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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第五章 調査
312/347

#283 恩

同刻、対策2専用室……


「それは大変だったな。お疲れ様」


そう言ったのは有川だった。すると小橋は「えぇ、もう二度とやりたくありません」と答えた


対策2専用室ではE班専用スペースに有川、川中、染井、笛中の四人が昨日の事について小橋に話を聞きに来ていた。そんな事もあり、小橋はずっとその事について話していた


「まぁ自業自得もあると思うけどね。しっかりと仕事を済ませていれば普通に帰れたんだから」


笛中はそう言った。するとそれに続くように染井が「ほんとそれ。私ですらやってるのに」と言った


「染井はどうせ三間に任せてるだろ。それに今回はたまたま忘れてただけで……」


「まぁその一件は仕方ない。それより六王子の事なんだけど、どうだったの?」


有川が小橋にそう聞いてきた。昨日、六王子ゾンビ対策基地で起きたことは既にニュースになっているため、ここにいる全員がその事を知っていた。なので小橋は「ニュースでやっていた通りです。襲撃されたから助けに向かった。そしたら敵が居なくてそのまま撤退です」と答えた


「まて、撤退?」


そう言って話を止めたのは川中だった。なので小橋は「作戦が終わったから本部に戻った。それがどうかしましたか?」と聞いた。すると川中は「そこじゃない。俺が聞きたいのは敵が居なくてのところだ」と言った


「確かに……それは襲撃者が捕まえられなかったってこと?」


笛中がそう聞いた。なので小橋は「それが、襲撃者が居なくて……、向こうの人が監視カメラを確認したのですが、それらしき人も映っておらず……」と説明した。するとそれを聞いた染井は「え? じゃあ誰が襲撃してああなったの?」言った

しかし誰にも分かるはずがなく、誰も答えなかった。すると笛中がこう言った


「そういえば八時頃、有川さん本部長室行きませんでしたか?」


笛中にそう聞かれると有川は「行ったけど何か?」と聞いた。すると笛中は「そのとき何か聞いてないんですか?」と質問した。けれど有川は「悪いな。あくまでこれからの作戦についてしか話してないんだ」と答えた


「まぁそうですよねぇ〜。都合良く何か聞いてたりしてませんもんね〜」


染井はそう言った。すると有川は「そういえば話の途中で誰かが入ってきたんだけど、その人が六王子に調査官がどうとか言ってたな」と言った


「調査官? という事は調査部案件ですか」


それを聞いた小橋はそう言った


「多分そういう事だろう。となると六王子で何が起きたのか真相が回ってくる事はないだろうね」


笛中はそう言った

調査部は諸々の調査を行う調査1、特殊作戦を行う調査2、工作活動をする調査3、情報収集を行う調査4、特殊任務を遂行する調査5と部署内で何でもできた。そのため今回の六王子の一件は全て調査部が取り仕切り、その他の部署が関わることはないだろう……

その上、調査部案件となると対策2に情報が回ってくることはまず無い。なのでどうしようと自分達に六王子で何があったか知ることは出来ない。笛中はそう考えた


「残念だけど仕方ないね。世の中知らない方がいい事ってあるし、これもそういう事よ」


染井はそう言うと「それでは私は仕事をしてきますので」言い、この場を離れていった。すると川中は腕時計で時間を確認すると「おっと、なかなかに良い時間だ。俺ももう仕事をするよ。それじゃあ」と言い、離れていった



「話は戻すけど、小橋達は襲撃者を見てないの?」


笛中がそう聞いてきた。けれど小橋はその質問には答えず、こう言った


「有川さんと笛中さんは良いんですか? 仕事は」


「大丈夫だ。十時には用事があるがそれまでなら」


有川がそう答えると笛中も「俺も全く同じ。だからそこは心配しなくていいよ。それより小橋は自分の心配をしたほうがいいんじゃない?」と言った


「えぇ十分に分かってます。助けを欲しいくらいです」


小橋はそう言うと床に置いてある段ボール箱から資料を取った


「よくこんなに溜め込んだな。それで提出はいつまでだ?」


有川がそう聞くと小橋は「今日の朝までです」と答えた


「じゃあアウトだな。そろそろ榎本が……」


有川がそういった時だった。突然対策2専用室の扉が開き、部屋の中に榎本が入ってきた。榎本は部屋に入るとまっすぐ小橋班専用スペースにやって来た


「小橋、言いたいことは分かるよね?」


榎本は作業をしている小橋にそう聞いた。けれど情報管理課に出す資料はまだ完成していなかった。なので小橋は「あと少し待って! 昨日からずっとやってるんだけど六王子の件に駆り出されて……、おかげで終わってないのよ」と言い訳をした


「日頃からやってないから……」


榎本は小声でそう言った


「林に助けてもらえば良いじゃん。いつも助けてもらってるんだし」


有川がそう言った。なので小橋は「林班は休みです。林には昨日救けてもらいましたが、結局うまく終わらずです」と言った。すると有川は「仕方ない。うちの班も手伝うか」と言った


「本当ですか!?」


「困ったときはお互い様っていうからな」


有川がそう言うと笛中も「あとでこの恩は返してもらうけどね」と言った。なので小橋は「助かります。それではこれをお願いします!」と言い、後ろにある棚を開けた


「小橋、さすがにこれは忘れたで済む量じゃないだろ……」


棚の中を見た有川はそう言った。棚の中には段ボール箱が二つ入っており、どちらの箱にも資料が満杯に入っていた……



有川栄光ありかわえいこう


特別ゾンビ対策官


武器……大鎌

緊急防御箱

拳銃

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