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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#065 事件

東京のとある下水管の中……


「こんな所にゾンビなんているんですかね?」


そう言ったのは警視庁ゾンビ対策課に配属されている戸田だった。その時戸田は上司である炭屋の後ろを歩いていた。


「仕方ないだろ。街中に出たところでそうそうゾンビなんて出ないし、市民からの通報も殲滅局に回るんだから。こうでもしないとゾンビ対策課が潰されるっ!」


炭屋がそう言い終わろうとした時だった。突然炭屋が倒れたのだ。するとそれを見た大原が戸田を引っ張った。


ガンっ!


大原の持っていた短刀に誰かの刀が当たった。が、大原には下水管の中が暗く、誰によるものなのか分からなかった。


「戸田!先に戻れ!他の奴を連れてこい!」


「は、はい!」


戸田はそう言うと来た道を走って戻っていった。


「まさかゾンビを探しているときに変な奴に会うとはな……」


大原はそう言うと暗闇の中、短刀を両手で掴み前に突き出した。が、どこから襲ってくるか全く分からなかった。そして突然風をきる音が聞こえると共に大原は短刀を下水に落とした……


「武器が……」


大原はそう言うと少し後ろに下がった。すると突然前が明るくなった。なので大原はその懐中電灯を持っている人を見ると、その人はマントを羽織って刀を持っていた。


「何だ、ゾンビ対策官じゃないのかよ」


トレイはそう言うと大原に近付いた。すると大原は後退りしようとしたところ、何かにつまずいて下水に転んでしまった。


「質問する。お前は今までゾンビを殺してきたか?」


トレイは大原にそう聞いたが、大原はビビっていて何も言えなかった。するとそんな大原を見ていたトレイは刀を上に上げてこう言った。


「もう一度聞く。お前はゾンビを殺した事があるか?」


トレイがそう質問した時だった。大原の手に何かが当たった。大原はそれを少し触るとそれが自分の持っていた短刀だと分かった。


「早く答えろ」


トレイがそう言うと大原がこう言い返した。


「言う必要はないな」


大原はそう言うと立ち上がった。そして短刀でトレイの腹に突き刺そうとした。


「雑魚が」


トレイはそう言いながら刀を振り下ろした。するとそれをもろにくらってしまった大原はそのまま倒れてしまった……


「本当に残念な連中だな。こんな事で死ぬなんて……」


トレイはそう言うと戸田が逃げた方向とは逆方向に歩き始めた……




五分後……


「馬場警部!こっちです!」


戸田がそう言うと、馬場が前を懐中電灯で照らした。すると、そこに誰かが倒れているのが見えた。馬場はそれを見ると、懐中電灯を戸田に渡してすぐに駆け寄った。


「おい!大原!」


馬場はそう言うと倒れている大原を揺すった。が、反応はなかった。しかし大原の体から血は流れていなかったので、攻撃されて気絶したのだろう。馬場そう考えると、大原を外に出すよう部下に命令した。


「ば、馬場警部!あれは……」


戸田は震えた声でそう言った。なので馬場は戸田が懐中電灯で照らす方向を見た。するとそこには赤色の液体が下水道管の壁に付いていた。そして戸田がゆっくりと光を下に向けると、そこに首のない死体が転がっていた。


「だ、誰だ?」


馬場はそう言うとゆっくりと近付いた。そしてその遺体が身に付けている物を見るとすぐに分かった。


「これは炭屋警部なのか?」


馬場はそう言うとすぐに操作用の手袋をつけた。そして、その遺体の上着を開き、一つの手帳を取った。


「戸田、残念だがこの遺体はお前の所の炭屋のようだ……」


馬場はそう言うと警察手帳を戸田に見せた。戸田はすぐにその警察手帳を照らすと、そこには炭屋の顔写真が見えた。


「馬場警部!炭屋警部の頭を見つけました。多分切断面から見るに刀や剣で斬られたものかと……」


戸田と同じ班の有木だった。有木はそう言うとインスタントカメラを取り出した。そしてその喋らなくなった炭屋の写真を撮り始めた……





次の日、午前九時


ゾンビ殲滅局第五会議室……


ゾンビ殲滅局には会議室が六部屋ある。その中で一番狭いのが第五会議室だった。が、その第五会議室では本部長や一部の隊長、班長、司令官が集まっていた……



「既に知っている人もいるかもしれないが、昨日の23時過ぎに、都内の下水管の中で警視庁の人間が殺された」


仲野はそう言うとホワイトボードに一枚の写真を張り付けた。


「これが亡くなった警視庁ゾンビ対策課の警部、炭屋恭司だ」


仲野がそう言うと、その会議室にいた全員の視線がその写真に集まった。と、いってもその写真は遺体の写真ではない。警察手帳に使っていた写真を拡大して使っている。なので炭屋がまだ入りたての時の写真だった。


「それとこれが警視庁から渡された資料だ。回してくれ」


仲野はそう言うと一番近くに座っていた宇土に紙を渡した。宇土は仲野からもらった紙を隣に座っている芝に回してから資料を読み始めた。すると宇土は「死因は刀で首を斬られたこと」という文が何故か引っ掛かった。


「本部長!死因の所に刀で首を斬られたと書いてあるのですが、刀で首は斬れるのですか?」


そう聞いたのは宇土の隣に座っていた芝だった。彼は「大東京埋めた場ゾンビ殲滅作戦」で主司令を務めたことのある司令官だった。


「さぁ?分からない」


仲野は首を傾げてそう言った。すると少し離れた所に座っていた小橋がこう言った。


「可能ですよ」


「え?本当か?」


仲野がそう言うと小橋は話を続けた。


「と言っても、首を斬るには骨と骨の間に刀を入れなくてはならなく、素人はもちろん、かなり使いなれていないとこんな事は出来ません。多分自分も出来ないと思いますよ」


小橋がそう言うと仲野が再び口を開いた。


「じゃあその犯人は双葉が狙撃したトレイなのか?奴は刀を使うやつみたいだし……」


仲野がそう言うと突然会議室が静かになった。


「それが真相なんじゃないですか?」


そう言ったのは部屋の端の方の席に座っていた倉科だった。


「分かった。とりあえずトレイが犯人という事で警視庁に伝えておこう。ちょっと待ってて……」


仲野はそう言うと会議室を出ていってしまった。仲野が出ていくと会議室は突然騒がしくなった。


「林はどう思う?」


そう聞いたのは隣に座っていた小橋だった。すると林は少し悩んでからこう言った。


「小橋の言うとおり多分トレイだと思う。多分だけどね……」


林はそう言うと前にあるホワイトボードを見た。そのホワイトボードには仲野が書いた重要事項がいくつか書いてあった……




有木咲翔あらきさくと


警部補


武器……短剣

拳銃

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