#078 大量
「くそッ!」
新宮はそう言うとエースを蹴ろうとした。が、エースは箱を置いたまま綺麗に一回転してかわした。
「このボタンはなんだ?」
新宮はエースからある程度距離をとるとそう聞いた。するとエースは隠すことなくこう言った。
「これは仕掛けを作動させる為のものだ」
「仕掛けだと?」
「君達対策官が東京駅に何かを仕掛けるのは分かっていたから、作戦が始まる前に全て作動しないようにさせてもらった。だが、それだけじゃ面白くないから天井とか倉庫とかにゾンビを積めておいたのさ。因みにこのボタンは、そのゾンビがいる所に設置されている爆弾を爆発させるもの……」
新宮らそう聞くと、まさかと思い東京駅を見た。しかし、爆発が小さかったせいか外見になんの変化もなかった。
「僕の仕事はこれで終わり。また会おうね」
エースはそう言うと剣をしまった。すると、そんなエースに新宮はこう言った。
「どうやって逃げる気だ?目の前に私がいるのに……」
新宮がそう言うと、エースの頭上から縄梯子がスルスルと下りてきた。エースがそれに足をかけると、その梯子はゆっくりと上がっていった……
「ヘリコプターか!」
新宮はそう言うと拳銃を取り出してヘリコプターに向けて発砲した。しかし、ヘリコプターは夜空に紛れていて、当たらなかった……
「クソ!駅の中がヤバイことになる」
新宮はそう言うと、ゾンビに斬りつけながら、作戦司令車のある丸の内中央口へと走っていった……
東京駅八重洲地下中央口……
「どこから出てきたんだこいつらは!」
冨沢はそう言うとゾンビの首を刀で切り落とした。
エースの仕掛けた罠は東京駅の至るところにあり、その内の一つが小牧のいるこの場所にあった。なので小さな爆発と共に天井に穴があき、そこからゾンビが山のように落ちてきたのだ。
「全員倉科のいる方へ移動だ!この人数で全て倒すのは無理だ!」
「分かった」
林がそう言うと冨沢や小牧は倉科部隊のいる場所へと向かった。しかし、そこへ行くまでの道はゾンビによって埋め尽くされており、倒しながら行かなくてはならなかった。
「林三佐!シンクが……」
「そいつは後だ!先に移動す……」
林は突然言うのを止めた。すると、すぐに林と話していた塚西の背中に何かが刺さった……
「え?」
塚西が何も出来ない内にゾンビは、塚西の首に噛み付いた。
「ちょっ?え?」
そして次の瞬間血があたりに飛び散った……
「中鈴!死にたくなければ行け!」
林はそう言うと火炎剣で塚西に噛みついているゾンビの首を斬った。しかし、塚西は首から血を流して、動かなかった。
「ちょっと、林三等はどうするんですか?」
中鈴がそう言うと林はこう言った。
「俺はここにいる。ゾンビに触れさせる訳には行かないからな!」
林はそう言うと塚西の周りにいるゾンビに斬りつけた。
「でも……」
「はやく!」
「分かりました……」
中鈴は倒れている塚西をチラッと見るとゾンビを倒しながら、冨沢と小牧の後を追い始めた……
東京駅、銀の鈴待ち合わせ場所……
「よいしょ!」
倉科は槍に付いている裏刃でゾンビの足を斬った。すると、そのゾンビの後ろから刀が振り下ろされた……
ぐちゃっ!
生々しい血と共にゾンビの首は床に転がり落ちた。
「冨沢さん!流石にもう撤退しないと……」
「まだだ。中鈴と林が来てない」
冨沢はゾンビに斬りつけながらそう言った。するとゾンビの集団の中から中鈴が倒しながら、こちらに来るのが見えた……
「冨沢准官!班長と塚西がまだ……」
中鈴がそう言うと、冨沢の横にいた倉科がこう言った。
「冨沢さんは私の部下と一緒に撤退してください。その二人の場所には私が行きますので……」
倉科はそう言うと中鈴が来た方向へと進もうとした。するとそんな倉科に冨沢はこう言った。
「一人じゃ危険だろ。せめて俺も行った方が……」
「いえ、やはり先輩じゃないと指示は任せられませんので……」
小牧はその会話を聞くと、二人にこう言った。
「僕が倉科准官と一緒に行きます。それで問題ありませんよね?」
小牧がそう言うと、倉科は冨沢を見てこう言った。
「小牧を借ります。部下を頼みますよ」
倉科はそう言うとゾンビを倒しながら林と塚西のいる場所へと強引に進んだ……
倉科が前を進む間、小牧は襲ってくるゾンビの相手をした。ここにいるゾンビは奇種ではないので、簡単に倒すことが出来た。
「見えた!あそこだ」
倉科はそう言うと小牧はその方向を見た。すると、そこでは林が火炎剣で戦っている姿が見えた……
陳内雅孝
准ゾンビ対策官
武器……剣
拳銃




