#311 挟み撃ち
旧下水管A1……
「報告! エリアE担当より『E2に白神らしきゾンビを発見。指示を頼む』との事です」
通信官が宇土にそう言った。なので宇土は『白神か……』と心の中で言うと、後ろにいる藍卯に「藍卯、どうする?」と聞いた
「倒せばいいだろ」
藍卯はそう答えた。なので宇土はすぐに「白神は攻撃が効かない亜種だろ。だから指示を求めてきたんじゃないのか?」と言った。すると藍卯は「仕方ないな……」と言い、立ち上がった。そして机に置いてある武器を宇土に渡した
「これを使わせろ」
宇土は武器を受け取ると「捕獲機?」と聞いた
「そうだ。倒せないならとりあえず拘束しておけ」
藍卯はそう言うと元いた場所に戻ってしまった。なので宇土は通信官に「エリアE担当にこれを」と言い、捕獲機を渡した
「分かりました。それでは失礼します」
通信官はそう言うとこの場を離れ、エリアEへと向かって行ってしまった……
「とりあえずエリアEはこれで何とかなるだろ。それより問題は……」
宇土がそう言ったときだった。突然梯子から誰かが下りてきた。なので梯子を見ると、それは調査5の藤田だった
「二人ともちょっといいですか?」
藤田は旧下水管に下りるとそう言った。なので宇土は「分かりましたか?」と聞いた
「あぁ、B2にあったトラップは間違いなく例の組織がつくったものらしい」
藤田がそう言うと藍卯が「それは間違いないか?」と確認した。すると藤田は「対策4のお墨付きだよ」と答えた
「榎本のお墨付きか……。まぁ無いよりはいい」
藍卯はそう言うと立ち上がった。そして宇土に「ここは任せた」と言い、梯子を登ろうとした。なので宇土は「藍卯、任せたってどういうことだ?」と聞いた
「そのままの意味だ。私はやる事がある」
藍卯はそう言うと梯子を登って行ってしまった。なので宇土は藤田に「藍卯がどこに行ったか分かります?」と聞いた
「どこへ行ったかは分からないけど、何をするかなら分かるよ」
藤田にそう言われたため、宇土は「何をするつもりなんですか?」と聞いた。すると藤田はこう答えた
「挟み撃ちさ」
藤田はそう言うと梯子を登って行ってしまった……
「挟み撃ちって、何かするんですか?」
宇土にそう聞いてきたのは堤だった。しかし宇土も『挟み撃ち』の意味が分からなかったため「さぁ……何かするんじゃない?」と適当に答えた……
藤田修斗
二等ゾンビ対策佐官
常備武器……拳銃




