#082 昇格
午前七時
ゾンビ殲滅局東京本部、第一会議室……
この会議室には東京駅攻防戦に参加した班長や隊長、主司令や本部長が集まっていた。中には班長が攻防戦で殉職してしまった所は変わりに副班長が出ていた……
「今回の攻防戦での死者は十一名。負傷者は二十三名。負傷者の中には今いない水瀬二佐や倉科准官、有川特官も含まれています」
今回の攻防戦での主司令だった宇土はそう言うと席についた。
バンッ!
突然会議室の扉が開かれた。すると中に対策3の米田が入ってきた。米田は中に入ると一直線に宇土の所に行った。そして宇土の耳元で何かを話すと出ていってしまった……
「仲野さん。ちょっといいですか?」
宇土は隣に座っている仲野に小声でそう聞いた。すると仲野は早くやれとジャスチャーをされたので宇土は再び立ち上がり、こう言った。
「今入った情報で、北音寺班が行方不明のそうです……」
宇土はそう言うと隣に座っていた仲野がこう言った。
「どの班でも構わないから今から東京駅に行ってくれないか?」
仲野がそう言うと会議室は電灯の音が聞こえるほど静かになった。どの対策官も攻防戦のあとで疲れている。なので誰もやりたくないのだろう。するとそんな中一人の男性が立ち上がった……
「自分の班が行きます。いいですよね?」
そう言ったのは林だった。林は今回の東京駅攻防戦で部下を一人失った為、これ以上死者を増やしたくなかったのだ。
「林、頼んだよ。あそこはまだ残骸が残ってるから気を付けて……」
「分かりました。宇土司令」
林はそう言うと会議室から出ていった。そして走って部下のいる対策2専用室へと向かった……
東京本部対策2専用室……
「さてアイスアイスっと」
東京本部には一班に一つずつ小さい冷蔵庫がある。林班の冷蔵庫の中には冨沢用のアイスクリームが毎日入っていた。冨沢は一日に1本、年中アイスを食べる人間だったのだ。そんな冨沢の肩に手が置かれた……
「冨沢、残念だけどアイスは後だ。先に東京駅に行って北音寺班を探すよ」
林はそう言うとロッカーの中から火炎剣を取り出した。小牧も飲んでいたコーヒーを置いて槍を手に持った。
「冨沢はやく」
林が焦られると冨沢は渋々アイスを冷蔵庫にしまった。そして刀を持って部屋から出ようとした。
「林二佐、自分の班も行きます」
そう言ってきたのは伊東だった。伊東班は旧新庄班は攻防戦で班長の新庄が死亡。早乙女が骨折の疑いで病院に搬送された班だった。なので伊東班実質三人だけだった。そして林はもう一つ伊東に聞きたいことがあった。
「俺って二佐に上がったの?」
林がそう聞くと伊東は頷いた。東京駅攻防戦が終わってから対策官の整理のために昇格発表があったいうことは林も聞いていたが、それが張りだしされているのが本部長室の前だったのでめんどくさいと理由で見に行っていなかったのだ。
「因みに林二佐の班は全員一つずつ上がっていましたよ。小牧君については話題になってましたし……」
「そうか…… とりあえず下で待ってるから早く来てね」
林はそう言うと部屋から出ていった。それに続くように小牧達も出ていった。
「伊東三佐、準備出来ました」
そう言って来たのは新垣だった。新垣の後ろには槍を持っている中畑もいた。
「行こう。下で林二佐が待ってる」
伊東はそう言うと部下を連れて部屋から出ていった……
対策1専用室……
「イテテテテッ!」
そう言っているのは倉科だった。倉科は攻防戦の時に足を捻ってしまった為、宇土に報告会議に出なくていいと言われていた為会議に出ていなかったのだ。
「なんで無理して歩こうとするんですか?」
そう聞いたのは丹波だった。すると倉科はこう言った。
「それはどうでもいいんだけど、あなた攻防戦の時、いつ私達と合流したの?確か途中まで築井の変装だったよね?」
倉科が質問に答えずに、逆に丹波にそう聞いた。すると丹波は羽部の方を見ながらこう言った。
「作戦が始まる前に築井に捕まってトイレに閉じ込められていたんですよ。作戦が始まってからどうしようか考えてたら羽部がドアを壊して助けてくれたんですよ」
「へぇ~ 暁葉やるね。なんで分かったの?」
倉科がそう聞くと羽部は小さな声でこう言った。
「作戦が始まってから丹波じゃないと分かってた。それで作戦中に抜け出して助けた……」
羽部がそう答えると今度は丹波が質問にした。
「よく俺じゃないって分かったな。天才かよ」
丹波が冗談を混ぜてそう言うとあちらこちらで笑いが起きた。するとそんな中、羽部はこう言った。
「匂いで丹波じゃないと分かった……」
羽部がそう言うと、倉科はこう思ってしまった。普通人間を匂いで判断するのかと……
小牧英介
一等ゾンビ対策官
武器……槍
拳銃




