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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
60/347

#055 用意

倉戸山林班……


この時林班は山頂に向かって山を登っていた。ここまで林班ではゾンビとの遭遇しておらず、捜査は比較的に簡単だった。すると突然冨沢が林にこう言った。


「林、あんな所に建物ない?」


冨沢はそう言うとその方向を指差した。林はすぐにその方向を見るとそこには木造の建物が建っていた。なので林班はその建物を調べてみる事にした。


「近くで見るとかなり綺麗だな」


林はそう言うとその建物の壁を触った。


「林三等佐!大変です。来て下さい!」


そう言って林を呼んだのは小牧だった。すると林はすぐに小牧の後についていった。そして小牧はその建物の壁にそって歩いていくと窓の前で立ち止まった。


「中を見てください」


小牧にそう言われると林は窓から中を見た。すると中に二人の人間がいることが分かった。


「あのマントからするとエースとサイスだな」


林は建物の中に落ちているマントを見てそう言った。そしてゆっくりと窓から離れてから班員にこう言った。


「奴等の居場所は分かった。すぐに柚木班に連絡をとって下山するぞ。連絡は塚西がやってくれ!」


林がそう言うと塚西はすぐに無線機を取り出し柚木班に連絡をしようとした。その間林も無線機も無線機をとって東京本部に場所を教えていた……



午後四時、東京本部第一会議室……


「今例の件について林から連絡が来た」


そう言って皆の前に立って話したいるのは副本部長の郡山だった。すると突然前にあるスクリーンに一枚の航空写真が写し出された。


「これは奴等がいる山の航空写真だ。因みに山の名前は倉戸山だ」


郡山はそう言うと突然仲野の隣の席に座り、パソコンをいじりはじめた。するとその航空写真に五つの色の線が引かれた。


「小橋、有川班はこの赤い線の付近で待機。川中、北音寺班は黄色の線の付近で待機。そして神尾、九条班は緑の線の付近で待機。そして最後に新庄、染井班は青い線の付近で待機だ」



挿絵(By みてみん)



郡山がそう言うと突然宇土が立ち上がってこう言った。


「待機って事はどの班が奴等を捕まえにいくのですか?」


宇土がそう聞くと郡山はこう答えた。


「奴等を捕まえるのは林班、柚木班、そして宮島部隊だ」




郡山がそう言ってから五分後作戦会議が終了した…… が、作戦を行う時間が今日の午後十時からだった。なので対策官達はその時刻を向かえるまでに用意をして、その場に居なければならない。なので今回の作戦に参加する対策官達はかなり慌てていた。が、第一会議室にはまだ仲野や郡山、宇土が残っていた。


「そう言えば東京23区の防衛はどうするのですか?」


宇土は郡山にそう聞いた。すると郡山は落ち着いた口調でこう言った。


「殺所の防衛は宗部隊が。そして本部を含む東京23区防衛が布田部隊、水瀬班といった作戦に参加しない班が防衛する」


「なら大丈夫だな。水瀬は少し心配だが部下がなんとかしてくれるだろう」


仲野はそう言うと会議室から出ていってしまった。多分本部長としての仕事がまだ残っているのだろう。宇土はそう考えながら郡山と別れて対策3専用室に向かった……




東京本部対策3専用室……


「戻りました~」


宇土はそう言っていつものように部屋の中へと入っていくと、突然宇土の前に一人の男性がやって来た。


「宇土、今回の作戦の主指揮は自分がやる。宇土は副指揮を頼む」


そう言ったのは対策3にいる司令官の中で一番長くいる高木喜一だった。彼の現在の階級は最高指令官と対策3の中で一番偉い階級だった。しかもゾンビ殲滅局に入局したのは仲野や郡山より前で、組織の事については誰よりも詳しかった。


「了解です」


宇土はそう言うと自分の机へと向かった。そして棚からボールペンを取り出すとすぐに高木の元へと戻ってきた。するとそこでは高木が紙にボールペンで何かを書いていた。


「宇土、いつものように副指揮の所に名前を書いて」


高木はそう言うと宇土に一枚の紙を渡した。この紙は司令官達に「作戦用紙」と呼ばれているもので、ここに名前を書くとその作戦の主指揮、又は副指揮ということが証明されるものである。対策3にいる司令官の誰もがこの紙に自分の名前を書きたいと思うほどの凄い紙だった。


「そろそろ俺も退職するべきかね」


宇土が名前を書き終わると突然高木はそう言った。すると宇土は慌ててこう言った。


「それは困りますよ。高木さんは数少ないベテラン司令官の一人なんですから」


宇土はそう言うとその紙を高木に渡した。すると今度は高木がこう言った。


「いくらベテランだと言っても、もう宇土の方が司令官として越えてるよ。もし何かやらかしたら俺がかばってやるよ」


高木はそう言うと紙を持って部屋から出ていってしまった。宇土は高木が言った言葉が本当になってしまわないか少し心配になった……



高木喜一たかぎきいち


最高指令官


武器……拳銃

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