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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
76/347

#070 開始

東京駅作戦前日、午後十一時……


東京駅近くのとある建物の屋上に二人の人間がいた。その内の一人は柵にもたれかかって双眼鏡で東京駅を見ていた。


「凄いね。マジで殺る気満々じゃん」


そう言ったのはトレイだった。トレイは双眼鏡をおろすと後ろにいる男性に話しかけた。


「駅前の司令車を中心に対策官が広がっている。そして宮島もそこにいる」


トレイがそう言うと、その話を聞いたサイスはこう言った。


「そうか。これで強いやつがどこにいるか把握出来たぞ」


サイスはそう言うとメモ帳に宮島の名前と場所を書き始めた。そしてそれを書き終えるとトレイにそのメモ帳を見せた。


「宮島は丸の内中央、宗は八重洲南口、布田は八重洲より日本橋口にいる。ここから攻めるのは無理だな」


サイスがそう言うと手を口に当てて悩み始めた。するとトレイはあることに気がついた。


「倉科と有川はどこにいるんだ?あの二人も注意人物だろ?」


トレイがそう言うとサイスはこう説明した。


「それが分からないんだ。東京駅を外から見ただけじゃ居なかったから中にいるんだとは思うんだけど……」


「そういうことか…… とりあえず俺は先に行くぞ!アイツらに捕まんじゃねーぞ!」


トレイはそう言うとマント羽織って、非常階段をかけ降りていった。屋上に一人になったサイスは双眼鏡を手に東京駅側の柵に近寄った。そして東京駅の丸の内中央口を双眼鏡で覗いた。するとそこに宮島が何もせずに突っ立っているのが見えた……




東京駅丸の内中央口……


「宮島特官!全員戦闘用意出来ました!」


宮島に近寄ってそう言ったのは、宮島部隊副隊長の菱田川だった。すると宮島は自分の部下全員にこう言った。


「しばらく待機だ」


宮島はそう言うと空を見た。空は暗くてよく見えなかったが、雨を降らしそうな雲があるのは分かった。



「待機だそうだ。だけど辺りを警戒しとけよ」


菱田川は仲間にそう言った。菱田川は言い終わると宮島部隊の仲間から少し離れたところに移動した。そしてポケットから手帳を取り出した。


「この作戦が終わって俺は笑っていられるかな?」


菱田川は手帳の挟まっていた一枚の写真を見てそう言った……


「菱田川二佐、そんな顔してどうしたんですか?」


菱田川は突然そう言われると首が自然に後ろを向いた。するとそこには同じ部隊の藁谷がいた。


「その写真って今の第一部隊のメンバーになってから撮ったやつですよね」


「そう。俺も土井ほどじゃないけど、それなりに第一部隊に所属している。多分今のメンバーが今までで一番いい気がするんだ……」


菱田川はそう言うとその写真をメモ帳に挟み、ポケットにしまった。そして藁谷にこう言った。


「もう少しで明日になる。お喋りは終わりだ」


菱田川はそう言うと宮島達のいる方へと戻って行った……




東京駅作戦当日、零時、八重洲北口……


東京駅、八重洲北口には九条班と新庄班が待機していた。作戦が始まった為、さっきまでの緩い感じは一切なくとてもピリピリしていた。するとそんな対策官の所に奴はやって来た……


「九条班長!前方にゾンビがいます!」


そう言ったのは九条班副班長の三宅だった。するとそれを聞いた全員がその方向を見た。するとそこには大量のゾンビが此方に向かって歩いてきているのが見えた。


「うちの班はいかせてもらいますよ!」


九条は新庄にそう言うと部下にゾンビを倒すと指示を出した。そして短剣を両手に持つとゾンビの所へと走り出した。


「なにやってんだ。雑魚班が……」


そう言ったのは新庄だった。新庄がゾンビをいる方を見るとちょうど九条がゾンビの首に死ぬレベルの切れ込みをいれた所だった。


「まとめてぶっ飛ばしてやるか……」


新庄はそう言うと高力銃をゾンビに向けた。それを見た部下の伊東が止めようとしたが既に遅かった。伊東が口を開くときには既に発射されていた……


バシュッ!


新庄が撃った弾丸は九条達には当たらず、ゾンビの頭に命中した。


「ちょ… 何やってんですか!危ないですよ!」


伊東がそう言うと新庄が伊東を見てこう言った。


「指図をするな。死にたいのかお前?」


新庄はそう言うと伊東に高力銃を向けた。この時、早乙女が新庄をとめようと考えていたが圧倒的な力の差があることから何も出来なかった……



バンッ!


突然天井からそんな音がした。すると天井から誰かが下りてくると同時に新庄が床に倒れた。


「ちょっ!新庄班長?」


早乙女がそう言って新庄に駆け寄った。すると新庄の首から背中まで深い斬り込みが入っていた。


「もう現れたのか……」


伊東は天井から下りてきた人間にそう言った。するとそのマントを羽織った男性はこう言った。


「俺の行動は間違ってないと思うぞ。こいつは死んだほうが良かっただろ?」


そう言うとその男性は伊東達の方を見た。その男性の姿からして伊東達はトレイだと判断した。


「新垣は連絡をしてから後方支援を頼むよ」


伊東はそう言うと暴式銃を手に持ってトレイに突っ込んだ。するとトレイは容赦なく剣を振った。すると伊東はそれを避けるとトレイの脇腹を狙って引き金を引いた。



バンッ!


トレイに小型爆弾が当たるとそんな音がした。が、トレイは倒れていなかった。


「今の動きは凄いけど俺も無防備じゃないの」


トレイがそう言った時だった。トレイの背後から早乙女が頭目掛けて剣を降り下ろした。が、トレイは後ろを振り向かずに剣でその攻撃を防いだ。そしてトレイは素早く後ろを向くと早乙女を蹴り飛ばした。


「中畑!」


「了解です!」


中畑は伊東にそう呼ばれると槍でトレイを突き刺そうとした。が、トレイはその全ての攻撃を避けたのだ。


「槍か…… なら勝てるな」


トレイはそう言うと避けるのを止めた。するとチャンスだと思った中畑はトレイの腹に槍を突き刺そうとした。するとトレイはその槍を剣で叩き斬ってしまった。


「槍が……」


中畑は折れた槍を持ってトレイから距離をとった。


「伊東准官、どうやらタイマンのようですね」


トレイはそう言うと新庄の血で赤くなった剣先を下ろしてそう言った……




中畑昂太なかはたこうた


ゾンビ対策士長


武器……槍

拳銃

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