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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
69/347

#063 狙撃手

東京本部、本部長室……


「宇土、良いタイミングに来たな」


仲野はそう言うと席を離れて宇土に寄った。そして一枚の紙を渡した。その紙は先程高木から渡された退職届と書かれた紙だった。


「その事についてなら知ってます。さっきあったので……」


宇土はそう言うと紙を仲野に返した。


「それで何故呼んだのですか?高木さんの件に付いてではないですよね?」


宇土がそう言うと仲野は少し間を開けてからこう言った。


「確かに呼んだ理由は高木の事ではない……」


仲野はそう言うと窓に寄って外を見ながらこう言った。


「倉戸山作戦が行われているときに、殺所で原因不明の爆発があった。これにより捕らえていたシンク、ジャック、ケイトが居なくなったんだ……」


仲野がそう言うと、宇土の後ろにいた米田が口を開けた。


「その爆発で死んだという可能性はないのですか?」


米田がそう言うと仲野は米田を見てこう言い返した。


「それはない。殺所を守っていた宗部隊が捜したが、どこにもいなかったそうだ」



宇土はここまでの話を聞いただけで、仲野が何を言いたいのか分かった。それは、殺所から捕まえていた奴を逃がしてしまったということだった……




ゾンビ殲滅局東京本部、屋上……


この屋上には倉戸山作戦に参加していたにも関わらず、本部に残っている人間がいた。その人間は二人いた。一人はライフルを構えておりスコープで何かを見ていた。そしてもう一人は望遠鏡で何かを探していた……



パシッ!


突然双葉のすぐ近くにあった交換用のスコープが倒れた。


「狙撃か?」


双葉はそれに気が付くとすぐにその方向をスコープで見ようとした。


バリッ!


今度は双葉のライフルに付いているスコープが突然壊れた。するとそれを高倍率双眼鏡で見ていた菊川がこう言った。


「ここから1500メートル先にある建物の屋上に誰かいます!」


菊川がそう言うと双葉はポケットから新しいスコープを付けるとこう言った。


「駄目だ。この銃じゃ届かない。この銃じゃ700mが限界だ。あの建物は1500mはある……」


双葉はそう言うと少し奥に置いてあった銃を取り出した。そしてスコープを取り付けるとその建物を見た。


「あれはトレイだな」


双葉はボソッと言うと引き金を引いた。するとその双葉が放った弾丸は一直線にトレイの元へと飛んでいった。そして双葉が確認の為にスコープを覗くと、その建物の上にトレイはいなかった。


「双葉准官!やりましたね!」


菊川がそう言うと双葉が立ち上がった。そして双葉が銃を持ち上げ、対策2専用室へと戻ろうとした時だった。突然双葉の前にあった扉に穴が開いた。双葉はそれに気が付くとすぐに菊川にこう言った。


「しゃがめ!」


しかしそう言ったものの、すでに遅かった。菊川がしゃがもうとした時に狙撃されてしまったのだ……


「大丈夫か?」


双葉はそう言うと床をはって菊川の近くによっていった。そして菊川を見ると腕から血が出ていた。多分腕に弾丸が当たったのだろう。双葉はすぐに援護要請を出すと、先程使った銃を持って狙撃出来る場所へとはって移動した。


「奴はまだあそこにいるのか?」


双葉はそう独り言を言うとライフルを構えた。そしてスコープを覗くと先程見た建物の屋上には、ライフルを構えている人がいた。


「最初ので当たっていなかったか……」


双葉はそう言うと一度深呼吸をした。そして銃を構えた。


パンッ!


双葉が引き金を引くとそんな音がした。


「頼む。当たっていてくれ……」


双葉はそう願いながらスコープを覗いた。するとそこにはライフルを構えているトレイがいた。すると何故かトレイが突然立ち上がった。この時何故立ち上がったのか分からなかったが、数秒立つと答えが分かった……


バッ!


突然銃を支えていた棒が倒れた。双葉はすぐにその棒を見ると、その棒には弾丸が当たったあとがあった。


「やられた……」


双葉はそう言うと地面に落ちた銃を見た。


バンッ!


「双葉!何があった?」


突然建物の中に繋がる扉が開いた。そしてそう言ったのは宇土だった。この時、何故宇土が来たかというと、本来は対策2の人に行かせる予定だったが作戦が終了したばかりなせいか誰もいなかったのだ。なので宇土は仕方なく部下を連れて屋上にやって来たのだ。


バンッ!


突然宇土の顔の横を弾丸が通り抜けた。そして後ろの壁に弾丸がぬめりこんだ。


「へ?」


宇土はその時点では何があったのかよく分からなかったが、後ろにいた米田が宇土を強引にしゃがませた。


「米田司令。悪いのですが、替えのライフル持ってきてくれませんか?此方は壊れて使えないので……」


「分かった。今持ってこよう」


双葉にそう頼まれると米田は急いで階段を下りていった。


「イテテ……」


そう言ったのは双葉と一緒にいた菊川だった。菊川はトレイに腕を撃たれた時に、頭から倒れて気を失っていたのだ。


「菊川、しゃがんだまま此方に来い!」


宇土がそう言うと菊川は腕の痛みを我慢して来た。そして宇土の所までくると、部下達と一緒に階段を下りていった。


「双葉持ってきたぞ!」


そう言うと米田が屋上にやって来た。肩には二つのライフルを持っていた。そして米田が一つを双葉に渡すと宇土がこう言った。


「そっちのは俺に貸して」


宇土がそう言うと双葉がこう言った。


「宇土司令狙撃とか出来るのですか?」


双葉がそう聞くと宇土はこう答えた。


「対策2にいたとき、当時の上司にコツを教えてもらったから素人よりは命中率も高いはずだ」


宇土はそう言うと慣れた手つきで弾を銃に入れた。


「米田は下に居ていい。ここに居ても危ないから」


宇土がそう言うと米田は階段を下りていった。この時米田は宇土の事がとても心配でいた。何故なら宇土は、入局した時から調子に乗るとだいたい失敗してきていたからだ……


正直宇土も1500m先の人を狙うのははじめてのため、当たるかどうか分からなかった……


双葉音生ふたばねお


准ゾンビ対策官


武器……狙撃銃

短剣

拳銃

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