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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
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#061 タイマン


正子


ついに倉戸山作戦が終了した。高木の合図と共に山に入っていた対策官達が宇土達のいる倉戸山南側に集まってきた。


「宇土、今回の作戦はどう思うか?」


そう聞いたのは高木だった。すると宇土は少し間を開けてからこう答えた。


「今回の倉戸山作戦ははっきり言って失敗だと思います。こちらは奴等の居場所を見つけただけに対して、奴等は見事返り討ちにしました。それにより一部の対策官が負傷するという事態になっています」


宇土はそう言うと横を見た。するとそこでは三宅が倒れていた。三宅の頭から血が流れているのを見ると多分頭を打ったのだろう。しかし、対策官には医療に詳しいものはほとんどいない。なので救急車が来るまで特に出来ず、しいて出来ることといえば同じ班の人が近くにいて見守ることくらいだった……


「宇土、後は任せる。俺は作戦失敗した責任を取って退局する」


高木はそう言うと作戦指令車の中へと入っていった。すると高木と入れ替わりに、宇土指令隊、副指令長の堤が出てきた。


「宇土、我々も本部に撤収しますので、中に入ってください」


堤はそう言うと宇土を押して作戦指令車の中へと入った。そして宇土達、対策3の人間は一足早く本部へと戻っていったのだった……




「小牧、大丈夫だったか?」


突然小牧に聞きなれた声が聞こえてきた。なので小牧が後ろを向くと林がいた。


「林班長……」


「一緒に戦っていた染井班の三間がかすり傷をおっただけで東側にいた班は無事だ」


小牧は林からそう聞くと少しホッとしたが、作戦指令車が止まっていた近くを見てゾッとした。何故ならそこには負傷した対策官が倒れていたのだ。しかもその対策官は小牧が知っている人だった。


「藁谷准官!」


小牧はそう言うと藁谷を起こそうとした。すると藁谷の背中から血が流れているのに気がついた。


「小牧か…… 爆発の時ちょっとへましてね…… 飛んできた瓦礫にあたっちゃってさ……」


藁谷はそう言うと目を閉じてしまった。


「准官!」


小牧がそう言ったときだった。突然前に林がこう言った。


「多分気絶しただけだろうが、危険な状態にかわりない。医療に詳しい奴をつれてこくる」


林はそう言うと小牧から離れていった。林が呼びに行っている間にも藁谷の背中からは血が流れていた……





関東ゾンビ殺所場警備室……


「宗准官!倉戸山作戦が終わりました!」


スマホを片手に油川がそう言った。


「作戦は成功だったの?」


そう聞いたのは八代だった。すると油川は八代を見てこう言った。


「作戦は…… 失敗だそうです」


それを聞くと警備室がいつになく静かになった


「それは本当か?」


それを聞いたのは宗だった。すると油川は今度は宗の方を見てこう言った


「はい。米田指令からの連絡なので本当かと……」


油川がそう言うと宗は突然立ち上がった。そしてこう言った。


「ここは殺所の職員に任せよう。自分達は本部へ戻ろう」


宗はそういうと武器を持って部屋から出ていった……




午前1時、倉戸山


ここにはまだ笛中班がいた。何故倉戸山作戦に参加していない笛中班がいるかというと、笛中班は班長の笛中はもちろん、班全員が医療に詳しい為手当てをするために高木に呼ばれてやってきたのだ。そして最後の怪我人が車に乗り込み、病院へと向かっていったのを確認すると笛中がこう言った。


「墳本は今と橋中を連れて先に戻っていてくれ。自分は風戸と行く」


「分かりました」


墳本はそう言うと二人の部下を引っ張り車に乗せた。そして笛中と風戸を残して東京本部へと戻っていった。「風戸、本部に戻るよ」


笛中はそう言うと車に乗った。が、しかし風戸は車に乗らなかった。


「風戸、乗って!」


笛中が再度そう言っても風戸は車に乗らなかった。すると風戸は笛中にこう言った。


「班長、あの木の上に誰かいます」


風戸が言った木を笛中は見た。するとタイミングよくその木の方から声が聞こえてきた。


「目と耳が良いんだね。まさかバレるとは思ってなかったよ」


そう言っても木から飛び降りてきたのはサイスだった。しかもサイスは剣を持っていた。


「まさかここで戦うことになるとはな……」


笛中はそう言うと両手にナイフを持った。


笛中とサイスは不思議な事に何故か戦うことが良くあったのだ。なので笛中はサイスの弱点をよく知っていると共に、サイスも笛中の弱点をよく知っているのだった。


「いくぞ笛中!」


サイスはそう言うと笛中に突っ込んで来た。そして剣を大きく振りまくった。が、笛中はナイフを器用に使ってその攻撃を防いだ。


「守ってばかりじゃ捕まえられないぞ」


サイスは笛中にそう言いながら距離をとった。すると笛中はこう言った。


「残念だが今日はタイマンじゃないだろ。俺には部下がいる……」


ビュッ!


サイスのすぐ横を紐がついている鉄がかすめた。


「お前の部下はテーザーガンなんて持ってるのかよ」


サイスがそう言ったが笛中はそれには答えずに風戸にこう言った。


「風戸、はさむぞ」


「了解です」


風戸はそう言うと剣を抜いた。風戸が使う剣の種類はレイピアの為、ロングソードを使うサイスの攻撃を受け止める事は出来ない。だが、笛中が気をひいている間なら攻撃が出来た。


「わっと!」


突然風戸がレイピアで突き刺そうとした。サイスはギリギリの所で避けた為、体に当たりはしなかったもののマントが破れてしまった。


「まじかよ」


サイスはそう言うと殲滅局の車の屋根に飛び乗った。


「戦いの時は上を制したものが勝つ!そう言ってたよな笛中!」


サイスはそう言うと笛中に拳銃を向けた。そして引き金を引いた……


「イタタ……」


笛中はそう言うと体を起こした。すると横に男性が倒れていた。


「大丈夫ですか?笛中二佐」


そう言ったのは水瀬班の桜庭だった。この時、何故桜庭が居たのか笛中には分からなかったが、少しするとその答えが分かった。


「おりゃ!」


そんな声が聞こえるとサイスの体に槍がぶつかった。サイスはその時の衝撃で車の屋根から落ちてしまった。


「丈斗パス!」


そう言うと槍が飛んできたた。そしてその槍を受け取ったのは水瀬だった……




風戸水月かざとみずき


一等ゾンビ対策官


武器……レイピア

テーザーガン

拳銃

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