#279 報告
東京本部、第一会議室……
「いまどうなってる!」
そう言って会議室に入ってきたのは本部長の仲野だった
東京本部第一会議室は『六王子ゾンビ対策基地襲撃事件対策室』となっていた。そのため、部屋の中には各部署のリーダーと宇土や今井といった対策部の司令官が集まっていた
「六王子基地の人と連絡が取れないので何とも……」
宇土がそう言うと仲野は「今すぐ戦えるところは何処だ?」と各部署のリーダー達に聞いた。すると特殊部の本間が手を上げて「特殊部は用意させてるので、指示があればいつでも行けます」と言った
「分かった。なら特殊部はすぐに向かえ」
仲野がそう言うと本間は「了解です」と言い、会議室から出ていった
「他に行けるとこはないか?警備5とかは?」
仲野はそう言うと警備5のリーダーである石倉を見た。けれど石倉は首を横に振り「今日朝に作戦があったので人がいません」と言った
「そうか。人がいないところもあるのか」
それを聞くと仲野は小声でそう言った。すると宇土が「人がいないのは警備5だけじゃありません。捜査部とテロ対策部もです」と言った
「その二つは基本昼勤務だからな。夜になると捜査部は最低限の人員を、テロ対策部に至ってはここにいるのが奇跡なレベルだ」
そう言ったのは郡山だった。すると突然バンッ!と部屋の扉が音をたてて開かれた
「話は聞いた。仲野!指揮は私がやるぞ」
藍卯は部屋に入ると仲野にそう言った。なので仲野は「分かった。指揮を任せるが向こうの状況が全く分からないが大丈夫か?」と聞いた。すると藍卯は「知るか。私のやり方でやる」と言い、近くの席についた
そして司令業務についていた米田に「おい、誰かに状況を聞け」と指示を出した。すると米田はこう言った
「数分前に小橋班から、六王子基地の緊急時周波数が乗っ取られているというものと、基地の屋上に対策官以外の誰かがいるとの報告を受けました」
藍卯はそれを聞くと米田に「分かった。向こうにいる対策官には建物を制圧するように言え」と指示を出した。しかし米田は「それが、様子がおかしいとの報告がありまして……」と言った
「様子?何がおかしいんだ?」
藍卯がそう聞くと米田は「基地周辺にデモ隊の負傷者が居ないとのことで……」と言った。するとそのやり取りを聞いていた宇土が「確かにそれはおかしい。普通ならこの手の作戦はデモ隊の負傷者が道に沢山いるはずなのに」と言った
「分かった。だが対策官には制圧しろと伝えろ」
藍卯がそう指示を出すと米田は「了解」と言い、司令業務に戻った
「良かったのか?制圧命令を出して」
そう聞いたのは仲野だった。するとそれに対して藍卯は「問題ない。建物を乗っ取られていようが六王子の連中が対抗してるはずだ。なら挟み撃ちにできる」と言った
「まぁそれで済めばいいがな……」
仲野がそう言ったときだった。突然油井が手を上げ、藍卯を呼んだ。なので藍卯は「何だ」と言い近寄った。すると油井は「北林基地長と繋がりました」と言ってきた
「スピーカーにしろ」
藍卯がそう言うと油井はスピーカーに切り替えた。なので藍卯は机にあるマイクを手に取った。そして「聞こえるか?」と聞いた
すると向こうから「聞こえる。さっそくで悪いが、状況はかなり悪い。デモ隊に電気を遮断された」と言われた。なので藍卯は「いま何処の部屋に立て籠ってる」と聞いた
「一階は取られ、二階を何とか守ってる」
「二階だと?報告で屋上に対策官とは思えない人がいると言われたんだが大丈夫か?」
藍卯がそう言うと、北林は「屋上?いま見に行かせる」と言い、無線から離れた。その間に藍卯は「仲野、伝えることはあるか?」と聞いた
「特にこれといって」
仲野は首を横に振って言った。なので藍卯は「そうか」と言い、北林が戻るのを待った
「戻ってきたら報告する。それと今更だが追加の人員を頼む」
北林はそう頼んできた。なので藍卯は「いま特殊部を向かわせた。もう少し耐えてくれ」と言った。すると北林は「あまり持ちそうにない。早く頼む」と言ってきた
「そっちにいる奴等に制圧命令を出した。それで何とかなれば、すぐに状況は良くなる」
藍卯がそう言うと北林は「それは助かる。少々状況が悪くなってきたから無線を切るよ」と言ってきた。なので藍卯は「無線は切るな。そのままにしておけ」と言った。すると北林は「分かった。それじゃあ私は離れるよ。また後で」と言うと無線から離れてしまった
「油井、何か異音がしたら伝えろ」
藍卯はそう言うと油井から離れ、仲野達の居るところへ移動した
「出来ることはした。あとは報告待ちだ」
仲野にそう言うと藍卯は近くにある椅子に座った。そして足を組み、報告が来るのを待った……
藍卯丙
作戦立案官
武器……短剣
拳銃




