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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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#086 停電

東京都、新宿総合病院……


「なんだこれは?」


九条は病院を見るとついそう言ってしまった。その病院は中にいた人が一斉に外に出てきているため、出入り口が人で溢れかえっていた。


「中に入るよ。早くしないと手におえないことになるから……」


九条はそう言うと病院の入り口に突っ込んで行った。そして人に押されながら中に入ると、そこは色々な物が倒れたり落ちたりしていてぐちゃぐちゃになっていた。


「一階の全ての部屋を見ていって!仁宇谷はここで待機」


「了解です」


部下達はそう答えるとバラバラに散らばった。そして受付中の中や院長室などを回った。しかし、どこにもゾンビはいなかった……



バチッ!


突然そんな音がすると病院内の電気が消えた。


「班長!一階にはいません!」


三宅はそう言いながら九条の所にやって来た。しかし、九条は病院の案内板を懐中電灯で照らしているだけで反応しなかった。


「班長!どうしますか?」


三宅がそう言うとようやく九条は部下達を見て、こう言った。


「とりあえず本部からの応援がくるまで外にゾンビを出さないようにする。正面に仁宇谷と中市、救急の方に和智が行って!三宅はついてきて」


九条はそう指示すると走り始めた。三宅はそんな九条を追いかけた。すると九条は階段で止まった。


「どうしたのですか?」


三宅がそう聞くと九条は階段を下りた。するとその先には扉があった……


「ここが病院の電気関係を扱っている部屋だ。停電の理由はここしかない……」


九条はそう言うとその扉を開けた。そして中を懐中電灯で照らしながら慎重に進んだ。すると発電機らしきものを見付けた。


「これは発電機なのか?だけどなんで動いてない……」


ドガッ!


そんな鈍い音がすると九条は頭から血を流して倒れてしまった。その九条が殴られる所を見ていた三宅はすぐに懐中電灯を放り捨てた。


「これでこっちの位置はバレていないはず……」


三宅がボゾっと言った瞬間だった。突然背後に人気を感じた。なのですぐに後ろを向こうとしたが、先に鉄パイプが当たった……


「なんで……」


三宅はそう言うと床に倒れてしまった。すると誰かが三宅の懐中電灯を持ち上げた。


「残念だったな。まだパーティーを終らせる訳にはいかないんだ……」


そう言ったのは中島だった。そしてその後ろにはエースがいた。




それから15分後…… 最初に到着したのは川中班だった。川中は車を病院の前に止めると外に出た。


「電気ついてないのか……」


川中はそう言いながら一人で病院の中に入った。すると入ってすぐの所に九条の部下がいた……


「今どうなってるんだ?」


川中がそう聞くと仁宇谷が中市の顔を見てからこう言った。


「それが分からないのです。病院の出入り口に待機させて三宅対士長とどこかに行ってしまって……」


仁宇谷がそう言うと川中は懐中電灯を取り出した。そして後ろにいる班員にこう言った。


「ナとウは二階を、スとカは一階で九条と三宅を捜せ!」


川中がそう言うと成田と鵜飼は階段へ、須永と萱野は別かれて一階を捜査し始めた……


「君達も二階に行ってくれないか?」


「分かりました」


川中にそう指示されると仁宇谷と中市は階段へと走った……



ガチャンッ!


病院の扉が開いた。そして中に笛中班が入ってきた。


「川中一佐、今どうなってますか?」


笛中はそう言うと懐中電灯を取り出した。病院の中は何故か真っ暗で色々な物が散らかっていた。散らかっているのは逃げる時になってしまったとして、何故電気が付いていないのか理由が分からなかった……


「一階と二階は今調べてる。それと九条とその部下一名が行方不明になってる」


笛中はそう聞くと歩きながらこう言った。


「自分の班は最上階の7階に行きますね」


笛中はそう言うと部下を連れて階段を上っていった。しかし、川中は何もせずにずっと立っているわけにもいかない。なので川中は一階を捜査し始めた。すると地下行く階段があるのを見付けた。


「ここに沢山いるような気が…… 一人じゃ無理だな」


川中は階段を下りた先にあった扉に耳を当ててそう言った。そして突破は無理だと思い、引き返した……




九条汐香くじょうゆうか


准ゾンビ対策官


武器……ショートソード

短剣×2

拳銃


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