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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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#087 担架

東京都、新宿総合病院、地下……


「そろそろいいだろ」


中島はそう言うと鉄パイプをエースに渡した。そして、その鉄パイプで中島の頭を叩くよう言った。しかしボスの指示といえど、エースはすぐには出来なかった。そして中島が催促するとようやくエースは鉄パイプを降り下ろした。すると中島は倒れてしまった……


「すみません……」


エースはそう言うと、中島を殴った鉄パイプを投げ捨てた。そしてエースは一階の床裏に消えていった……



バンッ!


エースが消えてからすぐの事だった。突然扉が開くと部屋の中に林班が入ってきた。


「なんだこの部屋は?」


林はそう言いながら部屋の奥へと進んだ。


「多分電気関係を扱う部屋だと思いますよ。色々と凄そうな奴もありますので……」


小牧はそう言うと色々な方向に延びているコードを照らした。それは何色ものコードが絡み合っていた。すると小牧が照らした所に剣が落ちているのが見えた。


「誰のだろう?これは?」


小牧と一緒に見ていた冨沢はその剣を取ろうと近付いた。するとその剣の近くに人が倒れているのが分かった。


「林!こっちに人が倒れてる!」


冨沢はそう言うとすぐに近付いた。そして懐中電灯を口に加えるとその人を見た。すると倒れているのが九条だと分かった。


「んー!」


冨沢は懐中電灯を口に加えている為、それしか言えなかったが小牧はすぐにその部屋から出ていった。どうやら冨沢は救護班を呼べと言っていたみたいだ……


「どんな感じですか?」


突然冨沢はそう聞かれた。しかし声ですぐに林班の人じゃないと分かり前を向いた。するとそこには頭から血を流している男性が立っていた。


「君は……」


冨沢がそう言うとその男性は手帳を見せてこう言った。


「三宅歩武、ゾンビ対策士長です」


三宅はそう言うと対策手帳をしまった。三宅は流血しているものの自分の力で立っていた。しかし、朦朧としていた。


「中鈴!三宅を外に!中にいるには危険だ」


「分かりました」


中鈴はそう言うと林の指示通り三宅を病院の外に連れ出した。これで三宅は大丈夫だろう。しかし問題は九条だった。完全に意識を失っており林にはどうすればいいか分からなかった……



バンッ!


突然林達のいる部屋の扉が開いた。すると中に二人入ってきた。


「冨沢三佐、動かさないでください。脳にダメージがいくので」


その男性はそう言いながら林に近付いた。林はその男性に近付くと誰か分かった。


「藁谷医療系詳しいのか?」


林が藁谷にそう聞いた。


「はい。父が医者なので簡単な事は子供の頃から死ぬほど聴かされてきているので……」


藁谷がそう言うと再びドアが開く音がした。すると今度は担架を持った土井がいた。土井は素早く担架を九条の横に置いた。


「冨沢三佐、担架に乗せるのを手伝ってください。先に言っておきますけど慎重に頼みますよ」


冨沢は拒否できるわけもなく藁谷の指示通り手伝った。結局担架で運ぶのは力のある林も巻き添えになったが……



「小牧、この部屋から出るよ」


藁谷はそう言うと部屋から出ようとした。それを聞いた小牧も部屋から出ようと、出口に向かったが床にあったコードに足を引っかけてしまい、転倒してしまった。


「大丈夫?」


土井はそう言うと手を差し出した。小牧は土井の助けを借りて立ち上がった。


「小牧、どうしたの?顔に血がついてるよ」


藁谷にそう言われると小牧は顔を触った。すると顔に水とは違った液体がついているのに気がついた。


「まさか……」


藁谷はそう言うと小牧の倒れた所を懐中電灯で照らした。するとそこには血液が水溜まりのようになっていた。そしてその水溜まりの奥に髪の毛が見えた……


「まだいたのか」


藁谷はそう言うと、その倒れている人に近付いた。するとその人は対策官ではなく、この病院の入院中の人だと姿で分かった。


「おぶっていくしかないな……」


藁谷はそう言うと、自分の武器を土井に渡した。そしてその人を背負った。


「行くよ」


藁谷はそう言うと部屋から出ていった。小牧は床にある血を踏まないように部屋から出ていった……



新宿総合病院、2階……


この病院の2階ではいまだに川中の部下の成田と鵜飼が九条と三宅を捜していた。どうやら川中は1階の捜査をしている為、手が回らず連絡が来なかったのだ。


「あとこの部屋だけですね」


鵜飼はそう言うと病室の扉を開けた。すると中から勢いよくゾンビが飛び出してきた。今まで2階の病室を全て開けてきたが、一度もゾンビが出てこなかったので鵜飼は完全に油断していた。なのでゾンビが飛び出してきたのを見るとビックリして倒れてしまった。


「鵜飼、少しずれて!」


鵜飼と一緒にいた成田がそう言うと拳銃をゾンビに向けた。しかし、今の位置だと少しでもずれると鵜飼に当たってしまう。成田がそう考え、躊躇しているとそのゾンビは鵜飼に向かって飛びつこうとした。


バッ!


ゾンビは鵜飼に触れる前に首に剣が刺さった。


「え?」


鵜飼はその剣が飛んできた方向を見た。するとそこには宮島が立っていた。


「宮島特官?」


宮島は無言でゾンビの首に刺さっている剣を取った。そして何も言わずに階段へと行ってしまった……


「なんで宮島特官がここに?」


鵜飼はそう思いながら立ち上がった。しかし今思うと危ない所だった。もし、宮島が剣を投げていなかったら鵜飼は死んでいたかも知れない……



藁谷夏結わらがいなゆ


准ゾンビ対策官


武器……サーベル

フォールディングナイフ

拳銃

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