表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第一章 新人
53/347

#049 襲撃

午前八時、関東ゾンビ殺所場……


その時林は火炎剣を持って牢獄のある通路を歩いていた。その牢獄にはゾンビに噛まれた人や、実験用に捕獲されたゾンビ等が入れられていた。なのでかなり気味が悪く職員さえもその通路は避けていくという所だった。すると突然林は一つの牢獄の前で足を止めた。


「サイス、話す気になったか?」


林がそう言ったがサイスは何も答えなかった。要するに話す気はないと言うことだろう。なので林は説得することにした。が、何を言えば良いか分からなかったので、よく刑事ドラマなどで言われるセリフをいくつか言った…… が、こんなことを言っただけでサイスが吐くはずがない。なので林はどうしようか考えはじめた……



「林!大変だ!」


そう言って林の所に走ってきたのは冨沢だった。最初は冨沢が何かやらかしたのだろう思っていたが、話のレベルはそれよりもはるかに高かった。


「ここから50メートル離れた所でゾンビが現れたんだ!」


林はそれを聞くと走って小牧達と合流するために職員室に行こうとした…… が、その林の腕を冨沢が掴んだ。


「そっちじゃない!俺達は東門に行くんだ!」


冨沢はそう言うと職員室とは反対の方へと走りはじめた。が、林にとっては何が起きているか全く分からなかった……




関東ゾンビ殺所場、南門……


ここには倉科部隊、副隊長である丹波が七氏、羽部、鳩浜を率いて戦っていた……



「希種数一!希種は俺と羽部が殺るから雑魚は二人が!」


丹波はそう言うと槍を振り回した…… と、言っても馬鹿見たいに振り回しているわけではない。ちゃんと当たらなかった時はすぐにその勢いを殺さない為に槍を回転させる。それが派手にみえるだけであって、形そのものは他の人と変わらない。



そして丹波が希種から少しでも離れるとすぐに羽部が攻撃をはじめた。羽部の場合は丹波とは違い鎌の為、あまり振り回すことが出来ないが、その代わりに一撃が強いという良いところがある。



「羽部!離れろ!」


突然丹波がそう言った。そして羽部が希種から一定の距離をとったことを確認すると丹波は黄色い玉を取り出した。そしてその玉に付いている紐を引っ張り、その玉を希種に向けて投げつけた…… すると、その閃光球が希種に当たるとその衝撃の為に動かなくなってしまった。が、これでは一時的な麻痺に過ぎない。なのですぐに羽部がゾンビの腹を深くえぐった。そして希種が地面に倒れた所を丹波がゾンビの頭に槍を突き刺した……



「あとは雑魚だけか……」



丹波はそう言うと七氏と鳩浜が戦っている方向を見た。するとそこでは最後の一体に七氏がロングソードで両足を切断していた。そしてゾンビが動けなくなった所を鳩浜がマチェットを使い、ゾンビの喉元を深く切り裂いた……



「丹波!此方も片付いたよ」


七氏はそう言うと丹波の元へとやって来た。これで南門にいるゾンビは全て倒し終えた…… そう思いそこにいる誰もがホッとしていた時だった。突然丹波の背後に人影が……



ドガッ!


丹波は何者かの攻撃によって頭から血を流して倒れてしまった。それを見た三人はすぐにその人物から距離をとり武器を構えた。が、再び鈍い音がした。



ガンッ!


すると今度は羽部が倒れてしまった。そして羽部の後ろにはマントを羽織っている男性が…… そしてよく見てみると丹波を倒した不審な人物もよく見ればどこかで見たことのあるマントを羽織っていた。


「鳩浜、ケイトは頼んだ。自分はジャックを倒す」


七氏はそう言うと剣を構えた…… 先に攻撃したのは七氏ではなくジャックだった。彼は七氏と同じロングソードを使って攻撃をしてきた。相手と同じ武器の場合は、勝つか負けるかは実力次第だ。なのでこの時七氏は自分の力を信じるしかなかった……





関東ゾンビ殺所場、東門……


「いくら何でも数が多くないか?」


そう言ったのは塚西だった。その時東門付近にいたのは小牧、中鈴、塚西の三人だった。何故なら冨沢は林を呼びに行ってしまった為にこうなってしまったのだ。が、今となっては少し後悔していた。理由はこの班で強い冨沢が呼びに行ってしまった為、誰が見てもゾンビ側が有利な状況になってしまったのだ。だが、こんな中でも希種が居なかったのは不幸中の幸いだろう。



「小牧!槍は斬りつけるより突き刺した方がいいぞ」


こんな戦いの中でも中鈴はアドバイスをする。しかし塚西から見ればアドバイスする時間があるならゾンビを倒してくれと言いたかった……


「こんな感じですか?」


小牧はそう言うと一体のゾンビの喉に槍を突き刺した。そしてすぐに槍を引っこ抜いた。


「良いよ良いよ!その調子でどんどん頼むよ!」


突然冨沢の声が聞こえてきた。そして小牧が次のゾンビを倒す前に冨沢は近くにいるゾンビを次々に斬りつけていった。そして冨沢の後ろからは林も攻撃をしていた。正直にいうと、これだけのゾンビなら林と冨沢の二人だけで十分だ。なので二人が来てからは三人は特にすることがなかった……



「こいつでラストだね!」


冨沢はそう言うと最後のゾンビの首をいつも通りに吹っ飛ばした。するとゾンビの首からは血が吹き出した……



「林班長!この後はどうするのですか?」


そう聞いたのは中鈴だった。すると林は少し考えてからこう言った。


「取り合えずここに待機していよう。もしかしたらまだゾンビがいるかもしれないからね」


林はそう言うと壁に寄りかかり火炎剣に付いている血を落とし始めた……








七氏由宇也ななしゆうや


ゾンビ対策士長


武器……ロングソード

拳銃

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ