4話 部屋決めと実力
シュウは、メイと別れたあとすぐにみんなのところへ行った。
みんなは、階段の踊り場で話をしているようだ。
「で、部屋は決まった?」
上りながら訊くシュウ。
「シュウさん。はい、決めました。でも…」
と、カイが返事をしたが一部決まっていないようだ。
「呼び捨てでいいよ。僕も呼び捨てで呼ぶからさ。何か困ったことでも?」
「実は、二人で同じ部屋でもいいかなっていう話が女子からあって。」
『私たち、一緒の部屋ではだめですか?』
サキとミホからあがったらしい。
「分かった。どこの部屋くっつければいいの?」
『えっ!?本当にできるんですか?』
「できなかったら、さっきあんなこと言わないよ。どこの部屋?」
「えっと…女子が一階男子の部屋は二階になったので、適当に見繕ってもらえれば。」
「へ~い。それじゃあ、今すぐやっちゃおうか。」
『今すぐ!?』
みんなが驚いているのを気にせずに、シュウはてくてく歩いて入り口から3つ目の部屋に入った。
「一応この部屋をつなげて、壁をとったけど。内装は変えてないけどね。」
扉も位置が変わって、中央に1つになった。
「他に、一緒の部屋がいい人はいる?」
みんな、驚いてるところでさらに追い打ちをかけるような質問。
意外にも、リンとハクが返事をしていじった部屋のとなりのとなりを希望した。
「さ~て終わった。男子はどうする?」
「別がいいです。」
「別でいいです。」
という、返事があって部屋の改造は終わった。
「あー、ここの家賃月に銀貨2枚現金で払ってね。あと、管理者はメイさんになったから。ここの設備とか
は僕にきいてもいいけど、管理のことはメイさんにきいてね。」
『了解!』
『了解です。』
「分かりました。」
という、各人各様の反応を示した。
カイとシンは何かうずうずしている。
「シュウ、訓練場てきなやつありますか?」
「あーあるよ。」
「場所はどこですか?」
「冒険者志望なんだから自分で探して。多分、庭にあるから。そこで、模擬戦やるんだったらぼくも混ぜてね。」」
「それじゃあ、すぐに行こうか。シン。」
「武器は?」
「結構おいてあったと思うからいらないと思うよ。使い慣れたやつがいいなら持ってきたほうがいいかも。」
「だってさ。すぐ行こう。」
「僕は、ついていきたいんだけど…。他はどうする?」
「私は、部屋の中探検するね。」
「私もついていくよ。」
リンとハクは、建物を探検。
「私も、行っていい?」
意外にも、獣人のアンが訊いて二人は即、
『もちろん。』
と返した。
『私たちは、部屋の整理を…くっついたし。』
「それじゃあ…」
シュウは、収納魔法から魔道具をだして
「何か困ったら、このブローチを使えばこれを持っている誰とでも疑似的な会話ができるよ。なんかあったら、これで連絡してね。まあここらへんで使う分には問題ないと思うから。」
無自覚に、ありえない魔法を使っているのだがここいるのはそんな魔法は存在すると知っているドラゴンと魔法について知らない。冒険者志望の少年だけだったので誰も気に留めなかった。
~*~*~*~
5人と別れたあと、途中敷地でいろいろあったが、男子組は無事に訓練場で戦っていた。
「剣上手いねー二人とも。」
『いや、なんで勝てないの?なんで、使い慣れてるからって木刀で鉄の剣が斬れるの?』
「さぁ?ぼくみたいな暮らしをしていれば誰でもできると思うけど。」
「一体どんな暮らしをしてきたっていうんだよ。」
という、当たり前のコメントをしたシン。
カイは、おなかをおさえて
「あー。腹減った。」
と言い、
「何を食いたいの?」
リクエストを訊き、
『肉!』
という二人の返事があって、虚空から串焼きをだしたシュウ。
「へ~い。これ、昔つくった粗末なもんだけど。」
「うわー!すごいいい匂いがする。」
「これで、粗末とか…」
「まぁ食べてみてよ。」
という、これ絶対美味いだろというフラグを建てたあと一口食べて
「やばい、これうますぎる。はっ!?」
近くで、女子どもがものほしそうに見ていた。
「女子には、ケーキとか甘いものがいい?」
『やった!』
いきのあった反応を示し、降りてきてせかす。
「もう。そんな押さないで。こぼれちゃうでしょ。」
と言いながら、収納魔法から紅茶とクッキーやケーキといったスイーツを出すシュウ。
紅茶は、湯気をたてながらカップに注がれ、訓練場は甘い匂いに包まれた。
~*~*~*~
休憩が終わって今度は、魔法をみんなでみていた。
一通りみんなが使える魔法を見せ終わった後シュウは何者なんだろう?という疑問が女子にも広がっていた。
「なんで、そんなに強いの?」
シュウは、このアンの質問に対し
「僕と同じように戦場で生活すれば、誰でも覚えられると思うけど。」
『えっ?あの戦争の生き残り!?』
みんなが、驚いたのはもともと他の島や地域からきたやつらが多いからである。というか、戦争で生き残っているのは一部のギルドメンバーや王族のやつらか、もしくは単純に生存能力が高い亜人系の種族ぐらいである。
戦争の原因は、それぞれの国の王がさらなる力をもとめて起こしたものであり戦争後王族は、戦争で失った人々を他の島から呼び寄せ、国をまとめて1つにし複数の王で統治を行うという策をとった。おかげでだいたいの職人や兵士は、国外からきた者が大半を占めている。
聞くところにところによると、リンとハクとアンを除いた他のやつらは戦争後国外からきたらしい。
「シュウさん、私とも戦ってくれませんか?」
「訓練と言う意味合いなら喜んで、アン。」
という、突如訓練という名目の闘いが始まった。
「ルールは?」
「武器及び魔法を自由に使いまいったと言わせるかそれなりのダメージを与える。殺すのはなし。でどう?」
「了解。」
~*~*~*~
アンは、片手剣と盾をとった。シュウは、相変わらず木刀を選ぶ。
「アンは、防御寄りの剣使いといったところかな?」
「否定はしません。」
「あっそ。それじゃあ…」
と言った瞬間、シュウはアンの真後ろにいた。アンがきづいて振り向こうとしたが、それはできなかった。なぜなら、手を首にあてられていたからだ。
「はぁ~。やっぱ盾をするまえにやるのが最善だね。」
「…」
「なんてね。」
アンは、黙ったがべつに手が動くことはなかった。
「まいった。」
その場にいる全員が?という目でシュウをみたが気にせずにシュウは、
「やるわけないじゃん。やっぱ面白くないなー。」
「はっ?今のは私の負けな気がするんだけど。」
「いいや。だって僕攻撃を当てていないからね。まいったと言った僕の負けだよ。」
『あ。』
そう。シュウは、アンに対し後ろに行き手刀を見せただけなのである。
そして、シュウは何かを思い出したような顔をして
「そういえば。注意事項的なやつ言ってなかったね。えーと…ここにある施設は、みんな勝手に使っていし、門限は特になくて、あとは食事の時間とか決めてその通りにしてくれればいいよ。あとは…何かあるかな?まぁその都度追加していく形で。」
こう言った。
「それじゃあ、僕は買い出しに行くから。また、あとで。」
そして、訓練場から出て行った。
おくれてしまって申し訳ない。
夏休み前のゴタゴタで。
次回は、キャラ紹介や強さ、個人的なイメージを書いていくかもしれません。