは俺と組んで、こいつらとこの金属に関係するものを調べる。他のものは、少年の容姿を調べて探してくれ。」
「了解!」
「さて、まずはこいつらを本部へ届けて金属を研究所へ持っていく。」
終わりかたが、変になった。
描写があると言ったが、僕の語彙力ではこうなっただけということしか書けませんでした。そういうものが好きな方、すまぬ。