#088 電撃
東京本部、作戦司令室……
「宇土!宮島部隊が到着したらしいよ」
そう言ったのは宇土の同期の米田だった。
今回起きた新宿総合病院発生事件では宇土司令隊が全体の指示を出していた。本来、中規模作戦なら芝司令隊の担当なのだ。しかし、芝司令隊は他の作戦の為出来ないので代わりに宇土司令隊がやっていた。
「宮島部隊が到着したならこの作戦も成功するだろう……」
「だけど九条を含む二名と、民間人四名が負傷だって」
「そうか……」
宇土はそう言うと立ち上がった。そして近くの棚から一冊のファイルを取り出した。そしてそのファイルを開くと一枚の紙が目に飛び込んできた。
「なんだこれは?」
宇土はそう言うとその紙をファイルから取り出した。
「なに見てるの?」
宇土が紙を見ていると、米田が覗き込んできた。なので宇土は仕方なくその紙を米田に渡した。
「どうやら本部長は今までに無いほどの襲撃があることを知っているようだ……」
宇土はそう言うと指揮権を副司令長の堤に任せて、部屋から出ていってしまった……
「今までに無いほどの襲撃って……」
米田はそう言うと宇土に渡された紙を読み始めた。その紙にはこう書かれてあった……
「 潜入捜査報告書
9月8日、エース達による本部襲撃が行われる。今回はこちらに予告はせずに不意討ちをする。
今回の襲撃はXが指揮をする。このXについては現在も捜査中
伊中俊 」
と書いてあった
「確か8日って……」
米田はそう言うと何かがあったような気がして考え始めた。すると近くにいた堤がこう言った。
「8日は宗と倉科がロチェスター支部に行く日だよ。そして、それと同時に東京美術館に外国から有名な絵がくるらしいから、その絵を目的にくる人を防衛するために何班かでる日」
「その日を狙ったのか……」
この時、米田はとても驚いた。と、言っても驚いた理由は本部の戦力が落ち、なおかつ数班が本部にいない日に襲撃するから…… というわけではない。驚いた理由は、東京攻防戦後から厳しくなったスパイ狩りに引っ掛からず、本部の情報を盗んでいるスパイにだった。前まではスパイ何てもう居ないだろうと思っていた米田も、これを見て内部にスパイがいるとしか考えられなかった……
新宿総合病院、6階……
「土井は俺と、他は左から回ってくれ」
宮島はそう言うと階段を登ると右に行ってしまった。
現在、新宿総合病院は都内を回っていた宮島部隊の到着により予想より早く物事が進んでいた。第一部隊は他とは違う所がある。それは他の部隊とは違って、若手の育成を目的としていない。その代わりに数々の大規模作戦で活躍してきたエリート対策官を集めて、第一部隊をつくっている。なので第一部隊は全員が普通の対策官以上の事が出来るのだ。
ドンッ!
突然そんな音がすると宮島の足下に真っ黒になったゾンビが倒れた。宮島はゾンビを倒すとまるで何も無かったかのように歩き始めた。
「電撃棒強すぎ……」
土井は自然と言ってしまった。しかし、そう言うのも普通かもしれない。何故なら宮島の持つ電撃棒は例えゾンビに触れなくても高圧電流によって倒すことの出来る武器だ。しかし、この武器にも短所があった。それは充電式なので流す電流を最大にすると三回までしか使えないという事だった。それに上手く使わないと自分が感電死してしまうリスクもあった。しかし、それ故に効果も大きく、最大電流を当てると一瞬のうちに黒焦げにすることが可能なのだ。なので宮島はこの武器を使っていた。
「残念だけどまだゾンビがいるようだ……」
宮島は突然そう言うと足が止まった。土井は突然何だろうと思い、足を止めた。
「何かあるのですか?」
土井がそう聞くと宮島は床を懐中電灯で照らした。すると、さっきまでは暗くてよく見えなかった床が赤色に見えた……
「なんですか?これは?」
土井はそう言うと宮島の照らしている所に近付いた。そして見てみるとそれは液体だった。
「こっちに延びている……」
宮島はそう言うと血がこぼれている方へと歩き始めた。その血は遠くまで続くと思いきや、すぐ近くの病室に繋がっていた。が、その病室は扉がしまっていて中が見えなかった。
「入るぞ」
「了解です」
土井はそう言うと拳銃を取り出した。そして扉に拳銃を向けた。
「いくよ」
宮島はそう言うと扉に手をかけた。そして思いっきり扉を開けた…… しかし見るかぎり中には何も見えなかった。なので宮島はさっきしまった懐中電灯を取り出し、中に入った。すると扉からは見えなかったベットの横に何かがいるのが見えた。しかもそのベットの近くは血だらけだった……
「コイツか……」
宮島はそう言うと剣を抜いた。そしてそのゾンビの首を剣で切り取った……
宮島有都
特別ゾンビ対策官
武器……電撃棒
剣
緊急防御箱
拳銃




