#293 遭遇
旧下水管A2……
「まさかA2で遭遇するとはね……」
有川はそう言うと足を止めた。なのでそんな有川に佐瀬は「いましたか?」と聞いた
「すぐそこに開けてる場所があるんだが、そこに一体見えた」
「亜種ですか?」
「おそらくな」
佐瀬の問いかけに対して有川はそう答えた。すると上間が「有川特官。亜種ということは武器持ちですか?」と質問した
ゾンビには三種類がいた。一つ目が普通のゾンビ、二つ目は想定外の行動をみせる希種、そして三つ目が人のように武器を使う亜種だった
「そうだ。悪いが上間も手伝ってくれるか? さすがに二人だと厳しいから」
有川がそう言うと上間は「分かりました」と言い、懐中電灯を消した。そして佐瀬の後ろについた
「小牧は念の為に後ろを警戒、新戸はゾンビを照らしていてくれ」
有川はそう指示を出すと少し前に進み、ヘッドライトでゾンビを照らした。そのゾンビは手に剣を持っており、間違いなく亜種だった
「佐瀬、上間、用意はいいか?」
有川は二人にそう聞いた。そして二人からの返答を聞くと「それじゃあいくぞ」と言い、A2の開けている場所へと足を踏み入れた……
「それではいきますよ!」
佐瀬はそう言うと亜種の足を斬り落とそうと刀を振った。しかし亜種はそれをジャンプして避けてしまった。すると今度は上間が亜種の背後から剣で首を斬り落とそうとした
カンッ!
『防ぐのか……』
亜種は上間の攻撃を剣で防いだ。するとそんな亜種に有川が大鎌を振った……
「終わりましたか」
佐瀬は亜種を見るとそう言った。亜種は有川によって足を斬られ、倒れていた
「とどめ刺すか?」
「どうぞどうぞ。有川さんが倒したようなものなんですか」
有川に対して佐瀬はそう言った。なので有川は大鎌で亜種の首を斬った。そして離れたところにいる小牧と新戸に「もう来ていいよ」と呼んだ
「大丈夫でしたか?」
小牧は亜種が倒れている場所に行くとそう聞いた。すると有川は「大丈夫だよ。今回のはそこまで強くなかったから」と答えた
「白神みたいなやつじゃなくて良かったですね。あれだったら間違いなく死人出てましたし」
佐瀬がそう言うと有川は「まあな。今回はランチャーとか持ってきてないしな」と答えた。するとそんな会話を聞いた上間が「ランチャー使ったんですか? 旧下水管で……」と聞いてきた。なので有川はこう答えた
「あぁ、ランチャーっていってもピストルグレネードランチャーだけどね」
「それで大丈夫だったんですか? 旧下水管は拳銃の使用を禁止されるくらい脆いのでは……」
「使ったら天井が落ちてきたよ。そのせいでE6の中心部には土砂が溜まってるんだよ」
有川はそう答えた。するとそんな有川に佐瀬が「有川さん。そろそろA4へ……」と言ってきた、なので有川は「確かにここで雑談はやめた方がいいな。それじゃあ前に進もう」と言うとA4方向へと歩き始めた……
『それにしてもここは気味が悪いな……』
小牧は歩きながらそう思った。旧下水管は暗い上に湿度が高く、ジメジメしていた。そのうえ足元には水位は低いものの、水が流れていた。そのため環境としては最悪の場所だった
「そういえば有川さん。A4までついたらどうするんですか? Bに入るんですか?」
そう質問したのは佐瀬だった。すると有川はその質問に「A4で待機する。しばらくしたら他の班が柵やらを持ってきてくれるはずだから、それまでA4を守る」と答えた
「なるほど、そうやってエリアAを安全地帯にするんですね……」
宇土の考えた『エリアA確保作戦』の内容はこうなっている。まずエリアA全体にいるゾンビを倒す。そして次に隣接するエリアB、Dとの通路を柵で塞ぐという方法だった
「でもそれだと一日で終わりませんか?」
そう言ったのは小牧だった
「確かに順調に進めばな。ただエリアAには一度も行ってない所がある。いつ作戦が終わるかはそこ次第だな」
有川はそう答えた。有川の言った一度も行ってない所というのは、宮島班が担当しているA13方面である
「そこって宮島班の担当場所ですよね? それなら大丈夫じゃないですかね」
佐瀬がそう言った。その意見には小牧も同じだったため「ですよね? 宮島班ですし……」と便乗した。すると有川は二人にこう言った
「なんともなければいいけどな」
有川班はそれ以降は会話をせず、慎重に隣のA3へと向かって進んでいった……
上間莉乃
三等ゾンビ対策佐官
武器……剣
短剣
拳銃




