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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
62/347

#057 新種

ガンッ!



二人の剣が当たるとそんな音がした。するとサイスは後ろにジャンプすると突然ナイフを取り出した。


「お前、ナイフも使うのか」


サイスは宮島の頭を狙ってナイフを投げた。すると宮島はしゃがんでナイフを避けた。そしてそのまま低い態勢から剣を振った。が、サイスも避けてしまった。


「あんたやるな」


サイスは突然剣を下ろすとそう言った。そして宮島に背を向けると剣をしまった。宮島はその瞬間を狙って斬りつけようとしたが、斬りつける前にサイスがこう言った。


「残念だが今回は俺の勝ちだ」


突然の言葉に宮島はどう反応してよいか分からなかった。だが、これだけは言えた。


「何故だ?」


するとサイスは振り向いてこう言った。


「何故ならコイツらが到着したからね」


サイスはそう言うと走って逃げ出した。宮島もその姿を見て追いかけようとしたが、サイスの後ろから突然ゾンビが現れた。



「仕方ない。今はゾンビを倒すか」


宮島はボソッと言うと剣でゾンビの胴体を真っ二つにした。そしてゾンビが動けなくなってから首に切れ込みを入れた。


「数は残り五か…… これを使わなくてもいけるな」


宮島は地面に突き刺してある電撃棒を見てそう言った。そしてすぐに剣で次のゾンビに斬りつけた。



ザズッ!


宮島の攻撃によりゾンビの首が飛んだ。が、宮島は倒したゾンビの事など一切気にしなかった。なので平気に倒したゾンビに乗っかったりして戦った。そして宮島は一分ほどで全てのゾンビを倒した。


「防衛班は大丈夫か?向こうは結構いそうな気がするが……」


宮島はそう言うと今いる場所から下を見下ろした。するとそこには闇の中に一つのあかりがあった。その光は倉戸山南側防衛班がつけているものだ。宮島は下を見てからすぐに駄目元でサイスが行った方向へと走りはじめた……




倉戸山南側……


「小橋はんちょー!山から誰か来てます!しかもめっちゃ速いです」


作戦指令車の上に乗っていた星水が突然そう言った。すると小橋はすぐに作戦指令車の上に乗った。そして星水が持っている双眼鏡でその方向を見た。そして見えたものはゾンビだった……



「有川特官!此方にゾンビが来ています!」


小橋は双眼鏡を星水に渡すとそう言った。すると有川がそれに対してこう聞いた。


「数は分かるか?」


「いいえ、木が邪魔で数までは分かりません!」


「分かった。小橋班は後方支援を頼む。自分の所が前線にたつから」


有川はそう言うと部下を連れて少し山を登り始めた。そして少し登るとさっき星水が発見したゾンビと遭遇した。


ザクッ!


有川が鎌を振るとゾンビの足が飛んでいった。そしてもう一振りしてゾンビの首を飛ばした。


「各自散会!ここで全てのゾンビを倒す!」


有川はそう言うと近くにいたゾンビを倒すために鎌を振ろうとした……が、突然ゾンビは額から血を流して倒れてしまった。


「双葉か……」


有川はそう言うと違うゾンビに斬りつけた。




倉戸山南側、小橋班……


「ビンゴ!あれは死んだね」


星水がライフルを構えている双葉の横でそう言った。因みに今回星水がやっている仕事(狙撃できたかの確認)は普段は菊川の仕事だ。なのに今回は作戦指令車の上が気に入ったのか、星水がしていた。するとやっと騒ぎに気付いた宇土が作戦指令車から出てきた。


「屋根から発砲音が聞こえたけど何か…… あったんだね」


宇土は屋根を見てそう言った。今屋根の上にはライフルを持って狙撃しようとしている双葉と双眼鏡を使って確認しようとしている星水がいるのだ。それだけで宇土には何が起きているか分かった。


「宇土さん!山の南側の斜面にゾンビがいます!」


そう言ったのは宇土の近くにいた小橋だった。そして小橋は今、有川班がゾンビを倒していることを伝えた。すると宇土は小橋にこう言った。


「分かった。少し他の所にも現れてないか聞いてみる」


宇土はそう言うと作戦指令車の中に入っていった。



倉戸山南側、作戦指令車……


「宇土指令、何かあったのですか?」


そう言ったのは宇土の部下の屋島だった。屋島はさっきまで無線を使い本部に情報を渡していた。この情報とはさっき謎の爆発があったという情報だ。因みに爆発があってから山の中に入った対策官と連絡がとれていなかった……


「宮島や林、柚木とは連絡がとれたか?」


宇土がそう聞くと屋島はこう答えた。


「林、柚木班長とは連絡が取れましたが、その二人は北側と東側にいました。なので中に入ったいる対策官とはまだ連絡がとれません」


「そうか……」


宇土はそう言うと屋島の隣の席に座った。そして林に事情を聞くためにマイクをとった。そして赤いボタンを押して林の応答を待った……




倉戸山東側、新庄、染井、林班……



「林!左にいた三体は片付けたよ!」


そう言ったのは冨沢だった。今冨沢の持っている刀は血によって赤く染まっていた。


「分かった。なら染井班の所へ移動だ!向こうの方が数が多い!」


冨沢はそれを聞くと走って染井達がいる方へと移動した。林もそれを見て移動しようとした時だった。突然無線がきた。なので林は仕方なく前線から離れて、比較的安全な所へと移動してから無線機をとった。


「こちら林三等ゾンビ対策佐官です」


「林!そっちにゾンビがいないか?」


そう言ったのは宇土だった。すると林はこう言った。


「たくさんいます。それでは……」


林はそう言うと無線機をしまった。そして染井班のいる前線へと向かった……




「三間!まだ体力ある?」


そう聞いたのは染井だった。三間はそれを聞くと「まだあります」と答えた。するとそれを聞いた染井は少し離れた所にある岩を指差してこう言った。


「あそこに登って新たにゾンビが来てるか確認してきて。あそこは後方だから安心なはずだし……」


「分かりました」


三間はそう言うとサーベルでゾンビの喉を切ってから前線から離れた。そして急いでその岩の上に登って様子を見た。すると山の上から黒色の生物が下りてきているのが見えた。それは人ほど大きくなく、犬や猫位の大きさだった。三間はそれを見ると岩から飛び降りて、再び前線へと戻った。


「染井さん。山からゾンビは下りてきていません」


「そうか。ならこれを倒せば終わりだね」


染井はそう言いながら剣でゾンビの首の裏を斬った。すると突然染井の前に一匹の黒色の犬が姿を現した。


「え?何これ?」


しかしその犬は普通の犬とは違う所があった。それは歯だった。その犬の歯はギザギザしていてまるで鮫のような歯だった。


バゥッ!


突然その犬は吠えると染井に向かってジャンプした。その時染井は避けようとしたが、斜面で戦っていたため避けることが出来ずに倒れてしまった……



ビシャッ!


そして染井の顔に血が飛んだ……




屋島玲汰やしまれいた


司令官補佐


武器……拳銃




ver3,0

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