表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
59/347

#054 登山

関東ゾンビ殺所場を奴等に襲われてから一週間後……


小牧を含む林班は柚木班と共に東京都の西側にある奥摩湖に来ていた。何故ここに小牧達が来ているのか説明するとなると、それは朝まで遡ることになる。



ゾンビ殲滅局東京本部、対策2専用室……


それはいつもと変わらぬ朝だった。奴が来るまでは……


「おっはよー!」


そう言って対策2専用室に入ってきたのは宇土だった。宇土は部屋に入ると一直線に林の所へとやって来た。そして林を連れ出すと今度は柚木も捕まえて廊下に引っ張り出した。


「宇土さんどうかしたのですか?」


そう言ったのは林だった。すると、それを聞いた宇土は二人にこう言った。


「一週間前に殺所に奴等が来たのは覚えてるだろ?」


「勿論。自分の班はその場に今したので……」


林はそう言ったものの、柚木はそのことを知らなかった。何故なら、その時柚木班は東京空港の防衛をしていたのだ。なので、そんな情報は空港までまわってこなかったのだ。



「その後エースが逃げたのは知ってるだろ?その時、笛中班が車とヘリを使って追いかけたんだ!すると何処に着いたと思う?」


宇土はそう言うと林の肩をつかんで、ぐいぐいと押した。


「どこですか…… ね?」


林がそう答えると宇土は突然スマホを取り出すと東京都の地図を二人に見せた。そして東京都の西側、奥摩湖を指差してこう言った。


「なんとここまで逃げたんだ!」


宇土はそう言うと林の顔にスマホを押し付けた。今思うとこの時の宇土は少し可笑しかったと思う。


「因みにそこからどこへ行ったのですか?」


柚木がそう言うと宇土はスマホを下ろして残念そうにこう言った。


「分かんない。そこから見失ったみたいだから……」


宇土はそう言って二人に背を向けた。この時林には落ち込んでいるように見えたが、それは違った。宇土は突然此方を向くとこう言った。


「と、言うわけで奥摩湖まで行って探してきてくれない?因みにこれは命令」


宇土がそう言うことを言っても優しい感じにしか聞こえないが、要するに奥摩湖に行って、奴等が見つかるまで帰ってくるなということだ。なのでそこからは早かった。すぐに班員を集めて列車を使って奥摩駅まで向かった。しいてこの時のミスをあげるとするならば、奥摩駅から奥摩湖までが遠かったことくらいだ……



奥摩湖近く、倉戸山林班……


「林、なんで俺達山登りしてるんだ?」


そう言ったのは冨沢だった。すると林はすぐにその質問に答えた。


「仕方ないだろ。笛中二佐に聞いたら倉戸山まで追い詰めたって言ってたんだから」


林はそう言うと再び足を動かし始めた。今彼等が登っている所は所は道ではなかった。何故こんな所を歩いているかというと、もし奴等(エース達)がこの山にいるとしたら登山道の近くにはいないだろうということで、こんな所を歩いているのだ。しかし、彼等にとって道なき道を進むことは、ゾンビを倒すことよりも辛いことだった。


「柚木達の方は大丈夫かな?こんな急斜面を……」




倉戸山、柚木班……


林は柚木達の事を心配していたが、柚木達に全く問題はなかった。何故なら柚木達は潜入捜査などでこれ以上に辛い事をしているため、山登りなど柚木達にとって観光でしかなかった。


「それにしてもこんな所にいるのかな?」


柚木がそう言うと部下の柳田がこう言った。


「確かにここまで来るのにゾンビすら見ていませんもんね」


と柳田は言った。この時柚木班は林班が登っている斜面とはかなり離れている所を登っていた。なので既にゾンビが倒されていると考えるには無理があった。が、柚木達には何故ゾンビと遭遇しないのか大体の理由は分かっていた。それは、ゾンビには人が居るところによってくるという性質があるのだ。なので大半のゾンビは市街地にいるのだろう。



ガサッ!


突然柚木の頭上からそんな音がした。なので柚木は上を見るとそこには木に登っているゾンビがいた。


「え?ゾンビって木に登れるの?」


柚木がそう言ったときだった。突然ゾンビが柚木目掛けて飛び降りてきたのだ。なので柚木はゾンビに捕まる前に後ろに体を引いて避けた…… が、ここは平地ではなく急斜面の山だ。なので柚木はコロコロと転がってしまった。



「乃木さん!指揮を!」


柳田がそう言うと柚木班の副班長である乃木はこう言った。


「柳田と私で倒すから二人は柚木准官を」


乃木はそう言うと剣を抜いた。そして持ち手の所に付いているレバーを引くと、ゾンビに向かって急斜面を一気に登り始めた。柳田も乃木を見るとすぐに高力銃を向けた。


ガンッ!


柳田は乃木がゾンビに近付く前に一発弾丸を放った。するとそな弾丸はゾンビの足に当たった。そしてゾンビがふらついた所を乃木が高熱剣で首を切った……



「あたたたた……」


そう言って乃木達の所に来たのは柚木だった。この時柚木はかなり下まで転げ落ちたらしく、途中にあった岩のお陰で止まれたらしい。


「大丈夫ですか?班長」


「柳田、大丈夫だと思う?」


柚木は腰に手を当てながらそう言った。


「大丈夫そうに見えますが……」


「大丈夫なわけないでしょ!このペースで怪我してたら身が持たないわ!」


柚木はそう言うと再び急斜面を登り始めた。すると自然に部下達も登り始めた。この時、ゾンビの死体を回収することが出来なかったが、後で取りに戻ろうと考える柚木だった……



ブーーー


この時柚木班の近くでドローンが飛び上がったことに柚木班の誰も気付いていなかった……



乃木友理奈のぎゆりな


ゾンビ対策士長


武器……高熱剣

短剣

拳銃

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ