#085 盗難
ゾンビ殲滅局東京本部、対策5研究室……
「あれ?ない……」
蒔村はそう言いながら研究室にある戸棚をいくつも開いた。しかし、それでもまだ何かを探していた。
「どうした?何かなくしたのか?」
そんな蒔村の所に上司の城山がそう言った。すると蒔村は作業を一回止めてこう言った。
「ゾンビ菌の入った瓶使いましたか?どこを探してもないので……」
この蒔村の研究室には小橋班と林班が見付けたゾンビ菌が入っている瓶が保存されていた。しかし、そんな危険な瓶があるにも関わらず研究室の中には部外者でも簡単に入れてしまうようになっていた……
「あの瓶が盗まれていたら大変ですよ。人なんて軽くゾンビに変えられてしまいます!」
「分かった。その事は本部長に言ってくるからお前はもう一度探しておけ」
城山はそう言うと研究室から出ていった。城山が部屋から出てから蒔村は研究室の棚や机の中を探し始めた。しかし研究室にそれがあるはずがなかった……
新宿総合病院……
一人の男が「208 中島愁月」と書かれている病室の扉を開けた。中島は東京駅攻防戦でジャックにやられた傷が深かった為入院していたのだ。中島のいた村井班は自分以外全員がジャックによって殺されてしまったため、見舞いにくる人も少なかった。
「持ってきました。これであってますよね?」
その男はベッドの横にあるイスに座ると、アタッシュケースを開けた。すると中から緑色の液体の入った瓶を二本見せた。
「これだ。これ!奴等にこれを詳しく調べられると困るからな」
中島はそう言いながら瓶を手に取った。
「エース、これを受けとれ」
中島はそう言うとスマートフォンをエースに投げた。エースはそれをキャッチして、その画面を見るとそこには文字がズラっと並んでいた。
「これからの殲滅局の予定表だ。ちょうど殲滅局は三日後が多くの対策官が休む日だ。明日都内の駅にゾンビを放つ。用意をしておけ」
「了解です。ボス!」
エースはそう言うとスマートフォンを持って病室から出ていった。
「それよりいつになったら交代だっけな?政府も人使い荒いな」
中島はそう言うと瓶をアタッシュケースに入れ、それをベッドの下に押し込んだ……
次の日、
午前9時、対策2専用室……
「うぐぐ…… 頭が死んだ……」
冨沢はそう言うと机に顔を伏せた。それを近くで見ていた林はこう言った。
「お前が悪いんだろ。昼間から笛中一佐と酒なんか飲んでるから…… まぁ笛中一佐も酒にやられてるみたいだけど」
林はそう言うと笛中班の席を見た。そこでは笛中が冨沢と全く同じ状況に陥っていた。
「二日酔いって大変なんですね」
甘党の小牧がそう言うと林がすぐにこう言った。
「大変なのは俺達だぞ」
バンッ!
林がそう言った時だった。突然対策2の扉が開き、中に宇土が入ってきた。
「班長は全員第三会議室に集合!急げ!」
宇土はそう言うとドアを開けたまま部屋から出ていってしまった。
「冨沢を頼んだぞ」
林はそう言うと走って部屋から出ていってしまった。小牧はなんだろうと思いつつ、コーヒーを淹れはじめた……
ゾンビ殲滅東京本部、第三会議室……
その会議室には川中、神尾、林、染井、笛中がいた。と、いっても笛中は顔色が悪かった。すると、そんな所に宇土が大きな地図を持って会議室に入ってきた。そして地図を机の上に置いた。
「新宿駅近くにある新宿総合病院の一室からゾンビが出てきたそうだ。近くにいた九条班に対処に向かわせたが想像以上に凄いことになってるらしい」
宇土はそう言いながら地図に赤ペンでこの部屋にいる班長達の名前を書いた。
「今名前を書いた所に移動してくれ!倒し終わったら被害状況を送って!」
「了解」
班長達はそう言うと会議室から出た。そして部下のいる対策2専用室へと走った……
対策2専用室……
「全員武器を持って!新宿に行くよ!」
林はそう言ったものの冨沢は机に伏せたまま反応しなかった。
「冨沢三佐!起きてください!仕事ですよ」
小牧はそう言って起こそうとしたが結果は変わらなかった……
「自分、車出してきます!」
中鈴はそう言うと車の鍵を持って部屋から出ていった。
「そいつはもういい。俺達だけで行くぞ」
林はそう言うとロッカーの中から剣を取り出した。そして勢いよく扉を閉めた。そして小牧が用意出来たのを見ると部屋から出て外を目指して走り出した……
中鈴健也
ゾンビ対策士長
武器…… 槍
拳銃




