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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#081 平和?

東京駅、丸の内中央口作戦司令車……


「もう駅の中にゾンビ以外はいないみたいですね。エース達はどうやら逃げたみたいです」


そう言ったのは部下の油井だった。すると今度は米田が宇土にこう言った。


「新庄班が確保したトレイ、林班が捕まえたシンクはゾンビの襲撃時に逃げられた。すでに十人以上の死者を出しているのに、こっち(対策官)はジャックしか倒せていない。しかもそのジャックは既に死亡している。このまま帰ったら都民からなんと言われることやらか……」


米田はそう言うと立ち上がった。そして作戦司令車に取り付けられているモニターを見た


「とりあえず駅の中にいるゾンビと正面のゾンビを倒さなくては始まらない。だが正面は大丈夫なはずだ……」


宇土はそう言うと米田が見ているモニターに寄った。そのモニターには小牧が映っていた……




東京駅、丸の内中央口……


「小牧、右を頼むよ」


「了解」


藁谷にそう言われると小牧は右にいたゾンビを倒し始めた。いま小牧のいる場所は前線だが、比較的ゾンビのこない場所だった。なので小牧と藁谷の二人だけでも前線を守りきれた。


「各自散開、一気に殺れ」


宮島が部下達にそう言うとゾンビを倒しながら前へ進んだ



「小牧、ここからはバラバラになる。ヤバイと思ったら下がるんだよ」


藁谷はそう言うとゾンビの多い中央へと進んでいった


「小牧はここでいいからあとは任せて」


丹波が小牧の肩を叩くとそう言った。すると丹波は羽部と一緒に数少なくなったゾンビを倒していった。対策1の人間がゾンビをばっさばっさと倒していると次第に小牧の所までゾンビが来なくなった。暇になった小牧が中央の前線を見るとそこでは凄いことが起きていた。そこにはゾンビが十数体いてその回りから対策官が囲むようにして倒していたのだ。



「小牧!」


突然呼ばれると小牧は振り向いた。するとそこには冨沢がいた。


「下がるよ。あとは宮島部隊の仕事だ」


「はい」


冨沢にそう言われると小牧は前線から離れた。そして冨沢と一緒に林と中鈴のいる後方へと移動し始めた



「もう四時か…… 意外と時間経ってるな」


冨沢は腕時計で時間を確認するとそう言った。そして無事林と中鈴と合流した


「林!無事だったか」


そう言いながら林班の所に来たのは小橋だった。小橋の部下達は今回の大規模作戦に疲れたのか、いつもは無駄にうるさい星水も静かだった。


「林三佐に小橋三佐、作戦はどうなりました?」


突然林の背後からそんな声が聞こえた。なので林が後ろを向くとそこには血だらけの男性がいた。


「大丈夫なのか?」


「確か君は新庄班の伊東准官だよね?」


小橋がそう聞くと伊東は頷いた。しかし、林と小橋には何故伊東が血だらけなのか分からなかった。


「この血は自分のものではないので自分は大丈夫です」


伊東がそう言うと冨沢がこう聞いた


「じゃあその血は誰のなんだ?」


冨沢がそう聞くと伊東の後ろにいた中畑がその質問に答えた


「その血は新庄班長のものです」


林はそう聞くと新庄班に何が起きたのか大体が分かった。しかし冨沢は何が起きたのか分からず伊東にこう聞いてしまった


「じゃあ新庄二佐は……」


冨沢が全ていう前に林は冨沢の口を押さえた。しかしそれは既に遅かった


「新庄班長は死にました。トレイに殺られました」


伊東がそう言うと中畑は自然と下を向いた。するとそんな空気の所に担架に運ばれている水瀬がやって来た。水瀬は桜庭と七尾に運ばれていた……


「水瀬どうしたんだ?」


林が水瀬に近付くとそう聞いた。しかし水瀬は痛さのあまり答えられなかった。なので変わりに桜庭がこう言った。


「水瀬さん階段から落ちてからこんな感じなのでそっとしておいてあげてください。普段からこんな感じだと助かるのですがね」


桜庭はそう言うとゆっくり担架を下ろした。するとそんな水瀬の所に宇土がやって来た。


「正面のゾンビは倒し終わったし救急車呼ぶか……」


宇土はそう言うと後ろにいた屋島に救急車を呼ぶよう指示をした。


「多分あと少しで駅の中にいるやつも倒し終わる。それが終わったら撤収だ」


宇土はそう言うと作戦司令車に戻っていった……





それか三十分後、東京駅の中にいるゾンビも倒し終わったと判断され、少しずつ対策官の撤収が始まった。朝になれば東京駅は多くの人が行き交う。夜の間に人間とゾンビの戦いがあったとも知らずに……




午前六時、ゾンビ殲滅局東京本部屋上……


「藁谷准官、話とはなんでしょうか?」


屋上に座っている藁谷に小牧は近付き、藁谷の隣に座った。すると藁谷はこう言った。


「もしよければ第一部隊に入らない?宮島特官が小牧を本部が誇れる対策官にしたいと言うんだ」


藁谷にそう言われるた小牧は悩み始めた。確かに宮島部隊に入れるということは凄いということは知っている。しかし、自分が入ってもいいのだろうか?林や冨沢、中鈴、そして塚西のことを考えると答えは決まった。


「藁谷准官。すみません。僕はまだ林班に残っていろいろな事を知りたいので第一部隊にはいけません!」


藁谷はそれを聞くと小牧にこう言った。


「そうか。それなら宮島特官も分かってくれると思うよ。頑張ってね」


藁谷にそう言われると小牧はこう答えた。


「はい!」


小牧はそう言うと屋上から出ていった。まさかあの本部の誇る第一部隊から勧誘が来るとは思わなかった。しかし林班のメンバーとして働くほうが自分のためになる。僕はそう考える……




第一章 新人完結



第二章 弱体化 へ続く



ver5.0

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