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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
68/347

#062 退職

「おりゃっ!」


水瀬はそう言うと地面に倒れたサイス目掛けて槍で突き刺そうとした。するとサイスは槍にあたるギリギリの所で横に転がって避けた。そしてその勢いのまま立ち上がった。そして地面に落ちていた剣を拾った。


「槍使いか…… 笛中より面白くなりそうだな」


「ああ、君の体が地面につくところをずっと見ていたいよ」


水瀬はそう言うとサイスに向かって走り出した。そしてサイスに向けて槍を振った。するとサイスは剣でその槍を防いだ。


「クソッ!」


水瀬が力で押そうとしているのに対してサイスは水瀬に顔を近付けてこう言った。


「君の槍は裏刃が付いているから折れずに済んだが、槍はそうやって使うもんじゃないぞ……」


サイスはそう言うと突然剣に力を入れた。すると水瀬の槍が真ん中から先が飛んでいってしまった。サイスは水瀬に隙を与えることなくすぐに剣を振った。すると水瀬はその剣を完全に避ける事が出来ずに、頬に当たってしまった。


「槍が!」


水瀬はサイスから距離を取ると手に持っている槍を見た。その槍は裏刃が付いていたにもかかわらず、真ん中から上側がなくなっていた。


「班長!これを使ってください!」


保見はそう言うと水瀬に向かって自分のサーベルを投げた。すると、水瀬は壊れた槍を捨てて保見のサーベルを受け取った。すると突然笛中がサイスに切りつけようと、ナイフを振った。が、そのナイフは当たりはしなかったもののサイスがよろめいた。それを見た笛中は後ろにバク転しながらこう言った。


「行け!水瀬!」


笛中がそう言うと、水瀬はサーベルを強く握り締めてサイスの元へと走り、そのままサーベルを振った。


ガンッ!


「危ないな」


サイスはそう言いながら剣で水瀬の攻撃を防いでいた。水瀬はそのまま力で押しきろうとした時だった。突然サイスのマントから何かが落ちてきた。そして、それが地面に落ちると突然それが光った。その光は目を開けるのが難しいほどの強さだった……



そして目を開けられるようになってから水瀬がサイスのいた所を見ると、そこには誰もいなかった。


「閃光弾か?」


そう言ったのは笛中だった。


「逃げられたか……」


水瀬はボソッと言うと部下を見てこう言った。


「撤収するぞ!」


水瀬はそう言うと保見にサーベルを返した。保見がその水瀬に返されたサーベルの持ち手を見ると、そこに血が付いていた……



午前7時


ゾンビ殲滅局東京本部



この時間には倉戸山作戦に参加していた対策官は既に帰っていた。しかしそんな中、本部長室には一人の男性が入っていった。



「本当にいいのか?」


そう言ったのは本部長である仲野だった。そしてその部屋には一枚の紙を持っている高木がいた。高木は倉戸山作戦前に、もし作戦が失敗したら全ての責任を自分がおって、退職するといっていたのだ。


「もう十分だ。それに宇土の方が司令官として優秀だ。俺に構ってないで、宇土の階級をさっさとあげた方がいいんじゃないか?」


高木はそう言うと仲野にその紙を渡した。その紙には綺麗な字で「退職届」と書かれていた。高木はその紙を渡すと本部長室から出ていった……



そして局にある荷物をまとめるために、対策3専用室へと向かった。するとその途中で宇土を含めた宇土指令隊に出会った。


「宇土、後は任したぞ」


高木は宇土の肩に手を置いてそう言った。


「任せてください。ちゃんと高木最高司令以上の仕事をしますので……」


高木は宇土からその答えを聞くと再び歩き始めた……




「宇土、これでいいのか?」


そう言ったのは宇土の同期でもあり、同じ宇土指令隊に所属している米田だった。すると宇土は米田にこう言った。


「いつまでも高木さんに頼っている訳にもいかないんだ。これからも自分達はいつも通りに仕事をすればいいんだ」


宇土はそう言うと歩き始めた。そして部下を連れて本部長室の扉を叩いた……




米田圭よねだけい


司令官


武器……拳銃

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