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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#076 事故

東京駅丸の内中央口近くに宇土司令隊の乗る作戦司令車が止まっていた。今回の東京駅作戦では、この作戦司令車に全ての情報が集まり、ここから指示を出す場所になっていた。そんな作戦司令車には今回の作戦の主司令の宇土がモニターとにらめっこをしていた……


「新庄班がいる所はもうゾンビはいないか……」


宇土は作戦司令車についているモニターで東京駅に付けられている監視カメラの映像を見ていた。普通、司令官と言うと忙しいイメージがあるが実際はそうではない。作戦が始まる前は確かに用意等で猫の手を借りたいほど忙しいが、作戦が始まってからは現場にいる対策官の情報を頼りに、どのように攻めるかを、作戦考案官と共に考えるのが役割だ。なので作戦中はそこまで忙しくないのだ。



ガチャッ!


突然作戦司令車の扉が開いた。それに気付いた宇土がその方向を見ると宮島がいた。


「新宮がこっちに戻って来たんだがどうする?アイツは自由でいいか?」


宇土は宮島にそう言われたものの、新宮を知らなかった。何故なら新宮が日本を出る時にはまだ神奈川支部で対策官として働いていたのだ。


「まぁいいんじゃない。自由で……」


「分かった。そう伝えておこう」


宇土にそう言われると宮島は出ていってしまった。宇土は宮島が作戦司令車から出ていった後も新宮の事が気になっていた。しかし、いくら余裕のある司令官でも今そんな事を探る時間はない。なので宇土は机にあったメモ用紙に「新宮」と書くと、再びモニターの前に戻った……




東京駅八重洲地下中央口……


「林、新宮っていう女の人誰なの?」


そう言ったのは冨沢だった。新宮が誰かについては冨沢以外も気になっていた。すると林は部下にこう説明した。



「今から6年前に新宮は入局した。多分その時、東京本部では一番強かったと思う」


「じゃあなんでどっか行ってたの?」


「最後まで聞け」


林は冨沢にそう言うと話を戻した。


「しかし、新宮が最強と言われたのは最初だけだった。何故なら新宮が入局した年には宮島も一緒に入ってきた時期だった。その年の中で一番大きな殲滅作戦で大量キルした宮島に最強というのが移ってしまった。その後は詳しく知らないけど、当時の本部長に頼んで実力をあげる為にオーストラリアに行ったんだとよ」


林がそう言い終わると塚西がこう言った。


「新宮って人、元からかなりの実力者だったんですね」


すると冨沢があることが頭に引っ掛かり、林に一つの質問をした。


「林って大学いったんでしょ?なら新宮の入局の時まだいないんじゃないの?」


冨沢がそう質問すると林は焦ることもなくこう答えた。


「簡単に説明すると新宮がオーストラリアにいるときにテレビ電話で会った的な?俺が宮島部隊にいるときそれで会話したことがあってさ」


「ふ~ん」


冨沢はそう言うと新宮に倒されたシンクの所へ行った。そこではシンクが完全にのびていた。


「新宮ってやつかなりの実力者のようだね。二人がかりで戦っていたのを一人で簡単に倒しちゃうなんて……」


冨沢がそう言うと林も倒れているシンクの所にやって来た。そして小牧にこう言った。


「小牧、シンクを向こうまで移動させるから手伝ってくれ。気を失ってるとはいえ何をするか分からないからな」


「了解です」


小牧はそう言うと林の所に移動した。そして林はシンクの上半身を…… 小牧はシンクの足を持った。そして持ち上げるとシンクから何が落ちた。


「何だこれ?」


冨沢はそう言うとシンクの落とした小さな瓶を拾った。冨沢がその中身を見ると緑色のドロドロとした、いかにも体に悪そうな液体が入っているのが見えた。


「冨沢、それを貸してくれ」


「あいよ」


冨沢はその瓶を林に投げた。林はそれをキャッチすると中身を見た。そしてこう言った。


「これってゾンビ菌入り液体じゃないか?」


「え?」


「前に小橋から聞いたんだ。その時小橋が見たって言ってるものと特徴が似てるんだ……」


林はそう言うとその瓶をポケットにしまった。するとそれを見た冨沢はこう言った。


「それ、どうするの?」


そう聞くと林はこう答えた。


「作戦が終わったら対策5のアイツに調べてもらう。名前は何だっけ?」


「蒔村だろ。俺が埼玉支部から東京本部に来るとき一緒にいたから名前は覚えてるんだ」


「多分そいつだな。小橋が蒔村に調べてもらうといいって言ってたんだ」


林はそう言うと小牧と一緒にシンクを端に移動させ始めた……




東京駅地下駐車場……


「水瀬二佐!奥にゾンビが大量にいます!」


そう言って水瀬の所に来たのは部下の榛葉だった。すると水瀬は槍を持ってこう言った。


「全部倒すぞ!」


水瀬はそう言うと地下駐車場へ繋がる階段を駆け下りた。しかし、ここで問題がおきた。階段を走っていた下りていたせいで水瀬は足を踏み外し、そのまま階段から転がり落ちてしまった……


「大丈夫ですか?」


そう言って水瀬の所に駆けつけたのは保見だった。すると水瀬はこう言った。


「大丈夫じゃない。立てないし右腕が痛い……」


そんな水瀬を階段の上から見ていた部下の桜庭はこう思った。



「なんてお馬鹿な班長さんだろう」と……





今直哉こんなおや


准ゾンビ対策官


武器……サーベル

拳銃

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