#278 至急
『ん?こんな時間にメール?』
小牧が自分の部屋に入ると突然誰かからメールが来た。なのでそのメールを見てみると、それは東京本部からゾンビ対策官に向けての一斉メールだった
「東京二十三区に住むゾンビ対策官は至急、東京本部に来て下さい」
メールにはそう書かれていた
『状況がかなり悪いんだろうな……』
小牧がそう思ったときだった。再び冨沢から電話がかかってきた。なので小牧は電話に出ると「今度は何ですか?」と聞いた
「小牧見た?」
冨沢はそう聞いてきた。けれど何の事を言っているのか分からなかったため、小牧は「何をですか?」と聞き返した。すると冨沢は「テレビ見てないの?」と言ってきた
「もう消しました。それで何かあったんですか?」
小牧はそう言った。すると冨沢は「今すぐテレビを見ろ!基地の建物にデモ隊が侵入したぞ!」と興奮ぎみで言ってきた。なので小牧は再びテレビのある部屋へと移動し、テレビをつけた
「確かに状況が悪そうですね」
小牧がそう言うと冨沢は「小牧落ち着きすぎだろ。もっと慌てろよ」と言ってきた。なので小牧は「そう言われても、いま僕にできることなんてありませんし……」と言った
「確かにそうだけどさぁ……あ、そうそう。それと林がいま現場に向かってるらしいよ」
冨沢がそう言ってきた。なので小牧は「林さんって二十三区在住じゃないですよね?」と聞いた。すると冨沢は「林は大平市だよ。ただ小橋に泣きつかれて本部に戻ったら、この件に駆り出されたんだとよ」と言ってきた
『林さんも大変だなぁ……』
その話を聞くと小牧はそう思った。そして冨沢に「そうですか。それでは僕は用事がありますので」と言い、電話を切ろうとした
「待って、ちょっとでいいから……」
冨沢にそう言われたが、小牧はこれ以上自分の時間を奪われたくなかったため、電話を切った。そしてテレビを消し、自分の部屋へと戻っていった……
同刻、六王子ゾンビ対策基地付近にて……
「もう着くよ」
そう言ったのは小橋だった。なので林は「状況だが、かなり悪いぞ」と言った。すると小橋が「どのくらい?」と聞いてきた
「正面が破られて、建物を死守してるところだってよ」
林はそう答えた……
林はいま、小橋、双葉、そして双葉が呼んだ知り合いと共に六王子ゾンビ対策基地へ向かっていた。東京本部では六王子ゾンビ対策基地の正面門が破られる前から、手の空いている対策官を送っていた。そしてその中に林達も含まれていた
「とりあえずこの辺で止めるよ。これ以上はやばそうだし」
小橋はそう言うと車を路肩に止めた。そして無線で本部に報告をし始めた。その間に林は車から降りて、持ってきたサブマシンガンを取り出した
「現場は向こうですね」
双葉も車から降りてくるとそう言った
「そうだが……こんな中で狙撃銃使えるのか?」
林は双葉にそう聞いた。双葉は手にいつもの狙撃銃を持っており、これを持っていくつもりに見えた。すると双葉は「すみません。間違えました」と言い、狙撃銃を車の中に戻した。そして代わりにサブマシンガンを取り出した
「さすがにこの状況では狙撃銃は無理か」
そう言ったのは双葉が助っ人として呼んだ北条一颯だった。彼はO班の班長で階級は双葉と同じ准ゾンビ対策官だった
「狙撃銃はあくまで狙った一人を行動不可能にするものだから今回みたいな場合には適さない。あまり使いたくはないけど仕方ないね」
双葉がそう言ったときだった。小橋が車から出てきて「行くよ!」と言ってきた。なので三人は小橋のあとについて六王子ゾンビ対策基地へと向かった
「林さん、何かおかしくないですか?」
そう言ったのは北条だった
「おかしい?」
「この手の作戦って普通はデモ隊側の負傷者が道端に転がってません?なのに今回は一人もいませんよ」
北条がそう言うと双葉も「確かにそう言われてみるとおかしいですね」と言った。すると突然小橋が足を止めた。なので林は「どうした?」と聞いた
「林、あれを見ろ……」
小橋は六王子ゾンビ対策基地の建物を指差してそう言った
「あれがどうかしたのか?」
林がそう聞くと小橋は「屋上だよ」と言った。なので林も建物の屋上を見ると、そこには大勢の人がいて何かを叫んでいた
「あれはデモ隊?対策官には見えませんけど」
北条がそう言ったときだった。突然小橋の無線から「六王子基地周辺にいる対策官へ言うぞ、今すぐ帰れ犯罪者共」と聞こえてきた
「小橋、周波数どこに合わせてる?」
林がそう聞くと、小橋は「六王子対策基地の緊急時周波数だけど……これ乗っ取られてない?」と言った
「とりあえず本部に報告をしておいたほうが……」
双葉にそう言われると小橋は「林、頼める?」と頼んだ。すると林は「分かった。報告はするが、この後どうする?指示を待つか?」と聞いた。なので小橋は「指示を待とう。今はそれしかできないよ」と言った……
北条一颯
准ゾンビ対策官
武器……薙刀
拳銃




