#079 死
「何してるんですか!林三佐!」
そう言って林に近付いたのは倉科だった。すると林は倉科にこう言った。
「塚西のポケットから茶色い封筒を取り出してくれ!早く!」
林がそう言うと小牧は血を流して倒れている塚西に近付いた。
「塚西一等?」
小牧はそう言うとしゃがんで塚西のポケットから、林の言っていた茶色い封筒を取った。すると小牧の目に遺書と書かれた文字が見えた……
「撤退するぞ!ここにいたら俺達も死ぬぞ!」
林はそう言うと一階へと上がる階段の方へとゾンビを倒しながら進んでいった。
「でも塚西一等は……」
小牧がそう言った時だった。倉科が小牧の背中を押しながらこう言った。
「死にたくなければ早くいくよ!」
小牧は倉科に押されながら階段へと向かった。そして階段についてから塚西の方を見ると、そこはゾンビによって見えなくなっていた……
その後、小牧達は宮島部隊のいる丸の内中央口に移動することになった。今、丸の内中央口はエースと共に現れた奇種を倒す作業をしていた……
東京駅、丸の内中央口……
「皆行くよ!」
倉科はそう言うとゾンビの中に突っ込んでいった。そしてそれに続いて、倉科の部下達はゾンビを倒し始めた。
「宮島特官!倉科部隊と林班が来ました!」
宮島の近くでゾンビと相手をしていた土井がそう言った。すると宮島は冷静にこう言った。
「まだ油断するな。奇種は大量にいる」
「はい」
宮島は土井にそう言いながらゾンビを異常なペースで倒していった……
「前線で倒せなかったゾンビをこの班が倒す。少しでも宮島特官の負担を減らすぞ」
「了解!」
林はそう言うと宮島の所へと走って行ってしまった。すると冨沢が小牧にこう言った。
「小牧は向こうを頼むよ」
冨沢はそう言うと小牧の背中を押した。すると冨沢は反対方向へと行ってしまった。なので小牧は冨沢の言っていた場所へと移動した。
「そいつ頼む!」
バシュッ!
そんな音がするとゾンビの首を大釜が飛ばした。
「この二人は……」
小牧の行った所では、倉科部隊の丹波と羽部がゾンビを倒していた。なのでそうそうゾンビが小牧の所まで来ることはないだろう……
そう考えていた小牧に丹波が突然こう言った。
「小牧、手伝ってくれ。二人じゃさすがにきついから」
「分かりました」
丹波にそう言われると小牧は丹波と羽部のいる場所へと移動した。この二人がいる場所は前線のすぐ後ろで他の所よりもゾンビが比較的多く来る場所だった。
「小牧は右側を頼むよ」
「分かりました」
丹波にそう指示されると小牧はその場所に移動した。と、いってもいきなりゾンビがいるわけではない。何故なら、小牧達の前で戦っている藁谷と真中がほとんどのゾンビを倒しているためそこまで多くは来なかった。しかし、その二人でも倒せなかった時に此方にくるのだ。
バシュッ!
小牧は此方に来ていたゾンビの足に槍を突き刺した。するとそのゾンビの後ろから丹波が短剣でゾンビの首を削り取った……
「こんな感じか……」
小牧はボソッと言うとゾンビから槍を抜いた。
バキッ!
突然小牧の耳にそんな鈍い音が聞こえた。
「真中は後ろに下がれ。それじゃ無理だ」
そう言ったのは藁谷だった。そして真中は手に折れた槍を持っていた。
「分かりました……」
真中はそう言うと小牧達の所まで下がってきた。そしてそこにいた人達にこう言った。
「藁谷准官だけじゃ危ないから変わりに誰か行ってくれないか?」
真中がそう言うと丹波がこう言った。
「小牧が行ってこい。多分この中で一番の実力を持ってるのは小牧だろうし……」
丹波にそう言われると小牧は槍をしっかりと握りしめて、藁谷のいる前線へと向かった……
「大丈夫なの?」
丹波の後ろでゾンビを倒していた羽部がそう聞いてきた。すると丹波の変わりに真中がこう言った。
「確かに彼は今年入ったばかりだから心配な所はあるけど大丈夫だと思うよ。ああやってシンクを倒したんだから……」
真中はそう言うと槍を放り捨てた。そして変わりに拳銃を取り出した……
東京駅、丸の内地下中央口……
「私のせいだ…… 私があそこで殺していれば……」
新宮はそこでただ呆然と大量のゾンビを眺めていた。この場所はゾンビがくる前までは川中、神尾班が守っていた場所だった。しかし今はいないことからゾンビの量からして上に上がってしまったのだろう……
「この責任はちゃんと私が取る。たとえ死のうとも……」
新宮はそう言うとゆっくりと剣を抜いた。
「死ねゴミどもがー!」
新宮はそう言いながらゾンビの中に突っ込んでいった……
鵜飼瑞幹
准ゾンビ対策官
武器……レイピア
拳銃




